ジラウドの回路と残酷な現実
散々迷って悩んで辿り着いたのはジラウドのベース
以前は6弦ベースがメインだった自分。5弦と併用してたりもしましたが、「俺は6弦弾きだ!」みたいなプライドを持ってたのは間違いありません。
『ポング=6弦』
これを一つのキャラにしようと思ってたのも本当の話。
実際、バンドに予備用の4弦を持っていったりすると、「似合わねぇ!」とツッコまれたり、それぐらい6弦の方が堂に入ってた自覚もあります。
しかし、ある問題に直面。体調を崩すぐらいのストレスにも発展。6弦を弾き続けるほど、高い壁にぶつかることになりました。
『ジラウドのベースが一番良い音がする』
この苦悩ったらなかったですね。
自分にとって理想のベースを作ってるジラウドが6弦を作ってない事実。どんな6弦を弾こうが「やっぱ音はジラウドだよなぁ・・」となってしまう悲しさ。
一番欲しいのに買うべき対象がない。ある種の地獄と言っても過言じゃありません。
ストレスにより、精神もグチャグチャ。救急車で運ばれるぐらい体調を崩したり、あれやこれやと苦悩し続けました。
結果、
「もういい!素直にジラウド弾こう!」
6弦をやめることを決意。
6弦であることが大前提なのではなく、まず音的に納得できなければ弾きたくない。多弦を弾くこと自体をステータスにするのは何かが違う。そして、今のメインベースであるブラッククラウド5弦に腰を据えました。
分岐点、事件とも言える出来事だった次第。
ジラウドの本体を買ったのは通い始めてから10年後
ジラウドのラックプリアンプJFDT-HA。外付けのプリアンプSlapper、Mobius等も所有してた自分。他社製のベースにこれらを通すのも当然としてやっていました。
中にはジラウドのバッファを取り付けた物もありましたし、外付けではなく内蔵して使用した経験もあります。
今回のタイトルの流れで言うならば、
「このベースにジラウドの回路で最強だ!」
このノリでジラウド製品を愛用してた時期も結構長くありました。
そして、辿り着いた結論はやっぱりこれ。
「ジラウドのベースが一番良い音してる・・」
いや、どうにもなりません。何をどうしたってジラウドベースの方が圧倒的。全く勝ち目なんかありませんでした。
6弦がメインだった為、ジラウドベース自体を手に入れるのが実はかなり遅かった自分。どちらかと言えば、回路の方でお世話になっていたと白状します。
6弦へのこだわりが強かったのが仇となり、意外とジラウドとは疎遠な部分も多かったのが正直な話。欲しいジラウドベース、お得な中古など、どれだけ見逃してきたか分かりません。
だからこそ余計に思うわけです。
「回路だけじゃない!」
ジラウドはそんな甘い存在ではなかった、自分の認識が間違っていたと。
エレクトリックベースと言えどやはり、肝は生楽器としての部分にある。遠回りしまくった故、これでもかと思い知るに至りました。
同じ回路なのに起こる圧倒的な敗北
「エレクトリックベース=電気が全て!」とは行かなかったのが自分の経験。これに関しては、ブログ上で多く触れていることでもあります。
・大元のエネルギーが貧弱ではどうにもならない
・増幅しようにも無いものは加工できない
・弦楽器なんだから弦が鳴ってないと意味がない
簡単にまとめるとこんな感じですかね。
0を何とかしようって必死になるより、まずは1を手に入れるべき。
その意味で、ジラウドのベースは1どころか10、100の情報量を持ってるとも言えそうです。だからこそ、ブーストするにもカットするにも分かりやすく結果も得られます。
一方、0にも等しいような楽器の場合、いくら素晴らしい回路でブーストしようが何だろうが、望んだ変化は起きず。
それどころか、アンバランスな部分が強調されたり、欠点の方が浮き彫りになる可能性すらあるから難しい。
「ジラウドフルチューンで最強だぜ!」となるはずが、そう都合よくはいかず。元々の異常な生音の悪さ、鈍重さに気付く結果で終わったなど、そんな事例もあるから怖い。
自分も経験していることだからこれは本当に分かりますね。「このベースにジラウドの回路で完璧!」と満足した後、ジラウドそのものを弾くと絶望します。
「何これ・・勝負にならないんだけど・・・」
同じ回路を使用しているはずが全くの別物。そもそものクオリティが全然違う恐ろしさ。
100万円のベースに載せれば世界最強かって、これが全然違うから面白い。変に捻らない方がいい、むしろスタンダードな方が勝ったりもするから奥が深い。そのスタンダードにしても、値段が高い方が良いだろって油断はできず。
パッシブで素の勝負であっても、ジラウドの前にあっけなく散るかもしれません。
電気楽器である前に生の弦楽器
そもそもが違う・・・じゃあその『そもそもの部分』って何なのか?それはやっぱりこれしか考えられません。
『生音』
このレベルの差なのだと確信する次第。
もっと言うならばこれですかね。
『ボディ鳴り』
以前の自分では全く理解できなかった感覚と領域。
「エレクトリックなんだから生音なんか関係ない!」
「ソリッドボディで鳴りにこだわるとか無駄!」
「マグネットPUは弦振動しか拾わない!」
こういうのぜ~んぶ通用しませんでした。それで酷い目に遭ってきました。
ジラウドの設計で生音に対するこだわりをあらわす具体例を挙げるのであれば、
『ディープジョイント』
不評な面も多いだろうこの方式をなぜ取るのか?その意味を考えると色々深いものがあります。と言うか身をもって実感させられました。
電気的な面ばかりにとらわれていては分からないことが沢山あります。または逆に考えるのであれば、電気的に増幅するからこそやるべきことがあると考えられます。
生音の部分と電気的な部分、両方をこれだけ追求している存在はジラウドをおいて他に知りません。自分ごときの浅いこだわりだのプライドなど通用するはずもないと納得。
弾き込むほどに楽器が成長していくのも大きな魅力。タッチが良くなるほど、自分が上手くなるほど、それだけ音も正直に良くなっていきます。
超絶飽き性、同じベースを二年と弾き続けたことがない自分。それが10年弾き続けてるんだから、歴史的な事件。
ジラウド良いベース、奥の深い楽器。エージングしてなんぼ、弾き続けて味わいつくしてなんぼ。電気の部分と生の部分、両方存分に楽しめます。
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