ベースと左手 (17)
綺麗なビブラート
握力でがっちり固定しているようなフィンガリングではまず実現できません。押弦の途中で指が浮いてしまって音が途切れてしまっても駄目。
どの指でも綺麗に確実にビブラートを実現できるようにする。それを心掛けることで必然的に握力頼みのフィンガリングから解放されるはず。
横に動かすビブラートはフレッテッドでも一応それっぽくできはしますが、やはり、フレットレスの方が圧倒的に変化が分かりやすいですね。
変化が分かるからこそ試行錯誤がしやすい。違いが分かるからこそやるべきことが見える。下手が分かるからこそ上達も早く実感できる。
普段と違う新鮮さに触れる意味でも、フレットレスはおすすめです。
音程をしっかり意識する
押さえる場所が悪いと当然、音程は狂ってしまいます。強すぎる押弦も音程に悪影響があります。
常に指を開けとは言いませんし、それがリラックスに繋がるとは思いません。がっちり閉じて握るのも問題であり、それではビブラートをかけるのも難しい。
グーにせよパーにせよ、実は意外と力が必要になってしまうもの。その両方の力の性質を備えたチョキは維持するのが大変なことがよく分かります。
右手にありがちなチョキの形の2フィンガーなど、明らかな力みの証拠と言えそうです。
つまりは脱力して自然に楽に指が開いているような状態が望ましい。どの指でも自然に押さえられて綺麗にビブラートをかけられた方が良い。
チョーキングとはまた異なる表現力を身に付ける意味でもおすすめ。
それを知ろうとするだけでも、フレットレスに取り組む価値があるでしょう。
強く握らないフィンガリング
最終フレット付近を押弦してビブラートをかけてみると、分かりやすんじゃないかと思います。通常の構造のベースであれば、ネックを握った押弦をすることは無理でしょう。
親指でグッ!と握ることもできないし、必然的に握力以外のフィンガリングを要求されることになります。
これは「要求される」と言うか、
『解放される』
と表現してもいいかもしれませんね。
親指と他の指でネックを握って弦をつまもうとするようなフィンガリングから、手首・肘・腕なども利用した押弦になると考えてみてください。
その力たるや、指だけを一生懸命使おうとしたものとは比較になりません。
散々なぐらいに無理を押し付けられていた指、それが様々な協力を得て理不尽で非効率な労働から解放される、そう考えると面白いのではないかと。
これは本当、大袈裟でもジョークでもなく、左手の使い方に無理があると洒落にならない怪我になってしまうことが考えれらます。
親指の付け根がパンパンになるようなフィンガリングからは早く解放された方が良い。
それを習得する大きなヒントを与えてくれる可能性をフレットレスは持っています。
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