ベースと左手 (6) そんなに握力が重要なのか?って疑問

ベースと左手 (6)

 

非効率な演奏とその負担

 

以前から何度か話題に出しているこの問題。

 

スムーズなプレイの実現はもちろん、強力な押弦のためにも重要。握力に頼ろうとするフィンガリングはやめた方がいいと実体験から言えます。

強く押さえようと無理に握ろうとするのは怪我の元。それがそのまま負担にもなるから怖い。

 

前回話した、小指と他の指を連携させた押弦にしても、指先だけはもちろん、指だけを使おうとする意識は変えるべき。

 

・楽器をしっかりホールドして腕を引きつけてみる

・自分の胴体と右腕も利用してテコの原理を意識してみる

・いかにリラックスしながら確実に弦を押さえるか試行錯誤

 

地道に一つ一つ考えたり実践していくことで、効果がより確実なものに変わります。

 特に、脱力を意識するのであれば、指を懸命に開いてそこから強く握ろうなんてするのは、無駄な努力というもの。

 

握力の問題だけで何とかしようというのは絶対に無理があるし、すぐに限界も来てしまいます。

 

アスリートの意外な話

 

握力に頼らない体の使い方。これを楽器とは別の分野で感じたのが、体操の内村航平選手。興味深いことに内村選手、握力が強いどころか、

 

『平均以下』

 

なんて可能性もあるかもしれないとか。

 

素人目には、尋常じゃない力を使ってるように見えてしまいます。

が、『力』というものについてよくよく考えてみると、握力などその一点にしか注目しないというのも、確かにおかしな見方ですよね。

 

そもそもの話、

 

「そんなに力んでたら技なんか出せない」

 

ワールドトップ、超超超一流の選手が言うのだから説得力が違います。

 

鉄棒競技などについては、「指をひっかけてるだけ。グルグル回れるのは白いハンドプロテクターがあるから。」こんな話をしているのも興味深い。握力あるだけで済む世界なわけがないのだと痛感。

 

他にも、イメージと握力のギャップで驚いたのは、吉田沙保里選手。まさに最強、女子レスリング界のレジェンド。この方も実は、握力はそれほどでもないんだそうな。

じゃあ柔道なんかはどうなのか? いかにも強い握力が必要そうな競技、その頂点に君臨した柔道の野村忠宏選手。

その握力は『40kgぐらい』なんて話だったりして驚愕。こういった事例が多く意外なほど存在してて困惑すらしてきます。

 

こういう話聞くだけでも知るだけでも、だんだん分かってきますよね。

 

「ベースは握力!」

 

「んなわけないだろ!」

 

腕力的イメージからは解放されていいし、「トップアスリートをはるかに超える力が必要!」なんてことも有り得ないなと

少なくとも、握力を最重要視するなんて馬鹿な固定観念を抱く必要は、全く無いでしょう。

 

握力は万能でもなんでもない

 

『力』と言うと、ついつい、一点だけに意識が行ってしまいがち。

 

現実は、様々な部分を利用した方がより強い力を生めるし、手をグーにする行為ですら、実は手の平だけを使用して成り立っているわけではありません。

 

片方の手でもう片方の前腕部分などを押さえながら、グーとパーを繰り返してみると分かりやすい。指だけが動いているのではなく、筋肉の動きを感じ取ることができます。

そう考えるとやはり、特定の部分だけを意識したり、鍛えようとしたり、それが本当に正解なのか、疑問になってきます。

 

極端な話、握力が100kgを超すような化け物だったとしても、

 

「その力で楽器を弾け!」

「お前はベース向きだ!」

 

なんて言うのは、なかなか無茶な話。

 

逆に興味深くもあるけれど、どう考えても常識的な人間の範疇には入りません。そんな強化を目指して単純に握力を求めるのはどうなのかなと。

「まず握力100kgを超えるのが上達の条件!」なんて言われても、どうにもならず。

某サイトで見たコントラバスの達人の動画。

そこにあったコメントで、強く疑問になるものがありました。

 

「握力いくつだよ!」

 

ありがちな疑問、発想と言うか、これはほんと、「いやいやいや!なに言ってんだよ!」って自分にツッコミ入れた方がいいぐらいの話。

 

・親指で押弦してる場面でどうやって握力を使うのか?

・ガチガチに固定してどうやって美しいビブラートをかけるのか?

・思いっきりネックを握りながらどうやって素早いポジション移動をするのか?

・手をがっちり閉じて合理的な運指をどうやって実現するのか?

・自分で自分を緊張硬直させてどうやって良い演奏をするのか?

 

考えれば考えるほど、色々と認識がおかしいことに気付きます

 

変な言葉なようですが、

 

『握力幻想

 

これに固執しても苦労するだけでしょう。

その幻想が強ければ強いほど、無駄なトレーニングに勤しむことになるかもしれません。

 

使う力を握力だけに限定する必要はない

 

握力や身体的な強靭さ、それが絶対に必要なのだと固執するのであれば、逆に、考え方を変えるチャンスでもあるのかもしれません。

 

手の力とか指の力ばかり意識してないで、

 

「もっと強力な部分をどんどん動員していく!」

 

こっちに意識と発想を変えていくのは面白いと思います。

例えば背筋など、より強力な部位を利用することも考えるべき。

 

『楽器に対していかに効率的に力を加えるか?』

 

これこそが重要。だからこそ、体の末端、小さな部分だけに限定して解決しようとする必要はない。

体重のかけ方、圧力のかけ方、力を加える方向の意識、考えるべき部分も方法も沢山あるはず。

 

少なくとも、

 

あごを突き出し猫背で弾く

・常に眉間にしわを寄せる

・歯を食いしばって弾く

 

など、これで効率的な演奏ができるとは思えません。

と言うか単純に体に悪いし、ただの力みになるだけ。

 

どんなに優れた筋力を持っていたとしても、力を入れる方向が悪ければ、実際に働く力はそれだけ弱くなってしまうのが現実。

加えて、ガチガチに固まってるのが基本状態になってしまっている場合、無条件に消耗を強いられることにもなってしまいます。

ハードな生活に耐えられる体力があるに越したことはないけれど、強い筋力がそれを単純に生むのかと言うと、それもちょっと疑問が湧くところ。

 

何と言いますか、

 

しょせんは握力」

 

その一点で演奏・音楽をどうにかできると考える、どうにかしようとするって、そりゃやっぱり、かなり無理がありますよね。

範馬勇次郎レベルまでいけば、万能な力にすることもできるのかもしれませんが、それが実現できないからって悩むのはあまりに意味不明。

 

日常生活を送れているのであれば、それでもう十分。

握力に悩む必要なんてないだろうと考えます。

 

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