ベースと左手 (20) スタッカートは『押す』か?『離す』か?

ベースと左手 (20)

 

ベースを歯切れ良く弾くのは大変

 

「リズムが~、グルーブが~」

 

なんて考えていくとぶち当たるのがスタッカートの実現とその壁。

 

・いかに歯切れ良く弾くか?

・いかに立ち上がりを良くするか?

・いかに音の長さにこだわるか?

 

こんな課題について試行錯誤することになっていくはず。

 

ベーという楽器をキレ良く弾くのはなかなか大変。充実した低音を出しつつ立ち上がり良く弾くのはかなりの困難。タッチがよろしくないと肝心の部分が遅れてやってくる状態になりがち。

 

極端な話がこの動画。あえてピークが遅れてやってくるようにローBを弾いています。LEDの光り方で確認すると実に分かりやすい。

www.youtube.com

 

この動画の中で遅れず一瞬でLEDが点灯する場面がありますが、これは【縦振動のタッチ】を意識して弾いています。

実音が遅れてやってくるように弾くのではなく、ど頭に音のピークを持ってくるように弾くことが重要。

 

音が遅れてくるように弾くのも表現方法の一つには違いないけど、自らの意図でも理想でもないようだったら問題あり。

少なくとも、「歯切れ良くかつ太い音を出したい!」なんて思っているのであれば、露骨に音が遅れてやってきてしまうようなタッチではまずい。

 

やっぱり、太い弦をコントロールするって大変です。

細かい刻みが求められる場合、永遠に太い音を出せずじまいになる可能性もあります。これを嫌い、無意識にスラップに行く人もいるのかもしれません。

 

上記の動画のように2秒~3秒遅れて音のピークがやってくるとか最悪!

 

左手の重要性

 

どんなに右手のタッチが良くなろうと、左手で弦を押さえっぱなし、音を鳴らしっぱなしなんて状態になっているのでは意味がありません。

右手で素早く弦をミュートするというテクニックもありはしますが、それが極まったからと言って、左手の使い方もコンビネーションも無視しろという話にはならない。

 

『音の長さ=音価を自在にコントロールするならばやはり、左手の使い方が重要。重要と言うか、ほぼ全権を任されていると言っても過言ではない。

 

「音を伸ばすか?」

「音を切るか?」

 

左手様の動きによってこれが決定する。音程の選択も含め、絶大な権力を有している恐るべき存在と言えます。

指弾きでもピックでもスラップでもお構いなし。左手様が活躍してくれてこその弦楽器。

 

タッピングで抵抗するにもその点において自分は無力!

 

『右手と同時に押す』か?『鳴らしてすぐ離す』か?

 

ちと変な前置きになってしまいましたが、でも本当、重要な話です。スタッカートの実現において『左手をどう扱うか?」というテーマは避けては通れないでしょう。

 

『どうやって音を一瞬で止めるか?』

 

これについて考えるわけですが、疑問になることも出てきます。

 

「音を止めるには弦を止める・・」

「押さえた指を浮かす・・・」

 

「だったら押すより離す方大事なんじゃね?」

 

ちょいと極論のようではありますが、重要なテーマになるのは間違いありません。

 

ついついこう、『右手と左手と同時に使うような感覚』で弾いてしまいそうですが、その意識だとたぶん、色々遅くなっちゃうんじゃないかって気がするところ。

ベースと左手の記事(8)の方でも触れた内容と似てるのかな?

工程を省いていく意味では『押弦はあらかじめ完了。後は離すだけ切るだけ』という、こっちの方が処理としては高速かなと。

 

現実的に見るのであれば、ほぼ同時の行動になるのは間違いありません。そもそも、意識してる暇も考えてる暇もないってことにもなりそうです。

しかしその一瞬の違い、工程の差、反応を鍛え叩き上げていくことにより、やがてグルーブの肝にすらもなっていくかもしれない。

 

『押弦』があるなら

『離弦』と言うべきか?

 

この離弦技術も非常に奥が深い。

 

以前に触れたレフトハンドミュートについても絡めるなら、『左手を被せる』なんて選択肢も出てくるから面白い。

シンプルなフレーズでも違いが出るというのは、こういうポイントではないかと。

 

弦を押さえる技術だけではなく離す技術も身に付ける

 

基本中の基本ではありますが、だからこそ、より奥深く向き合うことも可能。

 

見方を変えれば音を目一杯伸ばすにも、指を素早く離すことができるのは重要ですよね。

確実な静止と分断、それが音をより正確なものにし、その機能も際立たせる。疲労を抑える目的にしても、一瞬で離す技術を身に付けることは大事。

 

無駄な力を入れずに押さえることが重要なのは言うまでもありません。しかしそれが『つもり』なだけで律儀にいつまでも押さえっぱなしというのでは困ります。

このあたり、「綺麗な押弦を!」なんて意識して指が離れないようにする練習の落とし穴でもありますかね?

ずっと力を入れっぱなし、押さえっぱなしになっているようだと、肝心の時に動かせません。弦に自然に軽く触れている状態を当たり前にするのとは、似たようで異なるかなと。

 

馬鹿正直で非効率なな運指練習をしているとそうなると言いますか、実際に身を持って体験、体を壊しもした為、『的確に離す技術』も意識すべきだと考えます。

「無駄がないように!」と考えてずっと無駄に力を入れっぱなしになるという皮肉。練習量だけ多けりゃいいってわけじゃない典型的な失敗でした。

 

「脱力」という言葉と意識だけだと曖昧になりがちなので、

 

『指を離す技術』

『指を浮かす技術』

『音を止める技術』

 

こんな風に考えていけば認識も変わるはず。

 

キレ良く弾こうと右手のトレーニングを意識するのは素晴らしいこと。そこに加え、音価をつかさどる部分を見直してみるのも、非常に効果的。

ちょっとタッチが荒くても、左手が強力なら説得力十分。音が多少軽くたって、タイミングが抜群ならスカスカにはならない。

 

スタッカートについて考えるテーマではありましたが要は、

 

『左手の感覚を鍛える』

 

これですね。

 

押すも離すも自由自在。

切るも伸ばすも思いのまま。

伸ばしてから切る。

切れるから伸ばせる。

 

強力な左手が強力なベースを生む! 

 

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