ベースと左手 (2) ニュアンス作りやグルーブへの影響について考える

ベースと左手 (2) 

 

グルーブへの影響

 

グルーブについて考えても左手の役割は重要なポイント。

このコントロールが素晴らしい人はやはり、

 

『ものが違う』

 

そんな印象を強く受けます。

 

たとえば、ド派手なスラップで有名であろうルイス・ジョンソン。右手の迫力やそのインパクトの方についつい目が行きがちかもしれませんが、実は左手も超強烈。

左手でも積極的にパーカッシブなサウンドや絶妙なニュアンスを加えているからこそ、あのグルーブが生まれているはず。

 

綺麗に弾くことばかりを意識しているような左手の使い方では、あのルイスの迫力やオリジナリティは絶対に生みだせないでしょう。

 

右手と左手のコンビネーション

 

右手と左手の強力な連携があってこその弦楽器。スラップはもちろん、ルイスのようなスタイルに限った話ではありません。

スラップのみならず、指弾きにおいてもこれは本当に重要。両手を自由に使えてこそ、良いグルーブが生まれるもの。右手だけを強くすることを考えても、そうそう上手くはいきません。

 

パーカッシブなニュアンス、タッチミュート(※こちらを参照)を絶妙なポイントで加えるなど、それは右手だけに任せる仕事ではない。

グルーブのことを意識するのであればやはり、左手も自在に操れた方が絶対に良い。

 

先日の話の通り、キレの良いサウンドを得るにも音を伸ばすにも、重要な役割を果たすのが左手という存在。

ただ単に音程を変えるためだけに使っているようだと、ニュアンス付けに乏しくなってきてもしまうし、これで右手も弱いのではかなり微妙な弾き方をしてることになってしまうでしょう。

 

・あえてやらないという選択肢があるのではない

・そもそも知らない、分からない、出来ない

 

これでは演奏の幅も可能性も狭めてしまうことになりかねません。

 

ジャズのウォーキングベース

 

「どうやってラインを構築していくか?」

 

こんな風に音程のことばかり意識していると、ただベタ~っと4分音符を弾くことになってしまいがちなのが、このスタイルの厄介なところ。

当然、なかなかスウィングもしてきません。そして悩み続けます。

 

右手で色々なニュアンスを加えるのはもちろん、左手で絶妙に音を切ったり、プリングによるちょっとしたタッチミュートを加えたり、僅かにでもニュアンスを加えることで印象がかなり変わります。

 

エレクトリックベースで弾くのが本当に難しいウォーキングベース。

「四分音符の羅列」みたいな弾き方だとまったくさまにならないし、単純に格好悪い。のんびりしたスケール練習みたいな左手の使い方ではどうにもならないと痛感。

 

左手のミュートサウンドテクニック

 

前回で話したロッコのような奏法を用い、立ち上がりとサスティーンを上手くコントロールウッドベースっぽさを演出する人などもいるのが面白い。

実際、ウィル・リーなどがジャズを弾く際はこのミュートを多用するそうな。

 

サスティーンを短くしたり、倍音を減らしたいなんて場合、大抵は右手側でミュートを加えて親指で弾こうとするものかもしれませんが、これが苦手な人も結構いるんじゃないかと想像。と言うか、自分がまさにそうなんですよね。

 

2フィンガーでタッチミュートやニュアンスを細かく加えたい方なので、親指をメインで使う奏法がちょっと苦手だったりします。

まぁ、左手ミュートもそれはそれで不自由になるので、一概にどちらが良いとは言えまないけど、どちらか一方で考えればやはり、ミュートサウンドは左手でつくる方が合ってますね。

 

右手はなるべく、いつも通り弾けるようにしておく方が好みです。サスティーンやミュート具合は左手でコントロールする方が感覚的に自然ですね。

 

左手の使い方でスタイルが決まる?

 

かなり極論じみてますが、否定もできないかもしれないのがこれ。

ファンク、ジャズ、何にしても、ベースについて研究するならば、左手に注目してみるのも非常に面白いのではないかと思います。

 

大袈裟ではなく、

 

ロックな左手

ファンクな左手

ジャズな左手

 

こんなものがあったとしても不思議ではない可能性がある。

 

以前にもしたチャック・レイニーの話のように、自分と相性の良い合理的な運指の発見はグルーブにも大きな影響をもたらすでしょう。

様々な技術や要素が蓄積・複合されていくことにより、その道ならではのサウンド、自身のオリジナリティも生まれていくのだと考えます。

 

何が理想かは自分が決めること

 

普通は否定されそうなネックをガッシリ握るスタイル。でもそれで力強く弾くことができるのであれば、立派な技術の一つだと言えます。

その人ならではのサウンドと個性を生む重要なポイントになる可能性だって大いにありえるはず。

 

ストラップをかなり下げて弾くなんて場合、楽器がフラフラしていてはそれだけで音は痩せてしまいがちなもの。

本能的にそこを理解していたり慣れている人は、親指も当たり前のように使っている印象。

 

より良いサウンドとグルーブを得る為、上手く親指まで駆使してフィンガリングしているように感じます。

そこで教科書通りの方法を律儀に守っていても、かえって非効率なだけでしょう。

 

「指を広げて1フレット1フィンガーが基本!」

 

こんなことをやっていたら怪我をするかもしれません。

常識じゃないからと安易に否定してしまうのは、ちょっと頭が固いんじゃないかと。

 

自然とコントロールできている人に対して、

 

「それ間違ってるよ!」

「これが正しいから!

「これが基礎だから!」

 

こんな風に押しつけるのはおかしな話ですよね。

指開いて基礎練やってりゃいいってもんじゃありません。

 

前述のルイス・ジョンソンなども左手の親指を積極的に使ってますし、そもそものサイズが違いすぎるという問題もあり、常識に当てはめて考えるのは無理。

一見は理にかなってない無駄に思えるようなところにこそ、真似できない何かが存在するんじゃないかとも想像します。

 

意図的であるにせよ無意識にせよ、左手が重要なことに間違いはありません。その支配力、影響力というのは考える以上に凄いもの。

左手を鍛えるほど、強力なサウンドと独自のグルーブの元になっていってくれるはず。

 

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