プレベ 選び方のポイント 楽器探しについて考える (7)

プレベ選び

フェンダーかそれ以外

 

先日のジャズベ探し同様、まずはフェンダーあってのプレベ

そこを無視して通ろうとするのは無理があります。

 

加えてプレベの場合、

 

フェンダーらしさ』

 

前回も話したこれが、より強く求められる印象。華麗なアレンジなどについては、あまり歓迎されないイメージが強い。

ジャズベの進化系を狙ったブランドの勢い、存在感が露骨なぐらい薄くなるように感じるから面白い。

 

実際、派手な木目とか、特殊な木材のプレベって、ほとんど見かけません。シェイプのアレンジなども、そんなに歓迎されない印象。

ちょっとスマートになるぐらいの変化でも、違和感が出てしまう。24フレットにしたり、ジョイントを削ったり、そういった方向性ではあまり作られない。

 

やはり、小細工なし、ストレート勝負が好まれる、プレベプレベであってほしいみたいな傾向が非常に強いと感じます。

欠点や弱点を解消しようとするほど、フェンダーさしさもプレベらしさも失われてしまう、何だかつまらない楽器になっていくように思えるから不思議。

 

プレベ探してるのに、

 

「超スマート!」

「洗練の極み!」

「上品なプレベ!」

 

こんなこと言われてもまぁ、全くピンと来ませんよね。

通常のベース選びより、さらに直感を大事にしたくなります。

 

ガツン!と鳴らしてそのままガツン!と出てくれるかどうか?弾いてて気持ちいいかその気になれるかどうか?サウンド、ルックス、かっこいいと思える熱さがあるかどうか?

そんな潔いシンプルな魅力をプレベには求めたくなります。

 

実際に試奏してみて、

 

好きか嫌いか即断!

 

有りか無しか一瞬で決めるのも正解かもしれません。

あれこれ迷ったり、悩んだり、そういうのは似合わない楽器かなと。

 

ぶっといネックの方がプレベらしい

 

完全に独断と偏見、自分の好みの話。

 

「ぶっといネック!」

「太くてこそプレベ!」

 

これが大きな魅力だと考えています。

 

変にプレイヤーを気遣ったり、ジャズベネック仕様とかにするのは、何か違う。アレンジするほど、魅力が希薄になったり、独特の『らしさ』も失われていってしまう印象。

 

これまた完全に気分の問題ですが、

 

『やってやるぜ感』

 

太いネックから生まれるこういうノリって何かいいんですよね。

 

プレベが持つ骨太なサウンドは本当に強力。シンプルな刻みでも十分な存在感。ストレートな魅力全開な方がかっこいい。1PUならではの強さってのが絶対あります。

まずはやっぱり遠慮なくズドーン!と来て欲しい楽器。それを活かす意味でも、ネックがゴツイ方がその気になれる。 

プレベなのに丁寧すぎる、親切すぎるとか、それじゃ面白くない。

 

時代云々を超えた魅力、強み、

 

『男らしさ』

 

こいつを求めたくなります。

 

1~2弦側と3~4弦側のバランスに気を付ける

 

いくら荒っぽいのも魅力になるとは言え、欠陥と見れる部分、受け入れがたい難点、放置すべきではない問題をそのままにするのは、おすすめできません。

 

「低音弦側と高音弦側で音量音質が合わない・・」

 

これは味わい云々じゃなく、ただの欠点、ストレスの元。

セットアップ、鳴り方、PUのクオリティも含め、バランスの明らかにおかしい物には、手を出さない方が無難。

 

高音弦側、低音弦側、PU位置が違ってしまうのがプレベ。 

厳しい判定を下すのであれば、そもそも、1~2弦と3~4弦の音が違う楽器とも見れます。いいかげんな調整では、その差が露骨に出てしまうことにもなりかねません。

 

5弦になるとさらに厄介。「弦一本分増やしました」なんて単純には行ってくれません。

2対3か、3対2か、どちらするにしても、PUの設計がかなり難しい。根本的な部分、そもそもの構造的な問題を抱えていると感じます。

高音側と低音側のバランス、音質の違い、かなりシビアに判断したい。

 

実際、自分が持っていた5弦で、かなり悪質な物がありました。

もう、低音弦側と高音弦側とで、音が完全に違っちゃってるんですよね。明らかに音のグループが分かれてしまっている、繋がりもバランスも最悪でした。

個性、キャラ特性云々の問題じゃなく、スタート地点からアウトって感じ。

 

プレベは直感で選べ!」ってことについても、良い方にばかり捉えるのではなく、

 

「直感的に言ってこれはないわ!」

 

って判断が下せるのも大事でしょう。

 

違和感バリバリ、バランスがあまりに悪い物は心底勘弁。 味わいやら、個性ってやつで押し通すにも、さすがに限界はあります。

現実的に見て、実用外な部分を魅力だと認識するのは、ちょっと厳しい。

 

グズグズの粗悪品を「プレベらしい!」なんて判断したくはありません。

 

PJ仕様には要注意

 

上記の話に加え、Jタイプとの使い分け、ミックスも考えるとなると、またさらに話がややこしくなるから厄介。

まず単純に、出力が違いすぎるのはよろしくない。良いミックスを実現するのも難しい。 どっちも使えないことになりかねないから、PJは怖い。

前述の通り、PBタイプのPUの場合、低音弦側と高音弦側のバランスを取ることが問題になります。

 

そこに加え、異なるPUと異なる位置とでのミックスも加わってくるとなると、電気的な条件がどんどん悪化していきます。

ただでさえバランスがおかしくなる可能性があるのに、さらに電気的にグチャグチャになっちゃうのは、明らかにまずいですよね。

PUミックスによる干渉、これは想像以上に厄介な要素。何の考慮もせず、完璧なミックスサウンドを実現するのは、非常に難しい。

 

PJを分かりやすく使いこなすのであれば、

 

「フロントかリアか?」

 

ミックスはあまり考えず、この二択で考えるのも正解だと思います。

 

才色兼備を目指したりすると意外と良くなかったり、最悪は完全に失敗するかもしれません。無理して着飾ったり、余計な厚化粧をすると、大抵はロクなことにならない。

素材もクソもなく、あれこれいじって本末転倒になるとか、楽器の世界に限らずありがちですよね。

それだったらむしろ、シンプルに凝縮していった方が正解。プレベの場合、よりその傾向が強くなる楽器のように感じます。

 

あれもこれもを求めると、魅力が失われていくなと。

 

プレベの謎 実はジャズベより遥かにハイファイ

 

プレベと言うと、ロックやファンクなイメージが強い印象。男らしい、シンプル、ぶっといサウンドを求めたくなります。 

 

実際、自分がプレベを求めるとしたら、フラットワウンドを張ってスポンジを詰めたり、ジェマーソンのような方向で欲しいと考えるでしょう。 

うだうだ言わず無骨な音で攻める。渋~くシンプルに攻めてこそ、プレベだろうと。

 

そんな固定観念を崩壊させた楽器があります。

 

【Jiraud Mobius PB】

 

衝撃的なんて表現じゃぬるいぐらいに思える存在。

音のインパクト的で言えば、まさに最強のベースです。

  

プレベジャズベよりハイファイだった!」

 

こう言っても、知らない人は絶対信じないでしょう。自分自身、いまだにピンと来ない話かもしれません。でも事実、まぎれもない現実です。

世の中にごまんとあるアクティブのベースなんか目じゃない。超絶ワイドレンジ、高速レスポンスなプレベってのがこの世に存在しました。

 

このメビウスPB、ノーマルチューンでも十分とんでもないんだけど、バッファ付きのフルチューンだと、さらに異次元になるから恐ろしい。

あれ弾いちゃうと、今までの価値観が完全にブッ壊されます。

あんな楽器が実際に存在しているわけですから、プレベって本当、実はまだまだ未開発な部分、可能性が多く残ってる楽器なのかもしれません。

 

従来のイメージ、固定観念にそのまま乗っかるか?それとも、新たな可能性を見出してみるか? どちらにも等しく魅力があり、どちらが好きでも納得。

 

シンプルな楽器だからこそ、奥も深い。

 

JIraud Mobius PBに感じるプレベの可能性

 

自分がプレベについて話すのであれば、20年通った身としてやはり、ジラウドのメビウスPBについて語らないわけにはいきません。

いとも簡単にプレベの常識がブッ飛んでしまう超強烈な存在、その異次元なサウンドに何度も何度もびびらされてきました。

 

ジャズベを完全圧倒するスラップサウンドを叩き出す!

・超絶ワイドレンジで超高倍音まで綺麗に再生可能!

・音作りは1トーンのみでやってのける!

 

こう事実を並べても、普通の感覚では絶対に想像できないはず。

 

で、こんなことを言うと、「でもそれってもうプレベじゃないでしょ?」みたいに思われそうなところ。

実際、同じことを言われた経験がありますし、確かに分かる意見でもあります。

 

しかし、それも一つには偏見なのかもしれません。

 

プレベ=レンジが狭い』

 

こういう先入観、価値観自体が誤りだった可能性もあるわけですね。

 

このメビウスPBが面白いのは、同じPUで超ローファイ仕様にも普通に応えてくれるところ。 

ジラウドの【ジェマーソンチューン】に代表されるような、渋く泥臭い方向にも行けるから凄い。

要するに、実は元から物凄くレンジが広いのがプレベの特性、本来の性能なのであって、それをどう料理するかってだけのことなんじゃないかと思います。

 

PUの信号を素直に劣化なく増幅すれば、超絶サウンドも当然のように実現可能。

プリアンプだけではなく、前段にバッファも搭載したフルチューン仕様は本当、異次元サウンドです。

 

一方、そんな異次元サウンドは求めないのであれば、EQをカット方向で使うのがおすすめ。中域を押し出したサウンド、スタンダードな音にもできるのが、ジラウドメビウスの懐の広さ。

もっとシンプルにしたいなら【ネオパッシブ】なんて仕様もありますし、好みによって自由自在に対応できるから面白い。

 

問題なのは、本来のポテンシャルを知らずどんどん劣化させたり、PU自体に不自然なパワー、妙なキャラクターを求めてしまうなど、無神経にレンジを狭くしていってしまうことなんじゃないかと。

帯域が絞られてるからこその味わい、魅力があるのも確かな一方、秘めたポテンシャル、素晴らしいサウンドを知らないのはちょっと寂しい話。

 

知れば知るほど、

 

『原点にして頂点』

 

これを実感させられる気がします。

 

まだまだ底知れない楽器ですねプレベは。

 

まとめ・懺悔・雑談

 

白状すると、PBスタイルの楽器って今は一本も持ってなかったりします(※後にジラウドのプレベ買いました)。

大好きなんだけど、自分は多弦がメインの人間である為、それが致命的なポイントになっています。

ジラウドにオーダー、ハムバッカー1発の5弦を作ることも考えてはいますが、正直、プレベそのものにはならないのが現実でしょう。

 

何と申しますかプレベってのは本当、

 

『4弦の特権』

 

こう言って差し支えない気がしちゃいますね。

 

多弦メインだからこそ、その真似できなさに痺れてしまう、めちゃくちゃ憧れてしまう楽器。「良いプレベってマジで最高だよな!」って刺激されます。

個人的には本当、テクニカル系のプレイヤーがもっと使っても良いんじゃないかって感じたりもしますし、タッピング、スラップ、技巧的なタッチとの相性も良いのではないかと思います。

 

この辺、何でしょうね?

無骨なイメージが足を引っ張ってしまうのか、

 

「細かい対応は無理!」

 

みたいな先入観も強いのかと想像したり。

プレベはそっちに向かないみたいに思われがちなのかなと。

 

確かに、そういう不器用さこそがプレベの魅力、それを求めてなんぼと言うのも分かります。

一方、ジラウドのメビウスPBしかり、実は知られていないポテンシャルを秘めているのも、プレベの凄さだと自分は実感。

 

ビリー・シーンのように速弾きしまくったり、タッピングも駆使したり、そういうことも絶対イケるはずなんですよね。

自分も実際、弦高をめっちゃくちゃ下げて使っていた時期がありまして、それでだいぶイメージが変わりました。

そもそもの押し出しが強い、一音一音の存在感があるから、タッピングとかも楽だったのなんの。

 

普通なら欠点、ストレスになりそうなバズ混じりのゴリゴリ感も、プレベだと印象がかなり変わったりします。

それが強烈な味付け、力強いサウンド、使える気持ちいい音になっちゃうから凄い。 

アイアンメイデンのスティーブ・ハリスのように、バッキバキに弾くのもかっこいいのがプレベ

強力なアタック、ベースの存在感を強調するのが好きだったら、干渉の少ない1PUの方が素直に抜けてきやすいし、それでいて太い音も出せる。 

 

プレベのPUって磁界的にタッチに対して寛容な面もあるので、小綺麗にかしこまってるより多少荒く弾いた方が魅力的だったり。

その辺考えてもやっぱり、もうちょいテクニカルな方面から注目されても良いように思います。

 

プレベの用途やイメージが限定される理由の一つに、セットアップの問題も大きい可能性が考えられるのかな?

も~のすごく弦高下げられるプレベ、精密に調整されたプレベなど、一回弾いてみるとガラッとイメージ変わるかもしれません。

 

なんて言いつつ、個人的な好みとしては、くたびれたフラットワウンドを張って渋く弾きたくなるところ。

プレベの可能性が~、本来の音は~、とか言っておいてなんですが、シンプルで激渋なベースを求めたくなるのも確かですね。

 

懐古主義、先入観ありありってな話ですが

 

「良いもんは良い!」

 

認めるしかない魅力ってのがやっぱりありますよね。

 

ジェームス・ジェマーソンチャック・レイニーウィリー・ウィークスなど、こういった方々のベースサウンド、プレイってのは最高にイカしてます。

今聴いたってかっこいいんだから仕方ない。懐古と切るにはあまりに偉大すぎる。今だからこそ分かることも多いからもっと知りたくなる。

 

で、何でしょう?プレイヤー側はもちろん、作ってる方もそれが分かってるってことか?本当に不思議なぐらい、変な木材とか使わないのが興味深い。

こってこてのラミネートやら、ド派手な木目だの、プレベじゃほとんど見ないし、原型をほぼ崩さず、シンプルにまとめる方が多いのが面白いですよね。

 

これって穿った見方をすると、

 

「変な木とか使ったら駄目!」

「音が悪くなるだけ!」

「あんなの見た目だけだよ!

 

なんて、暗に言ってしまっているような気がしちゃいますが、実際問題、どんな見解なんでしょうね?

 

プレベには最悪だけどジャズベなら最高!」

 

こんな理屈があるとは思えないし、実に不思議な話だなと。

 

自分が多層構造系のベースに対して偏見を持ってるのもありそうですが、根拠持ってやってる物とそうでない物の差って凄く感じます。

やたら木工技術とか木目の美しさを強調してくるやつって、それだけで要注意対象ですね。

長年の評価、実績を勝ち取ってる工房、よく分からず何となくで作ってそうな新鋭の工房、その差って絶望的なぐらいありそうです。

 

まぁほんと、プレベを使うんだったらまず求めたいのは、やっぱり直球勝負。独特どころではない魅力、小細工なしのパワーが詰まった堪らない楽器。

 

永野護氏の漫画【フール・フォー・ザ・シティ】にもありますが、

 

「全てのベーシストはプレシジョンベースに始まりプレシジョンベースに終わる」

 

こう言うのも決して大袈裟ではないでしょう。

実際、自分も最終的にはプレベに落ち着きそうな、ある種の恐怖を感じています。

  

いや本当、レオ・フェンダーって人は恐ろしい楽器を作っちゃったもんですよね。

こだわりの楽器選び、マニア気取りのこれまでが全部バカバカしくなりそうな、揺らがない骨太さを有するのがプレベって存在。

 

ベース選んでて迷う?

何を買えばいいか分からない?

太い音を出したい?

 

プレベでいいじゃん」

 

これが通っちゃいそうだから参ります。

 

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