ジャズベース 選び方のポイント 楽器選びについて考える (6)

ジャズベ選び

いっぱいあってわけが分からない

 

ジャズベースを選択する際、

 

作ってる会社が多すぎる・・・

どこも同じような事言ってる・・・

どれが良いんだかさっぱり分からない・・・

 

なんてまぁ、自分も正直思ったりします。

 

当然、この世に存在する全てのジャズベを弾いたことなんてないし、弾こうとも思いません。

例え、隠れた名工なんてのがいたとしても、扱いがあまりに限定的なのでは、それに気付くのもなかなか難しい面があります。

 

なので、ここではとりあえず、スタンダードな物を大まかに分けたり、ポイントを絞りながら話をしていきたい次第。

 

まずはフェンダーありき

 

当たり前の話ですが、まずは本家があってこそ。

そこを無視、軽視して、ジャズベースがどうとは語れないはず。

 

と言いつつ、60年代前半とかその辺りを基準にして考えるならば、

 

「ヴィンテージかそれ以外か?」

 

と、フェンダーの中でもまた話が分かれてしまう気もするところ。

 

同じ60年代でもCBS期だの、70年代、ジャパン、メキシコ、USA、カスタムショップ、マスタービルダーだの、そうやってまたさらに分かれてもくるからややこしい。

フェンダー党でも何でもない自分なんぞが語るにはまぁ、ちょっと限界がありますよね。一番の王道、最大大手、超定番でありつつ、一筋縄ではいかない厄介な存在とも言えそうです。

 

そうは言ってもやっぱり、本家であるのを否定することはできません。

賛否両論、色々ありそうなのも間違いありませんが、

 

フェンダーかそれ以外」

 

まずはこう分類すべきかと思います。

こだわるにしても、捻くれるにしても、知らないことにはどうにもならない基本。

 

個人的な印象では、正直、フェンダーって欠点だらけな楽器。音は良くてもバランスに難があったり、状態が安定しなかったり、個体差もある。

手間暇かけて製造、精密な調整がされた物と比較した場合、甘々、ゆるゆるなぐらいのイメージさえあったりします。

一方、だからこその『らしさ』が存在してるように感じるのが面白い。 

 

アクティブ化、デッドポイントの解消、バランスの調整など、より実用的に改良された製品も沢山存在します。

しかし、そこを詰めていくとフェンダーらしさ』ってのが消える感があるのが、何とも不思議。 「良いフェンダーが欲しい!」と求めていくと、意外と話が難しくなるという。

 

全音域完璧なバランス!」「状態も超安定!」「全く非の打ちどころがない!」なんて言われてたら、

 

「それはフェンダーじゃないだろ!」

 

って、ツッコミたくなる部分があるなと。

 

音の暴れもない、詰まりもない、そんな物を求めるほど理想から遠くなる気もする、楽器の奥深さ。それが好きならそれを弾くしかない、他にはない実にオリジナルな楽器。

最強の定番でありながら、実のところ、かなり尖がった存在と言えるのかもしれません。無個性どころか、かなりアクが強い、特有のニオイを持っている、そのらしさに痺れるベース。

 

フェンダーのコピーを求めるにしても、その絶妙な荒さが有るか無いか、それが大きなポイントになる印象。値段やランクに関係なく判断した方が良い。

自分の好みや塩梅をどう見極めていくか?それがフェンダー系ベース探しの基本でしょうか。

 

サドウスキーかそれ以外で考えてみる

 

ちょっと極論なようですが、業界への影響力も含め、勢力図的にそんな面があるのは間違いないんじゃないかと。 

ジャズベースをもっとバランス良く実用的にしたい!」って要求を詰めていった結果、誕生したのがサドウスキーのスタイルなのかもしれません。

形は同じジャズベースに見えるようでも、楽器としては意外なぐらいの別物感がありますね。

 

・デッドポイントを少なくする

・ローインピーダンス出力化

・EQを使用して幅広い音作りに対応

・より安定した出音と汎用性を実現

・品質の安定化

 

など、フェンダー党やパッシブ派から嫌われそうなことを平然とやれるのが強み。

一回り小ぶりにしたスタイルもサドウスキーならではの特徴と言うか、そういうアレンジが面白い。

フルサイズの物も存在はしますが、個人的なイメージとしてはやはり、コンパクトな方がよりサドウスキーらしく感じます。

 

当たり前のように軽量化も図ったり、

 

『演奏の為の道具』

 

この合理性を高めていく姿勢が見事。

 

合う人には最高の道具になるし、合わない人には徹底的に合わない。そんなベースだからこそ、今日の成功があるように思います。

 

サドウスキーを「めっちゃ使いやすい!最高!」と感じるか?

「優等生でつまんねぇ!」と拒絶するか?

それで一つの基準が出来上がる部分もありそうです。

 

重いベースが好きかどうか?

 

個人的には、重い楽器ってそれだけでNG。

単純にしんどい、弾いてて辛くなります。

一方、その重い楽器ならではのサウンドにハマる人も多いはず。 

 

ブリッジについてもバダスのようなゴツイものを搭載したり、こういった仕様の楽器というのもまた、初期のフェンダーとは違うスタイルを確立していると言えそうです。

この辺り、マーカス・ミラーの影響力も非常に大きいのではないかと想像。それか、70年代のフェンダーとも言うべきですかね?

PU位置の問題もありそうですが、ヘヴィな個体による独特の魅力というのが、確実に存在します。

 

これは推測ですが、打撃による強いインパクトや重さなどを求める場合、余計なブレなどは少ない方が良いですし、その方が力をより確実に直接叩きこめるはず。

その意味で、重いベースの方がフォームが安定したり、楽器自体のブレも少なく済んだり、それが好まれる面なんかも考えられます。

特にスラップなど、高速で打撃を叩き込むことになるわけですから、それを受け止める側がフラフラしてるんじゃ困ります。

 

これまた極論なようですが、漫画などでよくある衝撃を逃がす技、吸収してしまう技、あれを楽器側がやってしまってるとか、そんなこともあるのかもしれません。

重い楽器ならではの弦振動、ブレない、散らない、衝撃を逃がさない、ドスンと来るサウンド、軽い楽器では生み出せない何かってのが確実にあると感じます。

楽器本体の方に特徴があるのは勿論、実はプレイヤーの弾き方、鳴らし方もそれならではのスタイルに変わってる可能性もありそうですよね。

 

ハマる人は本当にハマる。軽い楽器じゃ出せない魅力が絶対に存在する。

しかし、その重さに耐えられるかどうか?現実的な演奏バランスを実現していくか?どこまで追求、妥協していくか?

それはやはり、各々個人の好み、感覚によって全く違うものになってくるでしょう。

 

小型・24フレットは別の楽器になっていく

 

ボディが小さかったり、フレットの多いジャズベースというのは、個人的には別の楽器な印象が強い。

フレットが多くなるほど、スラップサウンドへの影響も大きくなりますし、それが苦手な人も多いと想像。

徹底的にこだわる人ならば、「20フレットこそが最高!」となってもおかしくないし、21フレットすら許せないってレベルでこだわるのも分かります。

 

指弾きにおいても、楽器の響きはかなり異なる物になると感じます。

自分が愛用するジラウドのベースなどは、その辺の問題を考慮してか、24フレットの物が超限定的な例外を除き、ラインナップに存在しません。

やはり、それぐらい別物になってしまう、本物のジャズベース感を求めると、全然ピンと来なくなってしまう可能性が高い仕様。

その為、「とりあえず多い方が得だろ!」みたいな感覚で選ぶと、痛い目を見ることになるかもしれません。

 

また、ハイポジションの演奏性を考慮し、カッタウェイを深くしたり、ジョイントを削る物などもありますが、これも音に大きく影響があるポイントだと感じます。

カットした分、鳴りが貧弱になったり、腰砕けになってしまうのはいただけない。

肝心の音が弱くなってしまった結果、それをPUのパワーやプリアンプの方に依存するようになってしまうと、それだけジャズベースのオリジナルな良さからは離れていくと痛感。

 

自分が実際に所有してたベースで、

 

・24フレット

・コンパクトボディ

・狭い弦間ピッチ

・低出力PU

・アクティブ

 

こんな感じのジャズベがありましたが、物凄く扱いやすい一方、音の方はこじんまり、ダイナミックな感が全然なく、小さくまとまってしまっている印象が非常に強かったです。 

正直、ジャズベらしさ』みたいな魅力はかなり薄かったなと。

PUの位置を考えたら同じ音になりそうなものなんですが、エレクトリックベースと言えどやはり、生楽器としての影響を無視することはできないんですね。

軽量、コンパクトにするほど、その事実そのままの音になってしまう感じ。

 

その辺やっぱり、パッシブでも問題なく使えるフルサイズのジャズベって、理屈抜きに良い。4弦の開放をドーン!と鳴らした時なんかの手応えとか、コンパクトなやつだといまいちピンと来ない。

残念ながら、多彩だったり秀才な方向を狙うほど、そういう気持ちよさから離れてしまう、小さく軽くなるほど、そのままの傾向が強くなる印象。

大きい方にも小さい方にも、どちらにも利点はあるけれど、ジャズベらしい気持ちよさ、それっぽさを狙うならやっぱり、要素をシンプルに凝縮していくほど、魅力ある楽器になると感じます。

 

バランスの取り方が難しいですが、まぁ何と申しますか、何でも屋みたいな便利な方向性を求めると大体、失敗する気がしますね。

実際、そういうやつは全部手放してきましたし、最初は良くてもすぐ飽きちゃいました。

最初から別の楽器を求めるつもりだったらいいけど、素晴らしいジャズベースを求めているのに、小型系だったり24フレット以上の物を求めるのは色々厳しい。

 

半端に多様性とか求めると、かえって縛られる、実用性が薄くなる、そんなことを実感してきた次第。

 

木目・木材に固執するとややこしくなる 

 

個人的な好みと偏見たっぷり、誤解を承知で言うならば、ジャズベースにはあまり芸術性など求めない方が正解だと感じます。

楽器としてと言うか、淡白に評すなら、『道具』として優れた物を選んだ方が良い。

 

そういう意味では、「豪華にしたい!特別な物が欲しい!」みたいな意識、欲、見栄を上手く料理することが、正解を掴むための楽器選びの大きなポイントと言えそうです。

豪華なトップ材、見慣れない特殊な木材など、そういった要素を追加すればするほど、価格はどんどん上がる一方、肝心の出音がそれに伴わない、実用性も乏しくなったり、出音も鈍化していくような印象。

 

そりゃ、見た目が最高に気に入ってる方が満足感は味わえますし、好みや感覚を無視しろとは言いません。

変わった材、凄い木目などが好きなら、それを追求していくのも個性。

ルックスなんかどうでもいい、音が良ければいい、そんな風には割り切れないし、そればかりが正解だとも思えないのは確か。

 

ただ、リスクも承知しての選択なのかどうか、そこはしっかり意識しておいた方が良いですね。その要素が本当に大事なのか、必要な部分なのか、よく考えてみるべきだと声を出しておきたい。

超トラ目のネックに惹かれて買ったはいいけど、状態が安定しない、グニャグニャ動きまくりなど、調整するのも一苦労、安定させるのが困難、手痛い目を見たこともありました。

木目重視の楽器選びで酷い目に遭った経験、これまでの失敗の積み重ねからも、自分的にはあまりおすすめできません。

 

他にも、素晴らしいトラ目トップのベースを所有していたこともありますが、それが音に何か影響あったのかどうか、その点については強い疑問を抱きました。

冷静に考えてみたら、木目が出やすい柔らかい材とか、それを超薄く張ったぐらいで絶大な効果があらわれるとは、とても思えませんよね。

 

強力な接着剤が使われるのだとしたら、その悪影響がないのかどうか、その辺りも気になってきますし、接着剤だらけの楽器を豪華仕様と言うべきなのかどうか、そこも疑問になります。

いずれにせよ、「メイプルならではの鋭いアタック感が!」みたいな、よくある売り文句なんかもまぁ、あまり当てにしない方が良いでしょう。

 

単一材には単一材ならではの豪快な魅力がありますし、より大きく広く、贅沢に材を使用しているのだとも見れます。

とすれば、多数の材を使用している物は、小さく細かい材を無理やり使って合わせてるだけとも見れますし、考え方や認識次第でだいぶ変わってきますよね。

 

意味も効果も薄い、余計な見栄・・・

それで音的な悪影響、不利を求めてしまうのは考え物。

 

かっこいいジャズベースって案外、強力な木目とか出ていない、質実剛健なスタイルなんじゃないかとも思います。

バリッバリに木目を強調したジャズベースがあったら、それだけで警戒した方がいいなんて判断も一つには正解かもしれません。

 

リアPUオンリーでも量感豊かな良い音が出るやつは凄い

 

60年代前半のジャズベのフレットレスを弾いた際、

 

「何でリアだけでこんなぶっとい良い音が出るの!?」

 

ってびびった経験があります。

そして、これが一つの基準にもなるように思いました。

 

要するに、リアの音が軽すぎたり、全然ボトムが出ないような物は、そもそも楽器自体が鳴ってないことを意味しているんじゃないかと。

いくらプリアンプでブーストしても厳しい、理想のバランスは得られない、どうやったって理想の音にはならない。

パワーのあるPUを搭載すれば良いって話ではなく、ちゃんと楽器全体が鳴ってるかどうか、アンプからそれを気持ちよく実感できるか、それをしっかり判断することが大切だと痛感。

 

これは本当、良いフレットレスを求めるのであれば、特に重要なポイントになってくるでしょう。

音に全然腰がないとか、ハイミッドから上ばかりが出てくるとか、リアの音がスカスカな物には注意が必要。

確かなポテンシャルを持っているジャズベースであれば、パッシブでリアオンリーでも、その音の素晴らしさを感じ取れます。

 

素の状態で確認、フロントPU、リアPU、それぞれ単体でも良い音がしてくれる物は信頼できます。

その逆、 ミックスしても何してもどうにもならないってやつは、本気で勘弁ですね。

 

結局、何を選べばいいのか?

 

こればかりは、

 

「好みによる!」

 

としか言い様がないかもしれません。

 

しかし現実として確かな問題もあります。

 

『予算』

  

「値段は関係ない!」と言いたいけど、ここをハッキリ設定した方が目移りしなくなるのは確実。

「30万以上は絶対出さない!」なんて決めておけば、手の届かない物に対する認識も変わるでしょう。実際問題、超高級なジャズベースと言われても、いまいちピンと来ない感があります。

そういう物に憧れるってどういう判断をしているのか?本当に楽器としての価値を見出してのことなのか?冷静になって考えてみても良いはず。

 

「いくらでも出す!」と言うのなら、ヴィンテージを探しまくるなんてのも良いと思いますし、信頼できる会社・工房にオーダーするなど、究極の自分仕様を作ってみるのも面白い。 

例え、それが外れたとしても、「どこが間違ってたのか?」とまた新たに分析できますし、求めるコンセプトがしっかりしていれば、理想に向かっていくことができるはず。

 

ただ、その「いくらでも出す」ってやつも、限りない探求、追求の為に手段選ばずやってるのか、何となくの気分、いいかげんなイメージでやってるのか、それで話は全く違うものになりそうです。

 

「何が欲しいか分からない・・」

「何が良いかも分からない・・」

「何が好きかも判断できない・・」

 

「なんにも知らないけど高級だから間違いないだろう!」

 

こんな風に基準が全く出来上がってないのではまずい。失敗を恐れてるにもかかわらず、欲は変な方に出てしまっている、おかしな状態。

悪く言えばこれって、詐欺師に騙されやすい状態のような気がしますよね。

明確な目的も意志もなくフワフワ、なのに、無闇やたらに上を見ようと謎な投資をするという。お金で解決できる、誰かのおすすめに従うので良いと思ってるなら、それはちょっと待ってほしい。

 

基準を持ってないなら、前述したようにまずフェンダー、サドウスキーなどを弾いてみるのも良いですし、要点を絞って好みを判断するにも、傾向が分かりやすくなると思います。

定番品なら扱ってる店も多いですし、在庫が全く存在しない心配がないのも強み。色々触ってみて、基準を作っていきたいところ。

 

よく見かける、よく使われている、そういった楽器を「人と同じでつまらない!」と安易に避けるのも、一つには考え物。

これは本当、過去の自分にそのまま当てはまります。

捻くれてアンチフェンダー決め込んだり、アンチジャズベース気取ってましたが、いざ弾いたら、その実に真っ当なサウンド、確かな実用性にやられました。

 

・なぜ評判が良いのか?

・なぜ定番になっているのか?

・何がベースに求められるのか?

 

ジャズベース選びで迷ったら、そこはやはり、まずシンプルそのものの強さを持つ物、バンドアンサンブルでの実績も確かな一本を弾いてみるのがおすすめ。

 

そしてそれは、とんでもない金額を出さずとも出会えるはず。

 

スペックを細かく気にするより現物そのものを判断すべき

 

楽器オタク的に、

 

・パッシブかアクティブか?

・シングルコイルかハムバッカー構造か?

・ボディはアルダーかアッシュか?

・ディンキーシェイプかフルサイズか?

・薄いネックか太いネックか?

・指板はローズかメイプルかエボニーか?

 

こういうことを考えたり、話をするのは、やっぱり楽しい。

自分も間違いなくそういうタイプですし、だからこうして、ブログをやってるんだと思います。

 

一方、あれこれ語るのが好きだからこそ、それが役に立たなかったことも多く痛感。

ロクな基準もない、経験もない、そんなことで楽器を分かった気になってしまうのは、本当にリスキー。

安い売り文句、どこの誰かも分からないレビュー、そんなものに乗せられたり判断も任せてしまうのは、とても危険な行為ですし、それを鵜呑みにした価値観や言葉に染まってしまうのは、凄く愚かだとも言えます。

 

「アッシュはドンシャリバンドじゃ駄目!しっかりした中域を求めるならやっぱりアルダー!」

 

こんなことを言い切ってしまうのは、かなり怖い。

 

そういう傾向が存在するとしても、それを決定事項にしてしまうのはよろしくない。先入観、偏見により、素晴らしい楽器との出会いを遠ざけてしまっては、本末転倒。

本当にアッシュはドンシャリでしかないのか?バンドじゃ弱いのか?アルダーじゃなければ駄目なのか?

断言するのであれば、それだけ多くの事実に出会い、自らが確たる証拠になれる積み重ねをしておくべき。

 

材による傾向、スペックで判断できることがあるのは、確かにそう。

しかし、実際に使ってる人を見ても、自分で使ってみても、本当に問題はそこなのか、疑問になることが多々あります。

アッシュで渋くこなす人もいますし、アルダーでバキバキに決めてる人もいるし、塗り潰してしまえば、木材云々の判断は非常に難しくなるとも思います。

 

オールラウンドか、特化か、それを決めるのは結局、

 

『人間』

 

そして大切なのは、

 

『使える楽器』

 

これを見つけること。

 

信頼できるお店で購入すれば、メンテの心配も軽減されますし、それを自ら判断、見極める為にも、とにかく実際に弾き、経験を積むのがおすすめ。

 

試奏も実戦も含め、試行錯誤あるのみですね。

 

まとめ・雑談

 

ジャズベース選びのポイント」なんて長々話しておきながら、元々はアンチフェンダー、アンチジャズベースだった、わたくしポング。

色々経験してきた結果、見事にそれを打ち砕かれましたし、その辺、このブログで詳しく書いてきたりもしました。

アンチだったからこそ分かる、その実力、その価値、心の底から認めるしかありません。

 

しかし、ジャズベの形してれば何でもいいのかって、そんなわけにはいきませんでした。ジャズベース』と一括りにしても、やっぱり色々あります。

完全なる失敗例、苦い思い出を挙げるなら、40万クラスの工房系アクティブジャズベース。造りの良さは天下逸品、超絶弾きやすくて最高の買い物をしたと、心から満足してた一本。

それがま~、いざバンドで音を出してみたら、フェンダージャパンのジャズベに完敗。高級な方がメンバーからケチョンケチョンにされるという、酷い目に遭いました。

 

その経験だけから見ても、「作りが丁寧で弾きやすい!」とか「高級ハンドメイドの傑作!」みたいなのは、自分の中では全く正解になりませんでしたね。

両者共にアッシュボディ、メイプル指板、しかも重量も同じぐらい。

だけど出音は全くの別物、バンドでの混ざり方も雲泥の差。何を信じたらいいのか、価値観が崩壊した瞬間でした。

 

軽量な方向性を求めるにしても、好みが分かれます。

自分だったら「小型軽量」ではなく、

 

『大型軽量』

 

これを理想として求めたいですね。

 

厳選された良質な軽量材を贅沢に使った物が圧倒的に好み。硬く重い材をコンパクトに使うみたいなのはキツイ。それは全然軽く感じないし、苦手な音になる傾向も強い。

 

完璧な5弦、ジャズベースタイプのサウンドを求めた結果、ジラウドのブラッククラウドを10年間弾いてきました。

このベースの超高速レスポンス、超ワイドレンジな特性、そしてオールラウンドな多様性に勝てる楽器はないと確信しています。

 

一方、フェンダーそのものが欲しい!」ってなった場合、そのニオイを出すのは非常に難しいと痛感。

正直、それは出すのは諦めてますし、求める意味もないと割り切ってるのも本音ですね。

完璧な仕上がり故、独特のらしさ、特有のニオイを出すのは、逆に、苦手に感じることがあります。

 

この辺は本当、

 

フェンダーが好きならそれを弾くしかない!」

 

って言うしかありません。

 

多少のバランスの悪さ、デッドポイントも含め、その全てがオリジナリティ。それが良い悪いもクソもなく、認めるしかないって感じ。

 

そういった味わい、魅力を求めて手に入れたのは、ジラウドのジャズベース、メビウスシリーズ。ジャコ丸出しなフレットレスを持ってますが、これがま~、めちゃくちゃ良い。

 ブラッククラウドと比較した場合、物足りないところも多いんだけれど、ジャズベのフレットレスが欲しい!」ってなったら、間違いなくこっち。

 

ブラッククラウドではそのジャズベらしさ』ってのが出てきません。

完璧じゃないからこそ、そこに温かみや親しみが生まれたり、真似できない個性が生まれたりもするのだから、楽器って奥深い。

 

で、さらに話をややこしくしますが、良いジャズベースを求めるんだったら、

 

「弾き込んでなんぼ!」

 

これが大きなポイントだぞと声を出しておきたいですね。

そこを無視してあれこれ探したり、買ったり売ったりを繰り返すのは、ちょっと違うかなって考えてます。

  

これまたジラウドで例を挙げると【Super JB】ってジャズベがなかなかの衝撃でした。

でかいジョイントが邪魔すぎる、ハイポジションが弾きにくいとの不評が多いジラウド。その中では珍しい存在になるのが、ノーマルジョイントのSuper JB。

スタンダードなシェイプ、ジョイント故に、ジラウドの中ではなかなか鳴ってこない印象があったり、自分的にもあまり興味が湧かなかった楽器。

 

ところがどっこい、そのSuper JBをメインに10年以上も弾き込み、とんでもない音に育て上げた人ってのが、この世には存在するんですね。

あの弾き込んだサウンド、異常な鳴りっぷりと来たら、ま~、ショック以外の何ものでもありませんでした。

 

「え!?楽器って弾き込むとこんな音変わるの!?」

 

あれは間違いなくひっくり返ります。

新品の音は全くの別物、別次元の楽器です。

 

ジラウドの福田さんから、「こっちで出来ることは50%まで。後の50%はお客さんが弾き込んでいくことで完成するんだ。」と聞かされたことがありますが、本当にその通りの出来事でした。

「未完成品を売るのか!」ってそんなちっちゃいことじゃない、チンケな話じゃない、楽器との付き合い方、本物の鳴りを得る為の本質を知れたように思います。

 

さすが、69年製のフェンダージャズベースをリアルタイムで使ってた人。「ジラウドはヴィンテージを知らない!」なんて恐ろしくて言えません。

プロとして誰よりも弾いてきた、知っていたからこそ、確信していることがあるのでしょう。

そのSuper JB使いの方はとんでもない実力者なんですが、その信頼、実績もあってか、楽器がどんどん鳴っていくことを見通してたように感じます。

 

楽器選びの悩みや迷いを抱えてる方に言うのは無責任なようですが、でも本当、自分の好みは自分で見つけ、自分で決めていくしかありません。

誰々が使ってるとか、周囲の評判が良いとか、それが参考にはなっても、最終的には関係ないとも言えます。

インスタントな付き合いじゃ分からないことも沢山あるし、でも、何本も何本も知っていかないと分からないこともある。

今の最高が10年続くとは限らないし、最高を完成させる為に、10年必要になるかもしれないし、本当に長い旅だとも言えますよね。

 

それでも、続けていけばきっと出会えます。ずっと弾いていられる、気持ちよく弾き続けられる、最高の一本がある。

 

それを手に入れたら、後はもう簡単。

 

自分に自信を持つ!

弾きたい物を弾く!

それを使い込んでいく!

 

迷いないジャズベースを掴んでいきましょう。

 

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