ベースと木材 アッシュの特性・傾向について考える

ベースとアッシュボディ

重量のばらつきが激しいイメージ

 

くっそ重いやつ、超絶軽いやつ、何でこんな違うのかとびっくりするのがアッシュ。

 

・スワンプアッシュ

・ホワイトアッシュ

・ライトアッシュ

 

よく目にする耳にするのはこんな呼び方ですが、ライトアッシュとかそのまんますぎて笑えてきます。

 

でも確かに、

 

重いか軽いか』

 

これぐらい簡単に分けてしまった方が正解な気もするから面白い。複雑に何々アッシュとか言わず重量で判断、現物を持ってみて実感するのが何より。

 

重さ関係なく感じる傾向は『明るい』

 

どう分類するかはさておき、傾向として感じるのは明るいイメージ。「甘い」「粘る」「ゆったり」など言われる事は少ない印象、自分的にもほぼ同意ですね。

 

前回触れたアルダーと比較するならば

 

・ドライ

・パンチ

・速い

 

この辺がキーワードになってくるかなと。アッシュに感じる分かりやすいキャラクター、ストレートなサウンド、豪快感など、やっぱり良いものだと納得。

 

アルダーと比較した場合、全体的に反応速度にも優れてる感じ。帯域とそのレスポンスについて考えるならば、アルダーより下も上も速い。ワイドレンジな特性を求めるにも向いていると実感。スラップするのに人気がある材なのも頷けます。

 

ひっこまない力強さ、明るさ、音抜けなど、それを分かりやすく求めるならアッシュ。一般的にもそんな評価と傾向があると思いますし、自分の中のイメージ的にもやはり同様です。

 

固定観念・先入観に気を付けたいのもアッシュ

 

アッシュはドンシャリ?

 

よく言われている気がする、アッシュのドンシャリ感。中域がない、高域がうるさい、低音が凄く出る等、そんな声が多くあるかなと。実際、自分的にも苦手な傾向を感じるアッシュがあったりします。

 

ただ、想像するに、そのドンシャリなイメージを作る原因って、

 

『超重いアッシュ』

 

こいつにあるんじゃないかと。

 

ヘヴィなアッシュだと確かに、ちょっと独特な印象が強いかなと。弾き心地の問題だけでなく、音の傾向も苦手。同じような印象を抱く人も少なからずいると思いますし、それがドンシャリ云々の話に繋がるのも分かります。

 

独断と偏見から極端に言うならば、

 

『弦の方がよく鳴る』

 

ボディを豊かに鳴らすのとはまた別種、それならではのサウンドが出来上がる感覚。

 

勿論、本当に弦だけが鳴るって事はありません。ラージでヘヴィなベースじゃないと実現できない世界があるのも分かるし、重いアッシュを活かした特性、独特の世界があるのも間違いないでしょう。

 

ただやはり、自然で膨らみのある中域は得意じゃないような、やたら下の方が出てくるような、音がピーキーになるような、帯域によって立ち上がりがアンバランスになるような、そんな傾向が出てくる感は否めず。

 

これに加え、癖のあるプリアンプ、ブーストを主にする音作りをするとなると、「ドンシャリで扱いにくい」とか「単体で気持ちいいだけ」と言われてしまうのも、分かる気がするところ。

 

アッシュ自体を避けてしまうのは疑問

 

重いアッシュに独特の癖があるとしても、

 

『アッシュ=ドンシャリ』

 

この一括りにしてしまうのは反対。

 

激重なのも絶妙に軽いのも一緒くたにして、「アッシュはドンシャリ!」と断言してしまうのは、違和感全開。先入観、固定観念が強すぎて、「アッシュはバンドじゃ使えない!」みたいな事を言い切っちゃうのはよろしくない。

 

前述した重いアッシュの使い方、先入観に疑問を抱くとすれば、

 

『癖のあるプリアンプ』

 

こいつの存在が厄介だとも思います。これとセット、前提にして、アッシュへのイメージを固めてしまうのはどうなんだろうと。

 

さらに言うならば、高出力でレンジの狭いPUなども同様。やたら癖がある、素直に高域が伸びない、耳に痛いピークが発生、下の方が過剰に持ち上がる、美味しいミドルを削ってしまうなど、電装系が悪さをしている場合も多いと感じます。

 

癖の強い物同士を組み合わせたらそりゃ、癖の強い音が出来上がるのも必然。それが王道、定番のスタイル、定義みたいになってないか、疑問が湧く次第。

 

下が出すぎて上が隠れるからハイをブースト。今度は硬すぎに感じるからローをブースト。弦高を下げてタッチを軽くする。何かまとまらないからコンプを強めにかける。こういう悪循環を起こせば不自然な音になってしまうのは当たり前ですよね。

 

イメージ的には分かりもするけれど、

 

「重いアッシュ=ドンシャリ!」

 

やっぱり、これを言い切ってしまうのは、ちょっと怖い。マーカスミラーや青木智仁さんなど、あの人達がバンドじゃ弱いとかそんなわけもないでしょう。結局、トータルのセッティング、使い方に委ねられるものではないかと。

 

重いアッシュは下の方がやたら伸びてくる、上の方にも独特の癖がある、それも一つには傾向として事実なのかもしれないし、それを強調する為、活かす為のプリアンプ、音作りが面白いのも確か。

 

でも、その印象が強すぎるが故、認識が歪んでしまうのは考え物。「アッシュは御法度!」みたいな事は考えたくありません。

 

フレットレスに使ったって問題なし

 

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軽量で良質なアッシュ、丁度いい重さの物を直球で使用した場合、危惧するドンシャリになるような事はないし、ミドルがごっそり削れるような事などもないと実感。

 

自分が所有するジラウドのメビウスJBはアッシュボディ。重量は4kgちょっとで重すぎず軽すぎず。基本パッシブでバッファだけを通してる仕様です。

 

それを使用した動画がこちら。柔らかめのタッチでまったり弾いています。これを「ドンシャリ!」と断罪されたら首を傾げます。

 

www.youtube.com

 

ラウンド弦を使用、指板をコーティングしてる事もあり、明るめの音が出るのは間違いありません。しかし、「キンキンして使い物にならない!」って判断は有り得ないでしょう。

 

トーンを絞ればもっとマイルドになるし、さらに甘い音も出せます。フロントPUをメインにしても別物。リアPUオンリーにしてもタッチで音は激変。弾き方で鋭くも甘くも自由自在。

 

木材による音の傾向も存在するとは思いますが、

 

「アッシュはドンシャリ!」

「アルダーは中域メイン!」

「マホガニーは甘い音!」

 

「アッシュはフレットレスには絶対合わない!」

 

こんな極端な認識をしちゃうのは、どうにも納得できず。

 

「フレットレス=やわらかい音=フラットワウンドじゃないと駄目!」みたいなのもよろしくありません。傾向として捉える分には良いとは思いますが、実際に弾きもせず断定までしてしまう、選択肢から捨ててしまうレベルまで行くのは危険。

 

アッシュを使ってパッシブで甘いフレットレスを狙ったって別にいいし、明るい傾向と言っておいて何だけど、「ヘヴィにダークに」なんて狙うのも美味しいでしょう。

 

身も蓋もない話、

 

「塗り潰したら分からない!」

 

なんて可能性も大。

 

固定観念に染まったスペック至上主義みたいなのは、色々な意味で損だと思います。

 

軽めのアッシュは好きなボディ材

 

軽いアッシュの何が魅力かって、

 

『軽い』

 

そのまんまな話。だけど間違いない重要な事実。

 

要するに、

 

「重い楽器はしんどい!」

 

音云々の問題より、身体的に受け入れたくありません。もう本当、ヘヴィ級の楽器にはこりごり。どんなに音が良くたって、扱いたくないかなと。

 

と、そこだけ言ったら、どの材だって同じように思えそうですが、ものすごく軽くしてもちゃんと鳴ってくれる、美味しいポイントを持ってくれる気がするのが、アッシュの面白さ。

 

超絶軽量で高速なアルダーを望むのは、なかなか酷な印象。マホガニーに超軽量を望むのは、そもそもがだいぶ厳しそう。凄い代用材もあるのかもしれないけど、それが何かは自分は知りません。

 

そうなると、必然的にアッシュが第一候補に躍り上がる、変な材で博打するより実績的にも実感的にも優れた材だと、納得させられます。

 

アルダーにもう一味欲しい、分かりやすいパンチ、速いレスポンス、ワイドレンジを求めたいなど、そんな希望があるなら、軽量なアッシュボディの楽器を試してみるのがおすすめ。

 

「アッシュで正解だった」でもよし。

「結果アッシュだった」でもよし。

「何も知らず知る気もなし」でもよし。

 

妙な先入観を抱かず、満足できればそれでOK。スペックばかり気にし、無理に納得するより健全。

 

『無い物ねだりするより良いアッシュ』

 

変に装飾せず、そのまま使うのが正解だと実感。

1ピースで軽いアッシュとか、個人的にはよだれが出る材ですね。

 

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