ベースと木材 アルダーの特性・傾向について考える

ベースとアルダーボディ

イメージは『遅い』

 

独断と偏見から言えばこれ。物凄くレスポンスの良い物と比較すると、アルダーは遅い印象強し。

下の帯域はゆったり、重い個体になるともっさりってぐらいな感じ。上の帯域もかなりマイルドに立ち上がるイメージ。

故に、中域が目立つとかよく出るような、そんな気がするのかもしれません。

 

一般的に言われるのは、

 

・中域に特徴がある

・枯れた音がする

・音に粘りがある

・癖のない素直な特性

 

こんな評価じゃないかと思いますが、個人的にはいまいちピンと来ず。「枯れてて粘って素直で特徴がある」と言われても、何だかよく分かりません。

 

それより、感覚的に伝わってくるのは、音の立ち上がりについて。

全体的に遅めの傾向、上は緩やか、下はさらにゆったり感。高出力のPUを使ったり、レンジを無理に広げようとすると、何か微妙なイメージ。

レンジを絞った方向性、パッシブだったり素直なPU、特にシングルコイルを使いたくなるかなと。

 

ピーキーな特性を求めるよりは、絶妙なバランス、ハマり具合を求めたくなる材。自分的には、そんな風に認識してます。

 

帯域の立ち上がり・スピード・傾向を考える

 

完全に主観バリバリな話の為、意味が分からない面もあるかとは思います。でもまぁ、感覚的に何となく伝わる部分はあるはず。

少なくとも、「アルダーはこういう音!」とか「アルダーはレンジが狭い!」みたいに決め付けるよりは、冷静に話を進めていきたいところ。

 

と言いつつ、ここで提案するとしたら、

 

『アルダーは上も下も遅い』

 

前述したこんな認識をしてみると、また捉え方が変わって面白いんじゃないかと。

 

これまた、自分の印象から言うならば、重いアルダーになるほどその傾向が強くなったり、下の方がよりまったりマイルドな立ち上がりになるように感じます。

ネックが弱かったり特性が悪い方向に出た場合、立ち上がりと音抜け面では、かなり辛い事になりそう。

 

安価な楽器にありがちなパターン、全体的に柔らかめで遅い楽器って弾いてて疲れる印象が強い。素直で高速、気持ちよく音が飛んできてくれる特性を望むのであれば、対極なイメージ。

これでレスポンスの悪いプリアンプ、エフェクターなどで過剰にブーストした日には、「音が抜けてこない・・」と悩む日々を過ごすはめにもなるんじゃないかと想像。

 

一方、超ドッシリ、下の方をメインに重厚に響かせたいのであれば、またちょっと話が変わってきそう。やっぱり、軽いってだけじゃ実現できない世界があるのを痛感するのも、正直な話。

しっかりしたネックと重めのアルダーをちゃんと鳴らす事により、濃密絶品サウンドの実現も可能になるかもしれません。

 

実際、自分が所有するジラウドのW-BASSは、決して軽くはないアルダーボディ。ネックについては、一度もトラスロッドを触った事がありません。とんでもない低音を実に伸びやかに響かせてくれます。

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最大15mm厚のエボニー指板の影響も大きいとは思いますが、これでスッカスカのボディ材だったら絶対、何か違うでしょう。

あまりに低音が出すぎて扱いづらい面、素早く細かい音符を弾くには難しい印象を受けるのも本音。

だからと言って、このサウンドを扱いやすいように安易に処理しまう、選択肢から捨ててしまうのは、あまりに勿体ない。

 

「アルダー=駄目!」みたいに断罪してしまうよりは、合う傾向、合わない傾向、その立ち上がり方やレスポンスを意識してみると、よくある先入観の先に行ける手応えがあってまた楽しい。

 

弾き込まれた良いアルダーはまた別物、それを知る機会を偏見で逃してしまうのではなく、興味や好奇心を持っておいた方が、人生にワクワク感が増えて良いんじゃないかと。

 

軽くて詰まった奴が欲しい

 

何となく感じる傾向、60年代フェンダーのアルダーはちょっと違う、まったりゆったりとは言えない特性を実感させられたりします。

経年変化や乾燥等については疑問も多かったり、それを断言するのは何ともかんとも。

塗装が絶妙?木の質が今とは全く異なる?この辺りについても正直、よく分かりません。

 

言えるとしたら、

 

「当たりは凄い!」

 

良いヴィンテージのフェンダーにはビックリさせられる事があります。

 

こんなに素直に気持ちよく音が前に出てくるのか?全くブーストする必要のない鳴り方をするものなのか?重さ云々を超越した『芯のある音』ってこういう事なのか?

混ざりの良さそうな丁度いいレンジ感、絶妙さがやばいぞと驚愕。

今回のテーマからこれ言っちゃうのもどうかって話ですが、ああなるともう、アルダーの特性がどうのとか語れなくなってきてしまうなと。

 

自分の好みから言えば、アルダーは苦手。特に重い物は合わない、避けたいぐらいに認識。素早い音の立ち上がりを求めるなら、使いたくない材。

一方、良いヴィンテージフェンダーみたいな絶妙な心地よさがあるならば、アルダーはめちゃくちゃ好きになってしまいそうだから面白い。

「じめっ・・」と湿っぽく粘るのとは対極。もっさり抜けないのとは全然違う。枯れてスカスカどころか、塊のように音が前に出てくるのが凄い。

 

その理想に近くなるんじゃないかってイメージするのが、硬質かつ軽量なアルダー。塗装にしても、カッチコチに硬かったり分厚く固めるのではなく、なるべく薄め。

想像任せな感も否めませんが、重くどんよりしたアルダーとそうでない物がある気がします。

 

これについては本当、PUがどうとか電気的な面に注目するだけでは、とても済みそうにありません。

ボディ材だけに注目して判断するのも危険なのは承知ですが、それぐらい何か、別物感を持つ存在があったりするから不思議。

 

実際に弾いて判断するのが一番

 

よく知ってる定番、知らない方がおかしいぐらいの存在。その実、分からない事も多いのがアルダーの面白さ。 パッシブの魅力に気付くほど、良いアルダーが欲しくなるのが、また不思議。

 

軽くて柔らかい感じのアッシュが欲しいのは、実は良いアルダーを求めてるのと同じような感覚なのか?それとも、一切ブレず変に小細工せず、良いアルダーを長く弾き込んでいくのが最強なのか?

考えられる事、妄想できる事が色々あって楽しい世界。苦手と認識しつつ、KOされたりもするのがアルダーの深さ。

少なくとも、過剰な先入観や偏見を持ってしまうのは、おすすめしません。傾向として認識、話半分に捉えておくぐらいで良いんじゃないかと思います。

 

「最高なベースに出会ったけどアルダーだったからやめた・・」

 

こんな選択はしたくないですよね。

 

楽器業界・木工事情に精通している、オーダーメイドで失敗は許されない等、そんな事情ならともかく、全く弾きもせずに断固拒絶まで行ってしまうのは、推奨できず。

 

アルダーは長い目で見ていきたいボディ材

 

最後に、自分が好きなアルダーの楽器とその使い方を挙げるとしたら、

 

『60年代前半のジャズベースをフレットレスにして指板をコーティングしてリアPUオンリーで弾く』

 

これが問答無用で最高。とても手が出ない値段でしたが凄い楽器でした。

 

「ジャコじゃねーか!」

 

ってまさにその通り。ジャコなフレットレス大好き人間です。

 

アルダーアレルギーもどこへやら。アンチヴィンテージ、アンチフェンダー敗れたり。一回体験して忘れられない楽器になってしまいました。本当に凄いジャズベースって、ちょっと次元が違う。

アルダーに全然魅力を感じないとか、元気なくもっさり抜けないイメージを持っているような場合、良さげなヴィンテージを弾いてみるのはおすすめ。

それがめちゃくちゃ良かったとして、その値段にとても手が出ないとしても、またそこを基準に新しい楽器を探していくのも面白い。

 

ものすご~く曖昧な話ですが、アルダーについては本当、使い続けてなんぼ、長い目で見た判断が必要に感じる面多し。

 

「何だかんだ辿り着いたのは育てたアルダー」

 

こんな事があっても、決して不思議ではなさそうです。

 

木材選びに悩むような事があるならば、軽量で鳴りっぷりの良さそうなアルダーボディのベースを探してみると、良い感じの結果が得られるかもしれません。

上の帯域が煌びやかに目立つのが良いとは限らない。低い帯域がモリモリ出てくるのが必ずしも良いとは言えない。 

 

あれこれ貼り合わせようと凝ったり、やりすぎ感のあるスペックを求めるなど、そういう楽器を求めるのが虚しくなる可能性だってあります。

 

「何か丁度いい」

 

その絶妙なハマり具合が良いアルダーの魅力かなと。どストレートでめっちゃくちゃ良いやつに一度は触れておくのがおすすめ。

 

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