多弦ベース派が4弦の魅力とメリットを分析する

4弦ベースのメリットと魅力

4弦は音が良い

 

たまに弾くとまずこれに驚かされます。

 

「何だこの気持ちいい音は!?」

 

これは本当、思わず唸っちゃいますね。

 

本来はそっちが当たり前で基本なのかもしれません。しかし、ずっと多弦ばかり弾いてきたベース人生な為、感覚が逆だったりします。

自分の中では5弦が標準みたいな認識。4弦は少弦ベース、6弦から多弦ってぐらいの感覚かも?

もっと以前だったらもう、6弦が普通。それを当たり前にして弾いていました。4弦がメインだった時期が本当に短い為、全然知らない点があるのが正直な話。

 

だからこそ4弦を弾くと、

 

「え!すっげぇ良くね!?」

 

いや、ビックリします。

弾いてて単純に気持ちいい。

素直に良い音だと認めざるを得ない。

 

昨今、クオリティの高い多弦も増えましたが、どシンプルで美味しい4弦を弾くと、その魅力にKOされてしまうから恐ろしい。

 

4弦は4本の弦張力で済む

 

これはもう動かぬ事実でしょう。

弦を増やせば増やすほど張力が増します。

 

張力が増加する・・・

これは何を意味するか?

 

『楽器が緊張する』

 

事実としてそういうものなんじゃないかと想像。

 

張力が増すほど、楽器本体への負担も増加するのは確実。弦が増えるほど、ネックに対する負担もエラいことになっていくはず。

4弦の時点で80kgぐらいだったかな?それぐらい強力なテンションが加わり続けるのがベースの宿命。弦を増やして張力が増すほど、その影響が出てきても何も不思議ではないでしょう。

 

となるともう、多弦の時点で独特の響きになることが決定しているんじゃないかとも考えたり。

ネック幅が増したり、楽器本体の設計の違いによる部分もありそうですが、低い方にせよ高い方にせよ、新たに弦が加わっていくことにより、楽器の鳴りに対して絶対に変化が起こると。

そういった過剰な張力から楽器を解放してあげる、もっとオープンでナチュラルな響きを求めるとなるとやはり、4弦の方が条件的に有利なんじゃないかと思っちゃいますよね。

 

だからか、超多弦になると色々苦しい印象を強く受けたりします。音がぴんぴんに張りすぎてて辛い、ベースらしいコシもいまいち。

偏見もあるかもしれないけど、正直、違う楽器だと感じてしまいます。

 

『過剰な張力』

 

この影響というのはネックだけではなく、ボディに対しても変化がありそうですよね。

実際、オープンでふくよかな鳴り、シングルコイル&パッシブでOKな多弦って、あまり存在していないように思います。

 

4弦は共振が少なくなる

 

これも前述の話と繋がりそうなポイント。弦が新たに追加されることにより、その弦ならではの響きも加わることになるのではないかと考えます。

 

試しに、ミュートも何もせずに弦を鳴らしてみると分かりやすいでしょう。弾いてない弦でも振動を始め、何らかの音が加わってしまうことが確認できます。

これ、いくら完璧にミュートしているつもりであっても、100%消すのは不可能だと思うんですよね。

エレクトリックだからこそとも言うべきか、弦の音って驚くほど増幅される、繊細に再生されるものでもあるから侮れません。

 

各弦の振動が完全に独立、ボディの方でも分断されているともちょっと考えられない。どうやってもある程度の共振は生まれるし、干渉もしてくるんじゃないかと。

体感できるレベルの大音量になってくれば、その振動が楽器に伝わってくる可能性もあります。 

その振動により、楽器の方まで振動するようなことがあるとしたら、弦が増えるほどに音がボヤけたり抜けが悪くなったり、扱いづらくなってくるんじゃないかとも想像。

 

弦を増やすのもいいけど、音域の単純な拡張ってだけで済む話ではないから、難しい点も多い。張力が増加しすぎるリスクに加え、過剰な共振による影響も出てくるのは辛い。

そう考えていくとやはり、 4弦の鳴りに濁りのないストレートな気持ちよさを感じるのって分かりますよね。

 

多弦になるほど、多くの意味で制御が難しくなる面を感じます。

 

4弦はネックが小さい

 

「小さい」と言うのが的確な言葉なのかどうか、そこはちょっと迷うところ。まぁ、その点はちょっと置いておいて、事実としては間違いないでしょう。

幅の面から見ても、6弦と比較すればその違いは明らか。4弦の方がネック幅は確実に狭くなります。

 

これにより、どんな影響が考えられるか?

 

「より重心低くボディを鳴らせる」

 

このメリットが大きいんじゃないかと。

 

ネックが大きすぎる重すぎるという、多弦には付きまとう問題。

そもそも、バランスをとることが難しい、ボディが軽く小さく薄くなりがち。ボディが鳴らなければ、それだけ音も軽く淡白になることが予想されます。

 

となると、「ボディを大きく重くすればいいじゃないか?」ってことになりそうですが、それそのままやっちゃうと、単純に扱いが辛くなってきますよね。

重量を保ちつつ、ボディを薄くコンパクトになんてのもいいですが、それでもやはり、豊かなボディ鳴りを求めるのは条件的になかなか難しいはず。

 

楽器本体の設計が苦しい場合、今度は何をするかと言うと、プリアンプを載せたり、PUも高出力なハムバッカーにしたり、そういう手段を取るのが大体のお約束って印象。 

硬質な材を使用した小型ボディ、それで低出力のシングルコイルPUをパッシブで鳴らすとか、そういうベースは世の中にほとんど存在していません。

そこには絶対に理由があると思うんですよね。

 

多弦になるほど、ネックの方に寄っちゃうと言いますか?ボディよりネックの方が勝ちすぎてそっちの音になっちゃう感じ?

そのバランスをいかに上手くまとめるかが大きな課題だなと。

 

ネックが太く重く強靭、指板もブ厚く屈強なんてのも良いですが、それだけ響きも独特、特殊なサウンドになってしまう可能性も高そうです。

豊かなボディ鳴りを求めたり、フェンダー的な良さを求めるほど、多弦はそれに向かなくなってしまうのが宿命のようにも感じます。

弾きやすさを優先して薄く頼りないネックにするのも考え物。鳴らない物を電気的に増幅して誤魔化すのも色々と辛い面が多い。

 

この辺り、長年にわたって高い評価を得ている工房は、やっぱり違いますね。見た目が派手なだけなのとは、トータルバランスが確実に異なります。

逆を言えば、豪華さや見栄えばかりを優先してるような物は、かなり厳しい印象が強い。

「誰も使ってないメーカーがいい!」ってノリで選ぶと、メンテでも苦悩したり、肝心の実用性がどうにもならなかったり、悲惨な目に遭うかもしれません。

 

バランスがめちゃくちゃなものに手を出すんだったら、4弦の方が絶対に無難。

プレイヤーのことを考えてない多弦に手を出すと、かなりの苦戦を強いられる可能性が高くなります。

 

4弦はPUが素直

 

これも前述の話と連動してそうなところ。

 

多弦の場合は要するに、ボディが鳴らなくなる分だけ、音が軽くなる分だけ、電気的な部分の強化の方に意識が行ってしまうのだろうなと想像。 

そこで低音やパワーを得なければまともな音にならない、パッシブで勝負するのはあまりに厳しい、そんな判断なのかもしれません。

 

もちろん、4弦だから良いと断言できるわけではないし、4弦の中にも高出力だったり癖の強いものは沢山あります。弦の本数云々の関係なく、パワーに振り切ったものは存在してるのは事実。

4弦だからPUまで絶対的に良いとは、とても断言できません。

 

ただやはり、多弦ベースの条件として厳しいと感じるのは、そういった癖やパワーが必要になってきてしまう側面が強く出てくるということ。

 豊かなボディ鳴りがもたらすプラスアルファ、そこに期待できないとなると、どうしても電気的に強化するしかなくなってくるのが辛い。

 

6弦以上になると、シングルコイルがほとんど存在しなくなってくるのは、この辺りの要因が非常に大きそうです。

まぁ、そもそもの話を言えば、フェンダーサウンドが求められてないってことも大きそうですが、楽器本体だけでの勝負が難しいというのも、根底にあるはず。

 

だからやっぱり、シンプルなパッシブベースとか弾くとその素直さに驚かされます。もうこれでいいや、何も足さなくていいやってなっちゃう。

変なPUにする必要もないし、異常なパワーを求めようともならない。そうするだけ楽器の良さが消えていっちゃうし、つまらない音になる。

 

また、4弦の場合、単純にPU自体の長さが短くて済むのも大きそう。

多弦幅でフェンダーの巻数そのままコピーとか絶対まずい。それだけコイルも長くPUも重くなるんだから、そりゃ音も変わるよなと。

大体の場合、レンジが狭く抜けない音になる傾向を感じます。

 

そこに加え、癖のある安っぽいプリアンプまで載せるとか、自分的には最悪。どんどん身もコシもなくなり、軽くて使えないベースサウンドになりがち。

単体で良くてもバンドではいまいち・・・何度も経験、悔しい思いをしてきました。

 

4弦はタッチが良くなる

 

多弦の大きな問題点の一つ。

 

『ミュートの手間』

 

弦が増えるほど厄介になるのが、実に嫌なポイントです。

 

例えば、自分が6弦を弾くとしたら、右手の薬指や小指を無意識にでも使い、弾いてない弦のミュートをするようにします。または、右手親指の側面を使ってまとめてミュートするのも当たり前。 

左手についても常にミュートの意識はありますし、それが自然な状態になっています。鳴ってない弦の処理、多弦ベースを弾くなら、より必須要素になってくるでしょう

 

ここで問題なのは、無意識だろうと何だろうと、手間はかかっているということ。どんなに自然にやっている行為だとは言え、やはり、体の使い方は絶対に変わっているわけです。

そして残念ながら、そこには身体的な束縛が多く発生しているんじゃないかと思います。

4弦でも鳴ってない弦のミュートは必須テクニックですが、それをさらに高度に求められるのが多弦の宿命でしょう。

 

『音を鳴らさない状態』

 

このテクニックをまず高度に身に付けねばならない、そのために余計に体を使わなければならない、代償の動作が必要になってしまう、そこが明らかなデメリットであると感じる次第。

 

4弦の身体的な自由度って半端じゃありません。制約が少なくなる分、独自のタッチを身に付けやすいとも考えられそうです。

多弦の場合、そのあたりがどうしても似たり寄ったりになってしまうか、そうせざるを得ない面があると言えるかもしれません。

加えて前述のように、楽器本体もPUもタッチコントロールを表現しにくいものになってしまう可能性が高くなるし、それがプレイとサウンドの無個性化の原因にもなってきてしまうのかなと。

 

繰り返すようですが、4弦の自由度って本当に素晴らしいですね。豪快なスラップとかが好きな人の場合、特にそう感じるんじゃないかと思います。

親指を下向きに構えるサムピングだとロー弦Bが邪魔になる面もありますし、6弦以上になるとプル時に高音弦が邪魔に感じたりもしました。

 

多弦化によるタッチへの影響。

これというのは、想像以上に大きいものだと考えます。

 

4弦はフィンガリングが楽

 

左手はもう圧倒的に楽ですね。

 

もちろん、6弦の方が弾きやすいってフレーズもありますし、それならではの弾き方があるのも分かってます。 

しかし、低音弦でもハイポジションで鳴らしたいなんてことになると、ま~、6弦とかはかなりやりづらい。

単純に音程が合ってればいい、では済まされない異弦同音の妙。ロックにおけるドライブ感などを求めると、シンプルな4弦に強さにやられます。

 

弦の本数が少ないとこんなに違うか、ネック幅が狭いことでここまで別物になるのか、多弦ばかり弾いてると心底驚かされる点って多いですね。

前述したミュートの問題なども絡んできますが、あれこれ気にせずストレスフリーに弾ける意味って物凄く大きい。

 

多弦の場合、親指を表に出すことが難しかったり、それを利用したフィンガリングが厳しい面がある一方、4弦だとそれが非常に楽になるのも美味しいポイント。 

ネックを握るようにするフォームが使えるだけでも、またタッチの幅が増えますし、それだけ表現の幅が増えてきますよね。

 

これはジラウドさんで聞いた話ですが、 左手によるゴーストノートだけでもとんでもない低音、超絶サウンドを出せる人なんかも世の中にはいるそうな。

で、その実現をするには、4弦だからこそやりやすくなるという話でした。ネック幅の問題で制約が出てきてしまうと、物理的に色々厳しくなってしまうと。

 

こういった左手によるタッチコントロールにおいても、4弦ならではの世界が存在。実現可能なことがあるのは無視できません。 

チョーキングするにしても、上手く手首を使ったりグリップを利用するなら、4弦の方が自然な感覚で弾けます。

 

ネック幅が増すほど、人体に適していない面を多く感じるのが、多弦の宿命。それと比較し、4弦の気軽さ、暴れやすさと言ったらありません。

 

4弦はシンプル 脳も楽になる

 

弦の本数云々は慣れの問題が大きいですし、一概にどうこう言えないのも確か。

 

実際、自分は4弦の法に違和感があったりする身です。

「あれ?ここで弦少ないと困るんだけど!?」ってな具合に不便を感じたり、ふわふわするような変な感じになってしまいます。

E弦をアポヤンドで弾くとローBが受け止めてくれるわけですが、4弦だとそれがないからどうにも落ち着かないのも厄介。

 

一方、別に無理に拡張を必要としていなかったり、ミュートの手間などを減らす意味を考えるのであれば、これはやはり、4弦の方が何もかも楽だと言わざるを得ません。

必要なところがシンプルに凝縮されてると言いましょうか?エレクトリックベースはフェンダーのそれだけでも完成されてしまっているようにも感じます。

 

良い4弦を弾いちゃうと、

 

「これ以上なんかいる?」

 

そのまま納得させられちゃうから困ります。

 

弦が少ない分、ポジション移動が大変になったり、音域的な制限も確かに感じます。でも、それ以上に、身体的な制限が解放されるような気分になるのが非常に大きい。

ウィル・リーなども「ステージで暴れるなら4弦だ!」みたいなことをインタビューで言っていましたが、そういったステージパフォーマンスも重視する人が4弦を選ぶのは凄く分かる話。

 

多弦はどうしたって神経質にならざるを得ない部分があるし、前述した通り、例え無意識レベルで弾けるようになったとしても、要因が無くなるわけじゃないのが痛い。

やっぱり、どこかでリミッターが働いてしまうような、負担になってしまうような、それは否定できないことなんじゃないかと。

 

そして、それは恐らく、作ってる方にしてもそうではないかと想像。より重量に気を使ったり、各弦のバランス調整により神経を注がないといけなかったり、専用のパーツも用意しないといけなかったり、面倒なことが増えてしまうのは確実。

それを考えると、良い多弦って作るのも使いこなすのも本当に大変なんだと痛感させられますね。悔しいですが、実に多くの意味で4弦の良さを認めつつあります。

 

先日も記事にしましたが、普通なジャズベがやたら良く感じたり、それというのはある意味、がっかりしちゃうところでもありますね~。

このブログに載せたり、研究してることについてもそうなんですが、

 

「俺のやってきたことって・・」

「こだわって選んだ楽器って・・」

「4弦の方が実践しやすいんじゃ・・」

 

ってな具合に、その矛盾に青くなります。

 

奏法的な向上を目指せば目指すほど、4弦の方が圧倒的に理に適っているように思えたり、あれこれ考えるまでもなく自然に楽に弾けたり、「なんじゃこりゃ!」って言いたくなってしまいますね。

 

いやほんと、このまま行くとまさかの4弦弾きになりそうで怖いですね。この記事にしても、「こんなこと書かなきゃ良かった!」ってちょっと後悔してるかも?

 

ベースってやっぱり4弦なのか!?

 

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