Daddario EPS180 エクストラスーパーライトベース弦を試す

ダダリオの細いベース弦

 

ジェマーソン弦にハマった反動かまた違う興味か、

 

「リアPUメインだったら細い方が良いのか?」

 

こんな好奇心からダダリオのクソ細いゲージを試してみた次第。

 

【95.75.55.35】

 

いや、本当に細いですね。4弦がジェマーソン弦の3弦と同じってのがもはや笑えてきます。ラウンド弦とフラット弦の違いを考えるとジェマ弦の3弦より細くて柔らかい?これまで色々実験してきた自覚がありますが、ここまでライトなセットはさすがに試したことがありませんでした。

 

第一印象、

 

「1オクターブ低いピッコロベース」

 

EADG、通常のチューニングだとしても感覚的にはベースとはちょっともう違う感じ。いつもより一音高いセッティングのための弦、コントラバスには『ソロ弦』なんてものがありますがそのノリかもしれません。チェロの世界に足を踏み入れているような別の楽器感があるのが面白い。

 

「エレクトリックベース」と一口にしても実に多くの音色が存在、タイプも様々あるのが今の時代。それと同様、スタイルも一つにはとても縛れません。「男らしく重くぶっとく粘っこく!」なんて押し付けるのは古いっちゃ古い。人の話や価値観ばかりあてにするのではなし。自身の目的と好みにしっかり合った弦を見つけたい。

 

ギターとベースの中間かバイオリンとコントラバスの間か新たな楽器か、そういったポジションの方が合う人がいたって何も不思議ではない。それこそ前述したチェロのような方向や立ち位置を狙いたいのに闇雲にぶっとい弦張ってどうすんだと。ベストな表現方法を見つけるためにベストなゲージを見つけることの何が軟弱なのか邪道なのかと疑問が湧きます。

 

とまぁ、なんだか偉そうに語ってますが正直言って偏見まみれ、超細いゲージなんか全然使ったことなかったのが本当の話。「細い弦にする=音も細くなるとは限らない」って記事を書いたことはあったけれど、ここまで細い弦を張る発想までには至りませんでした。

 

だからこそ新鮮で楽しいですね。「ベースらしくボトムを支えなきゃいけない!」って呪縛から解放される感覚が実に面白い。多弦にしてハイC張るとかピッコロやテナーにしてチューニングを上げるのとはまた違うから不思議。別の楽器が生まれる感が癖になりそうで良い。

 

「ベースだからって何で重くぶっとくしなきゃいけねぇの?俺それ退屈で嫌なんだけど?」

 

こんな主張や闇、好奇心に夢を抱え弦を細くするのは立派な選択肢。

 

ひ弱どころか真っ向勝負?なかなかナイスな存在です。

 

DADDARIO EPS180 ProSteels Bass Extra Super Light 35-95

DADDARIO EPS180 ProSteels Bass Extra Super Light 35-95

 

音の太さが心配ならタッチに向き合ってみればいい

 

 「やっぱ細い弦は心配だ・・」と悩むんだったらタッチを工夫するのがやはりおすすめ。細い弦だからとタッチまで腰が抜けてしまうのはよろしくない。弦を押し込むことを意識すればそれだけで太さも量感も音量も変わります。リアPUの上やブリッジ寄りで弾いても効果絶大。動画では違いが分かりやすいようにフロントPUで鳴らしてますがリアPUでも音が変わるのは同じ。「細い弦=音は太くできない・・」とはならず。

 

www.youtube.com

 

ジェマーソン弦・極太のフラットワウンドを張ってみて強く感じたのは、 

 

「この抵抗をまともに受けてたら指が負けるし弦もろくに振動しない」 

 

タッチの相性が悪かったら太い音を出すどころかまともな音にならない。特にブリッジ寄りのサウンドは諦めた方がよいか、そもそもそこまでの魅力もなく思えてしまう。

 

とにかく弦が太すぎる硬すぎる。ブリッジ付近では弾く気にならない。押し込むのも難しい。良い感じの弦振動は得られない印象が強い。あの弦を鳴らすんだったらやっぱりプレベなPU位置の方が好き。自然とネック寄りのポジションで弾きたくもなります。実際、その方がまともな音になって使いやすさも味わいも別物に。

 

そう考えるとリアPUメイン、ブリッジ寄りのPUとポジションで弾くスタイルの場合、無理に太い弦を張るメリットって実はあまり無いんじゃないかと一つ思いました。180cm80kg以上だの尋常じゃないパワーの持ち主なんてことならまた別になりそうですが、力自慢でもなんでもなく手も小さい、指も細く頼りないなんてのじゃ色々辛い。それで必死こいてぶっとい弦を鳴らそうとしたってちょっと厳しくないかと。

 

だったら美味しく現実的に振動可能な方が良いんじゃないか、豊かで余裕ある弦の鳴りを得られやすい方が音は太くなるんじゃないか、そんなことを感じた次第。弦を太く硬くして一生懸命鳴らないよう鳴らせないよう頑張るのは何かおかしい。弦を押し込むにしてもまったくどうにもならないぐらい辛い思いをするよりは脱力して楽に押し込める方が有効なはず。

 

チェロ的ポジションがどうと冒頭では語りましたが、鳴らし方さえ分かればボトム豊かに堂々ベースやることだって恐らく可能。硬すぎる太すぎる弦は音程に問題を抱えてしまう面もありますし、左手のニュアンス付けに難がある感も否めません。スケールを短くする選択肢も広がってきたように感じる昨今、弦を細くすることに注目が集まっても良い気はします。

 

今回、ダダリオのプロスチール弦を選択しましたが、スタンダードなニッケルの方が実験の意味ではより面白かったかなとそちらにも心が動くところ。「ライトな弦でもぶっとく!」ではなく、

 

「音を太くしたいから弦を細くする」

 

こういう選択肢もあるんじゃないかと可能性を感じます。まぁ、「そう上手くいくわけねーだろ!」と思うのも本音だけど、そうやっていつもの感覚と偏見が邪魔するから進めないんじゃないかと疑ってみるのも面白い。

 

ベース=低く重くだけじゃつまらないと挑戦するもよし。根本的にぶっとい弦は合わないと切るもよし。科学的な判断を下した結果でもよし。スーパーライトな弦で超絶ぶっとくってのもよし。どれも立派なスタイル、自分に何が合ってるかを判断するのは自分自身。他人の好みと基準を頼りにしたって意味がない。

 

音の悩み、タッチの悩み、弦を変えたら案外すっきり解決するかも?

 

DADDARIO EXL180 Nickel Wound Bass Extra Super Light 35-95

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