私的理想のフレットレスを考える
好きなフレットレス
音について言えばジャコ系のサウンド。ブリッジ寄りのPU、ジャズベースならリアに振った方が断然好みです。
コントラバスな方向性、アコースティックに行った音も好きなんですが、それはまたちょっと話が違う感じ。
先日のゴダンなども良いんですが、「フレットレスが欲しい!」となった際、自分が弾きたくなる楽器かと言うと、また別物だと認識してしまいます。
「フレットレス」と言ったら自分の中ではイコール『エレクトリック』
アコベが欲しいならアコベ。アップライトならアップライト。 これらをフレットレスと呼ぶのは何か違う。そのあたりの好みについてはハッキリしているかなと。
現在所有しているフレットレスは三本
ソリッドでありながらもアコースティックなサウンド。
弓でも弾ける【W-BASS】
完全にジャコ狙い。
究極のタッチレスポンスとバランスを求めた一本。
5弦の【ブラッククラウド】
フレットレスを三本所有している自分。いずれもジラウド製、素晴らしい楽器です。正直言うと、新たに手に入れる必要性はまったく感じていません。
一方、三本所有しているということに疑問を抱くのも本音。「これ!」となる決定打を持っているわけではないのだと考えたりもします。
良い楽器なのは確か。上を求めるだけ不毛だと悟るのが健全。そもそもフレットレスはメインではない。
にもかかわらずモヤモヤが残る、ひっかかるポイントは何なのか?それについて分析していきたいと思います。
何が不満か加えたいかフレットレス?
【シングルコイルのノイズ放置問題
1PUシングルコイルの宿命。どんなに音が良くても納得しきれないモヤモヤの原因。不満の原因として明確。
シングルコイルだからこその絶妙なサウンド、繊細なニュアンスを出せるというのは分かります。これをハムにしてしまったら、別物になってしまう可能性が十分に考えられる。
でもだからと言って、「仕方ない」と放置するのも抵抗があるんですよね。
超シンプルの極みだからこその純粋なサウンド、贅沢でいさぎよい選択なんだろうけど、「ブーン・・」「ジー・・」って音が出てしまうのはどうしたって気に入らない。
「電源環境が最高なら問題ない!」なんて期待するのは現実的ではありません。
「ノイズなんか付きものだろ!」と開き直るには神経質。
どんなに素晴らしい楽器でも不満が湧いてしまう、分かりやすい穴が見えてしまうという、それが実に嫌だなと。
【もうちょい量感が欲しい
これもシングルコイルに関係している部分になりそうです。
「楽器が鳴ってさえいれば問題ない!」と判断できそうな一方、根本的な厳しさを感じるポイントであるとも言えるかなと。
何でしょうね?独特の唸りと言うか、ドライブ感が欲しいってことになるのかな?それがシングルコイル一発だと何かピンと来ない部分があります。
フレットレスと言えばメロディックなアプローチ。独特の浮遊感や雰囲気を出すにも魅力的な楽器。
ただ、そればかりを狙うのは自分としてはちょっと物足りない。ロックの中だからこそ存在感あるベースにもなるのがフレットレス。他の楽器からの干渉を無視する何かがあるのも面白い。
ウワモノ的なアプローチ、管楽器的な方向性ばかりを求めるというのは、ベースとしてだいぶ寂しくも思えるのが正直な話。
ブリッジ寄りにシングルコイル一発だと音の量感的にピンと来ないんじゃないか?スティングレイのフレットレスが妙に良く感じられることがあるのは何故か?
そんなことをずっと考えさせられている次第です。
【4弦が明らかに良い
フレッテッド以上に感じるのがこれ。多弦にすると何かピンと来なくなる、弱くなる気がするのがフレットレス。
前述した自分が所有するブラッククラウドの5弦とジャズベを比較してもそうなんですが、ジャズベの方を弾くとビックリするんですよね。
「え!嘘!?」
「何この素直な音!?」
「めっちゃ良い!!」
思わずうなってしまいます。
音域の拡張、レンジの広さ、バランス、サスティーン、レスポンス、どれをとってもブラッククラウドの方が上なのは事実。
楽器としての完成度で考えるのであれば、ジャズベの方に勝ち目はほとんどありません。
しかし感覚的に判断するに、
・どちらが単純に気持ちいいか?
・どちらがストレートに響いてくるか?
・どちらが何もしなくていいか?
これを考えるとジャズベの方が凄く素直な楽器である印象を受けます。
ジャズベと言うか
『4弦』かな?
4弦って本当、音がそのまま出てくれるように感じます。そしてその気持ちよさがフレットレスには顕著にあらわれるかなと。
全音域のサスティーンが素晴らしい6弦フレットレスを持っていたりもしましたが、それでもやっぱり、「素直に気持ちいいか?」と問われるとそれはちょっと別でした。
思いこみなんてレベルでは済まない『何か』
本当に良いフレットレスが欲しいなら4弦だと言わざるを得ないかもしれません。
【音域を広くしたいが難しい
「4弦が良い!」
と言った一方、音域的に物足りなく思えるのも本音。フレッテッドの方よりもうちょっと拡張したい希望があります。
後、E-BOWを使用したいのも大きなポイントですね。動画と言うには真っ暗ですが、6弦フレットレスを弾いてE-BOWを使っているのがこちら。
こういうアプローチをするには、4弦21フレットだと寂しいものがあります。
アッパーオクターバーで音程を上げるのも手だけど、それだとルート音の方まで上がっちゃう為、ベースとは別物になってしまうのが痛い。
となると、拡張指板を取り付けるのが良さそうですが、ま~、これがどこまで上手く行くものか、そもそも根本的な好みから外れてしまうことになる可能性も高いなど、そういったリスクがあるから難しい。
音的には拡張は狙わない方が正解なのは分かるんですが、ちょっと欲を見たい、面白いアプローチを狙いたくのもなるのが自分にとってのフレットレス。
まだまだ未知な部分が多いです。
結局、どんなフレットレスが欲しい?
上記をまとめていくと、
・60年代JBのリアPU位置~スティングレイ位置にハムバッカー1個
・低音の拡張は4弦にDチューナー
・高音域は拡張指板で26~28フレット?
こんな感じになるのかな?
もうちょっと言うと、指板のコーティングの有無も悩むポイントではありますが、ラウンド弦を使用する前提となると、これについては必須と捉えるべきなのかと思うところ。
超高密度なエボニー指板だろうと何だろうと、消耗していくのは同じだと想像。だったらエレクトリックベースらしく、よりタフに使える方が良いかなと。
ボディ材については、軽いアッシュかアルダーならそれで良し。ブラッククラウドも良いけど、フレットレスはシンプルそのもので良さげな印象。
ま~あれです。
『良い道具』
一番欲しいのはこれなのかもしれません。
芸術性のある美しいサウンドを求めたくもなるのがフレットレス。それとは裏腹に淡白なぐらいに優れた道具であってほしいという、そんな希望もありそうなのが面白い。
それでいて遊びもあってほしい、何か悪さをしたくもある。フェンダーワールドとは違う何かを加えたいみたいです。
イメージ的にはクルーズのジャクソンシリーズとか近そうですが、あれは24フレットが基本になっている為、似たようで異なるものという認識。
自分が求めるフレットレス、その原点にあるものを考えていくと、納浩一さんが使用するインナーウッドのカスタムフレットレスになるのかな?
ジャズベシェイプでブリッジ寄りに1ハムという、あの仕様が実に印象的で理想的にも見えました。
欲しい仕様は確実にあるフレットレス。理想の道具を手に入れているとは言えないのがよく分かる今回の話。
今現在、物欲が極まりつつある4弦のフレッテッド同様、「あ~、もうこれでええやんけ~」と脱力できるレベルで納得できる一本を手に入れたいですね。
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