ベースとピッキング
OPBは変化が分かりやすい
先日、OPBへの改造を施したジャズベース。シングルコイル単発でパッシブという、シンプルの極み。弾き方によって笑っちゃうぐらい音が変わります。このシビアな特性は指弾きのみに働くものではなく、ピック弾きでも同様。角度が悪いと露骨なぐらいにスッカスカの音になってしまうから怖い。
そのあたりを確認すべく、ちょっと動画を撮ってみました。詳細は後述します。
楽器にしっかり圧力を加える
太い音を出そうと思った場合、イメージとして分かりやすいのがこれ。
・弦を押しこむように意識
・弦をしっかり振動させる
とりあえず細かいことは抜きにして、これで音は太くなります。
OPBのPUの場合、磁界がかなり限定的になる為、振動が暴れたりポイントがずれてしまうと、露骨に低音は痩せてしまうことに。動画の最初に持ってきたピッキングはまさに良くない例。弦を持ち上げるような感じ、こするような弾き方になっているので、低音がほとんど出てきません。
次に、弦を押しこむことを意識、より振動させるように意識したピッキング。これだけでも随分と変わりますが、OPBだとこれでもちょっと厳しい。自分がにわかのピック弾きしかできないこともありますが、かなりピンポイントで弾かないと、太く大きな音にはなってくれない印象が強い。
最後はブリッジ付近でミュート+より押しこむ感じでピッキング。こうすると最初のピッキングとはまったく別物な太さになります。弦の暴れを抑えることはもちろん、より楽器に圧力を加え、PUも反応しやすいようにしたピッキングですね。
ピック弾きらしい煌びやかな倍音やサスティーンを得るには向きませんが、音をより重く太く、分かりやすいプッシュ感を出すには非常に有効。ただ単にミュートをして弾くというだけではなく、弦を押しこむ事としっかり鳴らす意識をする事により、音は確実に変化します。
ツマミをいじるよりまずピッキングを変える
音の太さや抜けに悩んだ場合、ついつい機材の方に意識が行ってしまうもの。そこを変えるのも確かに一つの正解ではありますが、自分を変えないことにはどうにもならない現実も存在します。
前述の動画から考えるのであれば、あのカス当たりみたいなピッキングをやっていては、腰のある太い音を出すのも存在感を出すのも難しい。どんなに機械的にブーストしても、変化はたかが知れています。それで異常なぐらいに変化する機材は、逆に信用できない。いざ大音量では腰砕けになったり、音像もぼやけていて使いものにならなかったりする。
ちょっとした角度の調整、弦の押しこみ方、ミュート具合など、それで音を大きく変化させることができるのもピック弾きの醍醐味。お説教臭いようではありますが、あれこれエフェクター揃えたりツマミ弄ってるより、こっちの方がシンプルだし実用的。やるべきことも目指すことも単純で分かりやすいですよね。
「オルタネイトはどうすんねん!」
「それで速弾き出来んのかい!」
こう疑問が湧いたなら、それに対応したピッキングを自分なりに開拓していけばいいし、常に工夫を意識、実践できる姿勢を持つことが重要。声を大にしたいのは、スタート地点がぐだぐだ、腰のないサウンドが前提になってしまうのはいただけないということ。そこでさらに変な足し算や掛け算をしようとしても、大抵はろくな結果にならない。
不毛な機材探しやセッティング地獄にはまらないようにしたいんだったら、まずはピッキングの試行錯誤をしてみた方がいい。その際、変化が分かりやすい楽器を所有していると、研究もスムーズに進みます。OPBといかないまでも、スタンダードなパッシブベースがあるとやっぱり違いますね。
ピッキングコントロールは楽しい!
基本はこれ。
『まずはやってみる!』
それもなるべく大音量、シンプルな構成で試すのが望ましい。
斜に構えてひねくれ疑ってるより、ガツンとでかい音で鳴らして試せば分かります。エフェクター、コンプ、プリアンプに夢中になるのもいいけど、自分が上手くなった結果、必要ないものになってしまうようだったら、そこにあまり価値は存在しないんじゃないかと。
それを通すからこそ実現可能、絶対に必要な一部と断言できる、最強に好きなサウンドになるということなら否定はしません。一方、根本的な部分の違和感、薄々気付いている原因に心当たりがあるようならやはり、ピッキングの試行錯誤をしてみることがおすすめ。
「もうあれこれ考えるのは面倒!」
「ピッキングを変えた方が早い!」
こうなると本当に楽ですね。弾けば弾くほど上手くなり、音もどんどん良くなっていく状態。これが基本にあるとないでは芯が絶対に違う。「今の機材を活かしたい!」ということなら尚更、太い音を出すためのピッキングコントロールを身に付けることを推奨します。
「ゴン」なんて程度のサウンドで満足せず、
「ドギャアァ!」
にしましょう。
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