ベース弦の張り替えを考える
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交換の目安は『好みによる』
身も蓋もない話、結局はこれ。
「交換したければそうすればいい」
好きにやるのが一番。
自分の基準で言うならば、
・メインベース=最低三か月
・フレットレス=年単位で張りっぱなし
・フラットワウンド=可能なら一生
こんな感じ。
たぶん、一回の弦交換でかなり長く持たせる方の人間だと思います。よほどにヘタらない限り、張りっぱなしが基本です。
楽器の選択も弦の選択も誤っているのは辛い
そもそもの話、
「なぜ弦交換するのか?」
これについてちょっと考えてみます。
簡単にまとめてみると、
・元気な音が欲しい
・音抜けを良くしたい
・ピッチを良くしたい
・もっと張りが欲しい
こんなことが気になってきます。劣化してくると音は明らかに変わっていきます。そこで問題を感じるのは【元気な音】と【音抜け】
何が問題かって、
『音抜けが悪い楽器』
『元気も張りもない弦』
最初からこれだったらどうにもならないってことですね。
スタート地点がまずい根本的な問題。そこでいくら頑張っても結果は不毛。エフェクターやプリに頼っても元々が駄目では解決しない。
にもかかわらず、こまめに弦を交換。良い音を出す為、必死に力んで弾くなんてことをやってても、消耗する一方。
「マイルドで目立たない音が欲しいから優しく弾く」なんてことならともかく、存在感のある強力なサウンドを求めてるのに、楽器にも弦にも元気がないんじゃ困ります。
アンプにしてもそうですね。ベースアンプは高域特性が酷い物ばかり。そもそもが癖の塊、自由度が低すぎるのは大問題。
本当は凄くワイドレンジな音が出ているのに、アンプのせいでそれが潰される。なかなか馬鹿げた話だと思うんですが、そんな時代遅れな物が未だに居座ってるのが現実。
想像以上に深刻な問題だと考えます。
元々のレンジの広さの違いが分かる動画
自分の持っているジラウドのフレットレス。年単位で弦を張りっぱなしですが、同社のプリアンプを通すとまだまだバッキバキ。スラップだって堂々やれちゃいます。
実際にこういうセッティングでフレットレスを弾くことはありませんが、レンジの広い特性を持っているからこそ、強烈なサウンドも甘いサウンドも自由に作れます。
それを利用して、トーンを絞ったソフトなサウンドから一転、ハイを解放してワイドレンジにしてスラップなんてことも可能。
あえて嫌味っぽく言うのであれば、フレットレスにすら劣るほどアタックが出ない、高域特性がよろしくない、音抜けの悪いベースが存在しているのが現実。
弦交換にこだわるのもいいけど、元々の特性をちゃんと考慮した方が良い。根本的な特性がいまいちでは、それだけ新品の状態に頼らざるを得ないことを意味するかもしれません。
いつ交換したか憶えてないような弦。それにスラップサウンドで負けるとか全く笑えない。そもそもの音抜けもアタックも絶望的なんじゃ疲れるだけ。
動画でもう一つ例を挙げるとしたら、ジラウドのメビウスPB。レンジが狭い、ジャズベのキレにはかなわない、そう思われがちなプレベ。
これもセッティング次第で化け物に変貌。8か月以上張りっぱなしの弦でもこんな音が出せます。
弦の選択で迷いたくない
色々と使ってみて出た結論。
「消耗品にスペシャルを求めるのはリスクがある」
新品弦の音は大好き。
理屈抜きに気持ちいい。
そこには特別感が存在します。
「ジャリーン!」
この響きが最高。
ただまぁ、これって長くは持ちません。こだわる人になると、分単位で劣化が気になったりもするそうな。張り立て、超新品、それしか受け付けないという、なかなか恐ろしい話。
確かに、それだけの別物感はあると思います。その気持ちも分かるし、その張り、響き、新鮮な弦には中毒性がある。
しかし、そこに固執しすぎるのは、あまり現実的じゃない。手間は勿論、安定からは程遠いところにある理想の追求にも思えます。
また、ケチ臭いことを言うならば、
『お金の問題』
これが気になる状況だと、精神的にも嫌。
多弦ベースがメインになると、それだけ弦代も高くなるのは痛い。手間も含め、頻繁には交換したくないのが正直な話。
一時期、愛用の弦に疑問を感じて色々試してたことがありますが、ま~、あの時は酷かったですね。
・あれも駄目これも駄目の連続
・数日良くてもすぐ劣化して好みじゃなくなる
・品質のバラつきが気に入らない
数万円が簡単に飛んでいった結果、元の弦に落ち着くことになった皮肉。
トータルで考えて優秀な弦、バランスも良く扱いやすい物は、やっぱり強い。入手も容易なのであれば、それも重要なポイント。
これは楽器の選択にも大きく絡んでくるところですね。
特殊なスペックを追及するのも良いけど、弦の入手だけでも一苦労、選択肢が少なくて入手も困難など、それは笑えません。
奇をてらうことなく、ごくスタンダードな感覚で使える方が無難。
その意味でも、弦の音色にはあまり依存しないように意識を変えました。神経質になってしまうと、色々消耗していくばかりだと痛感。
特化した特性、上を見れば良い物があるのも確かなんだろうけど、それを保てる時間が一瞬しかないのでは辛い。
「一週間しか良い状態がない・・」なんて感じる弦は、自分の中では選択外。多少劣化してても音が抜ける、自由度を実感できる弦の方が好みです。
おすすめはRichard Coccoのステンレス弦
色々と迷いましたが、ずっと愛用しているのは、
『リチャード・ココ』
この弦が一番自分に合っていました。ニッケルも良いけど、ステンレスの方が好み。
劣化してからも独特の弾力があるのが良いですね。大人しい特性かと思いきや、前述の動画のようなスラップサウンドもOK。
「張りたての音に感動したい!」という楽しみ方ではなく、弦の質自体と持ちの良さの実感、楽器のポテンシャルを引き出す目的で使用してみるのがおすすめ。
5弦の場合、ローBが125のセットが良い感じ。
「130だとなんとなくブーミーで締まりが悪い気がする」
「テーパー弦は好きになれないしセットアップも面倒」
そこでローBは125という選択、これが自分的にベストな感覚。過剰に太くするより、あえて少し細くするのがポイント。
フラットワウンドは交換しない
これも好みの問題ですが、どっしりしたサウンド、甘い音の方向性が欲しいので、自分はフラット弦の交換は全くしません。
最低でも半年ぐらいは弾き込みたい、そうしないと好みの音にならない為、本当にそのまま張りっぱなし。
一回張っちゃえば、扱いは楽ですね、何か起きない限り、一生張りっぱなしな可能性もあります。
以前、かの有名な【ジェマーソン弦】にハマってたことがありますが、ま~、この弦の手強さったらありませんでした。
最低でも半年、それどころか一年?さらにもっと弾かなければ、理想の状態にはなってくれない気がしました。
「とにかく太い!」
「とにかく硬い!」
「とにかく頑丈!」
こんな楽器泣かせな弦、なかなか存在しません。ネックが弱いベースじゃ、とても張る気になりません。
値段も安くはないし、実にチャレンジャーな存在。リスクも大きいけど、ハマると一生使えるかもしれない。色々な意味でとんでもない弦です。
一回張ってみて笑うもよし。そして心を折るもよし。 手放しでおすすめはしないけど、超ナイスな弦であるのは確か。
LA BELLA 0760M Deep Talkin’ Bass,
それじゃあまりに怖い、そんな勇気はないという場合、もっとライトなセットがおすすめ。
どちらにしても、ある程度は弾きこむ必要があるかと思いますが、フラットワウンドを知らない人は是非一度、このサウンドと感覚を体験してみてほしいですね。
使い込んだフラットワウンドが理想だった場合、 交換に悩む必要がなくなるどころか、交換する気そのものがなくなるかもしれません。
LA BELLA 760FL Deep Talkin’ Bass Flats Light 43-104
必要なのは頻繁な弦交換かトータルの見直しか
「弦は消耗品」と言いつつ、 耐久性に優れているに越したことはありません。コーティング云々の問題ではなく、そもそもの質を見た方が良いでしょう。
自由度が高く、音作りもしやすい弦が欲しいのであれば、ボトムが豊かなのは勿論、高倍音までよく伸びてくれる弦の方が何かと使いやすい。
どちらか一方に寄ってるのも個性的で面白いけれど、交換頻度が増してしまうか、実用が難しい面があるのが厄介。
個人的な好みで言うならば、シャリシャリ感ばかり強い弦は苦手。ボヨンボヨンで張りを感じない弦も勘弁。
音がすぐ変わってしまう、生きた音のピークが短いものも避けたい。 楽器本体にしても、基本的にはワイドレンジな方が好きですね。
フラットワウンドを張って渋く弾くにしても、レスポンスが悪かったり、音が全然抜けてこないのをイコールにするのは違う。
ただ単にレンジが狭いだけ、こもってるだけなのでは、使う気になりません。「甘い音が欲しい」とは言っても、そこに芯がないのでは困ります。
様々なバランスが奇跡的にハマったサウンド、全てが絶妙な状態になることも、世の中には存在するのかもしれません。
しかし、あまりに限定的にしか狙えない、常に手間と消耗との闘いとなると、実用品としては考え物。実用どうのと言うか、プレイヤーからすれば、生活必需品ですよね。
今使ってる水を全て極上の天然水にするとか、温度管理も完璧にするとか、品質を保つ為の最善を尽くすとか、そんな感じに極端に考えてみると、何とも言えなくなってくるところ。
「音楽の為に負担は惜しまない!」という姿勢もいいんですが、現実問題、あまりに効率が悪すぎる、限定的になりすぎる、無駄の積み重ね、消耗ばかりになってしまうのはいただけない。
「音が抜けなくて困ってる・・・だから仕方なく新品弦をいつも使う!」など、そんな状態だったら、明らかに改善の余地があるでしょう。
で、これは完全に機材自慢になりますが、その辺りのわがままが利くジラウドベースというのは本当、凄い楽器だとしか言い様がありません。
・指弾きでは多少使い込んだ弦が好き
・一方、スラップでは新鮮な音が欲しい
こんな希望にも都合良く、美味しく応えてくれます。リチャードココと相まって、弦は相当~に長持ちしますね。
超新品の場合、逆にちょっと辛いぐらいなレベルでワイドレンジ。そういう時は素直にハイカット、トレブルを下げて丁度良くなるようにしてます。
弦の寿命についてもっと言うならば、タッチが良くなればそれだけ消耗も抑えられる印象なんかもあったり。
常にオーバーパワー、バズも出まくり、フレットも傷めるなど、どう考えたって負担にならないわけがない。
巻きがしっかりしてない弦の場合、ちょっと乱暴に弾くとすぐ死んじゃうなんてこともあるかもしれません。
音への不満が大きくなった時、弦に問題を感じてしまう際、そこに明らかな不良や劣化ではない違和感を持ったのであれば、冷静に状況を分析してみるのがおすすめ。
・それは本当に弦だけの問題なのか?
・根本的な選択を誤ってないだろうか?
・短期間で音が変わりすぎる弦を今後も使うのか?
・常に新品弦を投入する必要がある楽器はどうなんだ?
そもそも全然高域が出てない、拾ってくれない、それを無理やり出そうとするのは大変と言うか、破綻してると断じても過言じゃない。
その逆、高域特性が良い、素直に抜けてくる、最初から十分な情報量を持っているのであれば、それをカットするのはそんなに難しいことじゃありません。
弦の問題は一生事。足し算的に新品弦を求めるのをやめられると、凄く楽になりますね。その消耗の渦から一つ抜け出せるだけで、より集中できます。
オリジナルマガジン
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