ベースとエボニー指板 高級材の定番 響きもレスポンスも別格な存在

ベースとエボニー指板

THE・高級の代名詞

 

安易なイメージかもしれませんが、でもまさにそんな存在。真っ黒で分厚いエボニー指板、色々と別格な印象があります。

 

特徴としては、

 

・全音域にわたって響きが良い

・レスポンスが速い

・サスティーンも豊か

・濁りがない

 

こういう感じかな?

 

とにかく、音の均整感が素晴らしい。ローポジションでも、ハイポジションでも、バランス良く鳴る。音が高密度になるような、重心が下がるような、重厚感が魅力。

 

簡単に言うと、

 

『高級そうな音がする』

 

そんな指板ではないかと。

 

フレットレスの定番

 

バイオリン属からの流れもあるのでしょう。「フレットレスと言ったらこれ!」みたいなイメージが強くあります。

 

実際、ラインレスのエボニー指板とか、それだけで只者ではない感が出るから面白い。

自分はラインを入れる派ですが、ラインレスの方で弾けたらその方が理想的。真っ黒で高密度そうなエボニー指板にはやはり、特別な何かがあるように思います。

 

サウンドの面から言っても前述の通り、非常に重厚でバランスも良くなる印象。コントラバス、EUB、サイレントベースなどを弾くと尚更ですね。

コントラバスだけでなく、ヤマハのSLB200、それもリミテッドのLTDを所有していたこともある為、その違いは理解してるつもりです。

 

メイプル指板やローズウッド指板とは明らかに異なる手応え。音的な面は勿論、単純な触り心地から何から、その感覚の違いにビックリします。

繰り返すようですが、豊かなサスティーン、バランスの良さ、重厚かつ美しい響きなど、別格感が漂いますね。

 

エレクトリックベースにはどうなの?

 

非常に高貴なイメージのある、エボニー指板。キャラの方向性としても、そのまま高価な楽器に使われる印象。

 

と言うことはですね、

 

『物足りない』

 

そんな印象があるのも、正直なところ。

 

ちょっと乱暴な評価なようですが、

 

・上品すぎる

・暴れなすぎる

・あまりに良すぎる

 

こんな印象を受けるから面白い。整いすぎちゃってると申しますか、その辺りの賛否が分かれそうな感があります。

 

例えば、ジラウドのW-BASS。このベースには、最大15mm厚の分厚いエボニー指板が使用されています。

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実に濃密、尋常ではない低音にサスティーン。エレクトックベースとは思えないサウンドが魅力。明らか、上のランクにあると感じる楽器です。

 

ただ、それが扱いやすいかと言うと、またちょっと別問題だったり。

低域があまりにも伸びてきてしまったり、音そのものが重厚で濃密すぎる為、大音量で鳴らすには扱いづらい面を感じるのも、正直な話。

エレクトリックと言うよりは、本当にアコースティック。そっちの方向に寄りすぎてしまう感があります。

 

それがあってか、W-BASSの後継機の『KLEIN』では、違う材を使用してるのが面白い。オールメイプルでもっと明るい方向、抜けの良いサウンドを狙った感じ。

自分はKLEINは所有していない為、話に聞いただけですが、大音量やライブとなると明らかに、KLEINの方がコントロールしやすかったとの事。

高品位で重厚な方向性が必ずしも正解なわけではない、その事例だと思います。

 

「エボニー指板がすげぇ良いらしいぜ!」

 

と聞いたからと言って、それが合うかどうかは分からない。一部分での評価、スペックだけで安易に判断すべきではないでしょう。

 

目的用途に合わなければ、意味がありません。

 

意外と好みが分れそうなエボニー指板

 

めっちゃくちゃ安易に乱暴に分けますと、

 

・ライブ派=メイプル指板

・スタジオ系=エボニー指板

 

こうイメージするのも、一つには正解な気がします。前述した通り、指板だけで考えるべきじゃないのは当然としても、傾向としてはそんなに間違ってないんじゃないかと。

 

重厚ではないかもしれないけど、その明るさや軽さが強みになるのがメイプル。エボニーには劣る材・・・なのではなく、それならではの魅力や個性がありますよね。

指板の視認性の意味でも、メイプル指板にはメリットあり。暗いステージなどにおいて、意外な助けになるかもしれません。

 

一方、とにかくバランスの良い楽器が欲しい、重厚かつ全音域にわたる響きの良さ、レスポンスを求めるのであれば、エボニー指板に勝る物はそうそう存在しない。

その意味で、エボニーの方がストレスなく安心して弾けるという人もいるかと想像。

 

多弦ベースに関して言えば、どのポジションでもビシッ!と整った音が出てくれるのは、非常にありがたい話。

ジャズやフュージョンと限定した話ではなく、高速な刻みや技巧が求められるメタルの世界においても相性が良いと言えそうですし、この辺りは完全に好みの世界ですね。

 

「何でもいいよ!」って気にしないのも正解っちゃ正解。個人的には、凄く好きな特性を持ってる指板である一方、高品質すぎるようにも思えるのも、やはり本音。

トータルで考えると、ローズウッドが無難に感じるのも分かるし、「エボニー」って文字だけを見てクオリティを判断するなんて事は、絶対やりたくありません。

 

そんなエボニー指板の魅力、難しい特性を言葉にするなら、

 

「隙がなくて取っ付きにくい」

 

こういう感じでしょうかね?インテリで物腰柔らかかつ、キレと凄みがあって怖い人みたいな?理知的だったり、ストイックだったり、遊びが無いって感じ?

 

エボニーはもう本当に希少材

 

スペックについてあれこれ考えるのは、とても楽しいオーダーの選択肢として思い描くのも、実にワクワクします。

 

一方、大問題も抱えてるのがエボニーって存在。

 

『材の枯渇』

 

この悲しい現実に頭を抱えてしまいます。

 

自分が愛用するジラウドベースにしても、今はもう、エボニー指板の指定は困難。と言うか、ほとんど無理ってぐらいのレベルな様子。

全体的に枯渇してきてる傾向が強かったり、入手困難になってるのが本当に残念でなりません。

 

音的な代用品を探せば、何かしら見つかるだろう世の中。それで特に問題ないのも、確かなのかもしれません。

ただやっぱり、それが好きな人間としては、気落ちするものがありますよね。

 

先日、「定番中の定番はローズウッド」と話しましたが、そのローズウッドすらも法規制されるなんて噂を聞いて驚きました。

楽器業界を取り巻く状況は年々悪化、良い材の入手がどんどん困難になってる現実を感じずにはいられません。

悪循環、皮肉なようですが、こうして「希少だ!」と騒ぎ立てるのも、一つには問題な気もしてきますし、いずれにせよ、好き勝手に贅沢に選べる時代ではなくなってきてるのは、間違いなさそうです。

 

ローズウッド、メイプル、エボニーの指板。これが定番、御三家と言っても過言ではないはず。

 しかし、それも今や、昔の話になりつつあるから恐ろしい。選択できない現実を見ると、「定番」とは言えなくなってきた感があります。

好きな材だけに、語るほど寂しくもなる、エボニー指板。色々な意味で特別な存在になってしまいそうで、複雑な気持ちにさせられますね。

 

懐古主義にはなりたくないけど、当たり前に選べた時代が羨ましくなります。

 

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