フレットレスと指板のコーティング メリットとデメリットを考える

フレットレスとコーティング指板

フレットレスはマイルドでソフトなほど良い?

 

「甘く滑らかな音が魅力」

 

そんなイメージがあるかと思われるフレットレス。アコースティックなサウンドを狙うにも方向性として非常に分かりやすくなる印象。

一方、それがエレクトリックベースとして魅力的なのか、実用的なのだろうかと考えると、ちょっと違うようにも感じたり。

 

・マイルドすぎて音の主張がない

・張りもアタックもなく音程感も微妙

・使える場がより限定的になる

 

こういう方向に行きすぎちゃうと扱いづらい楽器にもなってしまいがち。フレットレスを一面的にしか捉えてない気がしてきます。

指板にガツガツぶつかる音も魅力的、バズまじりで濁っているからこそ独特の響きが生まれる、不確定な音の成分が非常に複雑に絡み合うからこそ美味しい。

 

綺麗で甘い音を狙うだけではその良さが分からない面も多々あります。

 

コーティングのメリット

 

・音が明るくなる

・サスティーンが良くなる

・アタック感が出る

・音程感が分かりやすくなる

・指板が頑丈になる

 

簡単にまとめるとこんな感じではないかと。

 

「フレットレスの意味あるの?」と言われてしまいそうな感もありますが、それも一つには偏見、固定観念の強い見方かもしれません。

『エレクトリックベース』としての特性を活かしたフレットレスのサウンド。これには他のどの楽器にも真似のできない特権を感じます。

 

コントラバスの音が欲しいならコントラバスを弾くのが早い。チェロそのものの音を出したいならチェロを弾くのが良い。

つまりは、エレクトリックベースの音が欲しかったらエレクトリックベース、フレットレスだったらフレットレスを弾くのが正解。

 

エレクトリックならではの特性と個性を活かす意味でも、指板のコーティングは非常に強力な効果を発揮してくれます。

マイルドで埋もれてしまうサウンド=フレットレスではなく、もっとガンガン攻めることができるのが実に魅力的。

 

サスティーンが良くなる意味では、メロディックなアプローチをしやすくなる面もありますし、音程感や立ち上がりなどが向上すればそれも同様。

ラウンド弦を張っていても指板が傷みにくくなる為、それが大きなメリットでもあり、弦の選択にそこまで神経質になる必要もないかなと。

 

いかに頑丈な木材を使っていても、指板が傷んでくるのは避けられません。

遠慮なくタフに弾ける、それだけでも精神衛生上的なメリットが大きいですし、単純に見た目が気になる人にとってもありがたい話ではないかと。

 

コーティングしてあるとスラップも問題なくやれて実に良い。フレッテッド顔負けなサウンドだって出せます。

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無理に攻撃的に挑戦的に弾くこともないし、フレットレスらしく甘い音を狙うも良し。甘くぬるい音ではなく鋭く派手なサウンドを狙うのも面白い。

そういった自由度が広がる意味でもコーティングには多くのメリットを感じます。

 

先程の動画とは真逆、ゆったり音を伸ばしてメロディックに弾くにも活躍。

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コーティングのデメリット

 

前項のメリットがそのままデメリットにもなるのが面白くもあり、非常に難しいところでもありますね。

 

・もっとナチュラルな音が良い

・温かみと甘さが欲しい

・木の感触を楽しみたい

 

こういった方向性を求めているのであれば、指板のコーティングはあまりおすすめできません。これは本当、自分の中でも賛否が分かれる問題、単純な手触りとしても大きな違いを感じます。

実用的で扱いやすい楽器になったであろう一方、それをフレットレスに求めるのも何か違うと言えば違う。

 

「フレットレスに便利な方向性を求めるのか?」

「もっと味わい深い世界が欲しいから弾くんじゃないか?」

「フレッテッドと全然違うからこそ美味しいんじゃないか?」

 

こんなことを考えさせられもします。

 

エレクトリックなサウンドと言って、あまりに明るい方向に寄ってしまうのもちょっと味気ない。「ジャコっぽくする=フレットレス」みたいな、そこに特化しすぎてしまうのも考え物。

コーティング=オールラウンドという単純な話でないにしても、なんかこうキャッチーすぎてしまうような、軽い楽器になってしまうような、そういった印象を覚えるのも確か。

 

もちろん、楽器本体の問題も大きいですし、自身のタッチ、弾き方こそが問われるのも言うまでもありません。

結局はコーティング云々の話ではなくその楽器をどうやって弾くか、それが問われてくることに変わりはない。

ただ、その気分が乗らなくなるような感じがあるのもコーティングした指板、人間の複雑な感覚なのだと痛感。

 

完全に独断と偏見ですが、コーティングしてある場合、

 

「フラットワウンドは絶対に使いたくない!」

 

こういうのもあったりしますね。

 

それでどんなに良い音がしたとしても何か嫌なんですよね。そういう感触は求めてないと言うか感覚として気持ち悪くて駄目。

自然な粘りや温かみを求めるとコーティングは自分的には対極なイメージが強い。

 

好きでもあり嫌いでもあるコーティング指板

 

 強引に二つに分類しますと、

 

・ジャコ系サウンド

・コントラバス系サウンド

 

どっちかが欲しくなるのが個人的な好み。

 

で、これまた極端に分けるなら、前者がコーティングあり。後者はコーティングなしの方が望ましい。

安易な判断と言えばそうなんですが、実際、その方が分かりやすいんですよね。前者を狙ったベースで後者の音を狙おうとは思いません。逆もしかり、後者で前者の真似をしようとはならない。

中間は狙わず特化。使い分けとしてもその方が明確。好きでもあり苦手でもあるというのが面白い。

 

頑丈かつソフトな特性でサラサラしたコーティングとか、そんなものがあるなら興味も湧きますが、そう都合よくいくのかどうかは不明。

本音を言えば、コーティングなしでも全て完璧というのを希望したいところですが、やはり、そう簡単にはいかない印象が強い。

ラウンド弦によるダメージ、露骨に汚くなっていく指板を見ると、あまり良い気分はしません。

長い目で見ればコーティングした方が正解なんじゃないか、どうしてもそう思わざるを得ないと痛感したことがあります。

 

そういう意味では「パーフェクトなフレットレス」なんて物は存在しない、諦める方が正解なのかなって考える部分も正直ありますね。

最高に好きな一本があったとしても、ある一方から見れば全然好きじゃない要素の塊だったり、その辺りの傾向がフレッテッドよりも顕著のように感じるのも、フレットレスの面白さと難しさでしょうか。

 

多種多様な音色や使い道を考慮するより特化した一つのサウンドが欲しくなる。その特化したサウンドを自在に操ることに魅力を見出す。

一転突破の魅力と楽しさ、そこから生まれる自由を求めたくなります。

アコースティックとエレクトリックを高度に融合、それを実現してる物も存在はしているけれど、大抵は中途半端、デメリットだけ残って終わりみたいな印象があるのが悲しい。

 

中途半端をやめてエレトリックな方向に特化、コーティングを決意した6弦フレットレスを持っていたこともありますが、あれには心底びっくりさせられました。

温かみを意識してパッとしなかったのが一転、これほど生まれ変わるか、超優秀な楽器に変貌するのか、驚愕のレベルで変化。

「いくら何でもそこまでの変化はない!」なんてツッコミも入りそうだけど、実際に持ってた本人がそう感じたんだから、否定したってどうにもなりません。

 

素性は確かなのにどうにもいまいちなフレットレスがある場合、コーティングしてみると変わる可能性があるかも?

博打っちゃ博打、ケロンケロンに軽くなりそうなリスクもあるけど、楽器の方向性が分かりやすくなる意味で非常に優秀な方法であることに間違いはありません。

 

賛否両論、好みが分かれそうなだけに効果も大きいコーティング。

エレクトリックベースとしてのフレットレスを求めるか?それともよりアコースティックでナチュラルな質感を求めるか?

 

やるなら極端に行っちゃうぐらいで丁度いいかもしれませんね。

 

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