ベースとローズウッド指板
定番中の定番の指板 ローズウッド
「指板と言ったらこれ!」
メイプルと並び、絶対の定番ってイメージがあるローズウッド。ギターかベースをかじってれば、誰でも知ってるぐらいの存在でしょう。
一般的には、
・ふくよかな音
・落ち着いた音
・温かみのある音
こういった特性で語られている印象。色の濃さも相まり、落ち着きをイメージする指板ではないかと思います。
色々種類が存在するらしいローズウッド
定番中の定番、問答無用な感すらある、ローズウッド。
と言うことは、
「知ってなきゃ駄目」
ぐらいの存在と認識すべきなのかもしれません。ところが正直、よく知らなかったりします。
今まで所有してきたローズウッドって、
・何かよく分からない高いらしいやつ
・ニューハカランダ
・パーフェロー
・ブビンガ
・コーティング済み
こういうラインナップ。
おおまかにはローズウッドらしいけど、詳細不明な物も多い。産地の問題とかで違う名前が付けられていたり、実際、色も模様も異なっていたり、別物っちゃ別物と言えそうです。
要するに、
『普通のローズウッド』
これをあまり知らないわけですね。
ニューハカランダにいたっては、ポリ塗装でコーティング済み。「ハカランダらしさ!」みたいな事は語れませんし、判断がさらにややこしくなります。
出音の印象にしても、
・華やかで明るい
・高域までよく伸びる
・硬質でレスポンスも速い
こんな印象。
これ、メイプル指板に対するイメージみたいですよね。そのメイプルにしたって、懐疑的なところが多いから油断できません。
コーティングしてる故なのか?それともニューハカランダの個性なのか?その両方から来る特性なのか?本当に本当、よく分かりません、
詳細を知らない高いローズとパーフェロー。共に高密度で非常に響きの良いイメージでした。大人しいって方向とは明らかに違った感じ。
この辺、ブビンガなんかも同じような印象。「アフリカンローズウッド」と呼ばれるこいつ。指板ではなく、ボディに使用してるのを持ってましたが、「甘くふくよか」とは言えない感覚が強かったですね。
ちょっと調べてみると、パーフェローもブビンガも実はローズではないみたいな話があったり、でも同じマメ科だの近似種だのと言ったり、わけが分かりません。
ローズウッドは硬い木材
一般論と言うか比重?平均値?そこから言えば、ローズウッドの方がメイプルより重く、硬質であるはず。恐らく、そこを否定する人はいないんじゃないかと。
にもかかわらず、メイプルの方が硬質なイメージだったり、アタッキーとか評価されたり、強烈な音が出そうな感じで通ってそうなのが、面白い話。
塗装の問題などもありそうですが、楽器というのは本当、複雑な要素で音が構成されているのが分かるような気がします。
あまり知らない身で語るのも何ですが、「普通のローズウッド」ってやつに甘くふくよかな傾向があると分析、想像してみると、
・重い材ゆえに音の重心が下がる
・超硬質材より粘りと弾力がある
・メイプルネックの音色と絶妙に相性が良い
こんな事が言えるのかもしれません。
より高密度で硬質、真っ黒なエボニー指板の楽器も所有していますが、ある意味、高品質すぎると言うか、全帯域において音が整いすぎてしまう傾向を感じるのも確か。
物凄く綺麗な響き、隙のない楽器に仕上がるんですが、もうちょっと暴れてほしいような、庶民的になってほしいような、そんな印象を受けたりもします。
メイプル指板だとちょっと軽い、明るい、ドライな感じ、そんな傾向が出るかなと。
スラップが好きな人がメイプル指板を好むのも分かりますが、もうちょい重い感じ、粘りのようなニュアンスが欲しくなるというのも、納得できるところ。
そんな事を考えていくと、
『普通のローズウッド』
こいつの評判が良いのも分かります。
で、それってのは、
『インドローズ』
今はこれの事を指すのかな?『インディアンローズウッド』とも言いますかね?
その辺り、厳密な部分は知りませんが、安定したスタンダードなローズウッドってのは、絶妙に美味しいポジションにある材なんだろうと納得するものがあります。
楽器オタクが仇にならないように
本来と言うか、原点的に言えば、
『ハカランダ=ローズウッド』
この認識が正しそうでもありますが、現在では入手困難。法的な問題が絡んでいては、どうにもなりません。
「ハカランダ=ブラジリアンローズウッド」とは言っても、現実問題、ローズウッドとは異なる物だと考えるべき点もありそうです。
そんな事情も含め、考えさせられるのは、
『普通のローズウッド』
これを知らないって事。それがどういう事かを分析すると、一つの傾向が見えてくる気がします。
『楽器オタク』
間違いなく、自分はこれに該当する人間だなと。
「定番は嫌だ!」
「人と違う物を!」
「変な事したい!」
こういう気持ちを絶対持ってます。
「仇になった」とまでは言いすぎかもしれません。「別にオタクでもいいじゃん」と開き直ってもいます。
一方、逆にスタンダードな楽器を全然知らない、実用性を無視して変な方向に行ってしまうなど、それはどうなのかって思うところはありますね。
例えば、
「おぉ!ハカランダ!」
「これ絶対良いわ!」
「普通の奴じゃ駄目!」
こんな傾向があったら要注意。スペックだけで判断してしまう、表面的な部分で決めてしまう、先入観や固定観念が強すぎる、そんなのはよろしくない。
「定番だからつまらない!」というだけでなく、
「音が悪い!」
ここまで判断してしまうようだと、かなり危険な兆候、病的にも思えます。スペック信仰、こじらせたオタク、目の曇りが深刻になってそう。
まぁ、さすがに極論、暴論というものですが、
「普通のローズウッドじゃないから良い!」
みたいな判断をしちゃうってのはやっぱり、褒められたもんじゃないですよね。
・あくまでも傾向としてとどめておく
・実際に弾いてみてその楽器その個体を評価すべき
これが大切ではないかと考えます。それかもう、「音の違いなんかどうでもいい!」と開き直り、見た目と手触りで判断するのも、一つには正しいように思えます。
少なくとも、
「ローズウッドは大人しくて駄目!」
「ハカランダの甘い響きが最高!」
こんな事を言ってるよりは、遥かに健全かなと。
また、この「普通のローズ」という乱暴に分けた存在にしても、その中に等級、密度、乾燥具合、管理の問題なども大きく関わっているはず。
『特上の普通のローズウッド指板』
『ザル管理&並以下のハカランダ指板』
果たしてどちらが優れているのか、なかなか興味深いところ。ハカランダって名前があればそれで良いのか、強い疑問が湧いてきます。
まぁ、「ハカランダ指板!」ってスペックを掲げておいてそんな物が出回ってるとはさすがに思いませんが・・・
個人的な好みと言うか、大前提を挙げるならば、
『安定頑丈』
まずこれが何より。グニャグニャ動きまくって手がつけられないんじゃ、そもそも楽器向けの材ではない。種類や音の好み云々ではなく機能的にアウト、そんな物は要りません。
『ネックも指板も安定していて頑丈』
良いベースを探すならやはり、まずはここを押さえておきたいですよね。
「ローズウッドはこういう物!」ってイメージや先入観、それも本当のところはどうなのか、どう判断すべきなのか、冷静になってみると、かなり微妙な点が多いと実感。
作ってる方にしても、奇をてらったような売り方をするのは疑問ですし、スペックばかり前面に押し出そうとするのは、どうかとなります。
そうしないとアピールとして弱くなってしまう、売るのが難しくなるってのも分かるけど、過剰な木材木工戦争みたいなのは、個人的には好きになれません。
そしてそれは、プレイヤー側の責任であるのも、否定は出来ないところ。何か変わった物を求めたくなる性、それが歪みを生んでしまうのだとしたら、強く戒めるべきだとも思います。
「〇〇ローズ」なんて感じに、何か特別めいた名称がないと納得できない、刺激を得られない、見向きもしないなど、ちょっと感覚が壊れてるとすら言えるかもしれません。
定番中の定番かと思いきや、厄介な面も多いローズウッド。楽器は本当、トータルで判断したいですね。その個体はその個体、全てを画一的に考えるのは、危険だと痛感。
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