縦振動のタッチの研究 (44)
最近の自分とハムバッカー
新たに4弦をオーダーしようと構想している2019年。
ジャズベタイプも良いけど、ちょっと違うテイストに行ってみようかとも考えています。
仕様を温めたい為、ハムバッカー搭載のブラッククラウド5弦をあらためて弾いているここ最近。
JJよりタッチに寛容、太い音を出しやすいイメージのあるこのベース。
実際、横に軽く弾いても想像以上の音量と量感が得られるのが凄い。
自分の好みのレスポンスとは異なりますが、使いこなせば強力な武器になってくれること間違いなし。
「これに慣れちゃうとJJを弾くのがきつくなっちゃうかな?」と思いつつ、何か発見があるのではないかと実験をしている次第。
ハムバッカーの違和感と魅力
ハムバッカーのメリットであり最大の違和感とも言うべきか?
横方向の軽いタッチでも想定外の太い音が出ることに抵抗もあるのが正直な話。
「そこはもっと軽く繊細でも・・」
「ここはそこまで太くなってほしくないかなぁ・・」
という感じにタッチと出音のギャップに苦戦。
JJとは明らかに異なる反応に困惑します。
一方、非常に面白く感じるのは、そこまで弦を押しこむことを意識せずとも音がしっかり出てくれるところ。
太い音を出しやすいことを無理にデメリットだと考える必要はない。
むしろ凄く助かる、楽に弾けるという、この点がやはり素晴らしい。
軽く横方向に弾くタッチでもなかなかの音。
斜め方向だと凄く良い感じ。
縦すぎると逆に違和感が出る不思議。
違和感がありつつも、こういった反応が非常に新鮮で面白い。
まだまだ使いこなしが分かっていない分、新しいものを探っていく楽しみがあります。
気付いた共通点 縦でも横でも重要なポイント
弦を横に引っぱると立ち上がりやピークがおかしくなってしまったり、バズを発生させる原因にもなりやすい為、なるべくなら避けたい弾き方だと考えるのはこれまでと同じ。
「弦を思いっきりブンブン鳴らす=太い音」と認識するのも違う。
それでは縦振動の実現は困難と言うかほぼ不可能だと実感。
ただ、これというのはかなり極端なタッチを想定、該当させる話とも言うべきか、『横振動=悪!』みたいな認識にも繋がりやすくなってしまうのかもしれないと思った次第。
実際問題、前述のハムバッカーなどにもある傾向、縦振動で弾く方が反応が悪くなる極端な楽器もあるこの世の中。
縦振動のタッチこそが絶対みたいには自分も考えていません。
となると横振動、斜め方向のタッチなど、そちらについても試行錯誤していく必要がありそうですが、「やるべきことは実はどれも同じなのか?」と強く感じるようにもなってきました。
縦でも横でもやるべきことは同じ。
『ハイスピードなタッチで弦を綺麗に鳴らす』
弦振動の初動をいかにストレートに高速にするか?
それこそが自分の求める良いタッチの必須条件なんだろうなと。
ひっぱりすぎが良くないのであれば、押しこみすぎが良くないのも同様。
最後の瞬間、おかしな巻き込み方をしたり方向がぶれてしまえば弦は暴れる。
初動も軌道も狂っていれば、それがそのまま音として出てしまう。
やるべきことは実にシンプル。
『弦をどう鳴らすか?』
縦でも横でも何でもここに行き着くのだろうなと。
分かってるつもりはやっぱり『つもり』だった
これまでもずっと同じようなことは話してきたとも思いますが、いざあらためて認識してみると本当、全然分かってなかったことが浮き彫りになってしまうのを痛感。
あらゆる角度で理想のタッチスピードを実現、どの楽器どのPUでも良い音太い音、自分の音を出せるという、そんな領域がとてつもなく遠いことを思い知らされます。
・根本的にスピードが足りない
・弦を鳴らす感覚を掴めてない
・理想のプレイとサウンドのイメージが弱い
方向云々関係なく、これじゃどうにもなりません。
「何となく」や「つもり」から進むことはできない。
いや、参りました。
ちょっと泣きたくなります。
エレクトリックベース 弦と電気が命
一連の流れでまたあらためて思うことですが、
・自分のタッチに全然合っていない楽器を使う
・弾き方もまったく理にかなっていない
・違いがよく分からないシステムにしか触れてない
・そもそもタッチコントロールの意味が分からない
こういった状況の恐ろしさというのを考えさせられますね。
完全に過去の自分ですが、そりゃ理想に辿り着けるわけがないよなと納得します。
「機材任せになってた!」「縦振動のタッチにも目覚めてなかった!」なんて認識していましたが、実はそんな段階ですらなかったのがよく分かってきました。
『弦を鳴らしていない』
これじゃどんなベース弾いたって良い音するわけがありません。
と言うか音にならない、音を出すつもりがないだろうとツッコミたくなる。
ちゃんと弦を鳴らせるのであれば、横に弾いても良い音を出せる楽器はあるし、シビアな楽器だって感覚を掴めば鳴らせるようになるはず。
それが全然できなかったということは根本的に弦を認識していなかった、鳴らし方に無頓着、出音にもグルーブにも関心がなかったのではないかと振り返る次第。
さらに言うのであれば、
『電気も無視してた』
これが現実だったんだろうなと猛省するしかありません。
「足りないところは電気的に補えばいい!」なんて言ったってまぁ、そもそもが無に等しいんだから増幅のしようがないですよね。
弦楽器としてもエレクトリック楽器としても認識せず、どうやって良い音を出す気だったのか、それで理想と物欲だけ立派だったとか、顔真っ赤になってしまいます。
縦だ横だと試行錯誤するのもいいけど、根本的に弦を鳴らせてないんじゃ何をやっても無駄に終わるのがオチ。
まずは弦を鳴らす
これですね。
あれこれこだわる前にそこをどうにかするのが先。
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