縦振動のタッチの研究 (48) 効果絶大シングルコイルのリアPUとフレットレス

縦振動のタッチの研究 (48)

 

フレットレスとシングルコイルリアPUの問題点

 

簡単に言うとジャコ系のサウンド

ジャズベのリアPUをメインにしたセッティング。

この美味しさってのは本当に堪らないものがあります。

 

一方、ブリッジ寄りのシングルコイルのみで量感を出すのはなかなか難しい。

フレットレスの場合、立ち上がりも悪くなりがち。

 

悪くすると、

 

『薄く鈍臭いベース』

 

こんなことになってしまう可能性あり。

 

コロコロと頼りない音というだけではなく、アタックもはっきりしない、抜けてこない、そもそもの存在感がないなど悲惨なことになりがち。

 

量感に関しては後付けのブーストで補うこともできるかもしれませんが、それでも根本的な立ち上がり、音程感、エネルギー量について克服するのは厳しい。

 

フレットレス、パッシブ、ジャズベース等、楽器の仕様を限定せずの領域と原点。

タッチを鍛えることがやはり最も効果的だと考えます。

 

縦振動=力任せにブンブンではない

 

太く大きな音を出そうとした場合、指を深く当てて強く弾こうとするのは当然の心理。

弦が全然振動していないよりは音も強くなったように感じやすいのは確か。

 

ただしかし、力任せとばかりでは厳しいのが演奏と音楽の世界。

乱暴に鳴らした音だけで攻めるのは難しい面も多い。

 

特にフレットレスベース、そしてリアPUを鳴らすには厳しい印象。

べちべちびしょんびしょん鳴っているだけみたいなのはいただけない。

情けなく潰れた音が響いて終わりじゃ悲しい。

 

これまでも口酸っぱく言ってきたように、『縦振動=太い音=乱暴に弦を鳴らす』はまったく違うと自分は認識しています。

 

『縦振動=太い音』までは良いとしても、「乱暴に!」とか「力任せに!」とは考えるべきじゃない。

むしろ脱力、タッチのスピードこそが問われる領域、弦を綺麗に鳴らしてなんだと実感。

 

前回の内容から言えば、どんなに必死に弦を鳴らそうとしてもPUが拾ってないのでは意味がありません。

前々回の内容からすれば、必死に押し込んでも処理が遅いのでは効果半減、無意味にもなってしまうから怖い。

 

あらためて強く感じます。

 

『縦振動のタッチ=力任せ=自分には無縁』

 

こうは考えないようにしたい。

 

弦を綺麗に鳴らそうとすればこそ縦振動は非常に有効。

指を深く当てる必要もなく自然に音を太く大きくすることも可能。

 

動画

 

具体的な効果が伝わればと動画を撮ってみました。

使用しているのはジラウドのジャズベのフレットレス。

 

トーンをあえて0にして音が甘くなるセッティングにしています。

それでもタッチによるアタック感とプッシュ感の違いが分かるはず。

 

www.youtube.com

 

今回のポイントは指を深く当てないようにしていること。

 

ジャコっぽく弾こうとした場合、16分音符の細かいフレーズがお約束になりますが、指をべったり当てて弾くのは色々厳しい。

 

なるべくなら指先の方でキレ良く決めたいところ。

弦飛びを攻略する意味などでもガツンガツンとばかり弾くのは向かない。

 

ただ、それだけだと前述したように量感に乏しく薄いベースになってしまうのが、このシステムとセッティングの難しさ。

 

軽やかに弾くのはいいけれどアタックが全然出てこない、薄味に鳴ってるだけって感じだとベースとしてはいただけない。

 

そこで提案したい、と言うか確かな効果を実感できるのが縦振動。

 

・弦を押し込む

・指のしなりを利用する

・スピードで弦を鳴らす

 

これを意識すると音が激変。

 

シビアなパッシブ、シングルコイルを鳴らすなら尚のことおすすめ。

フレットレスでも立ち上がり良くキレを出したいなら効果絶大。

 

ちょっとした方向と力の入れ具合の差で音が確実に変わります。

 

タッチの変化が分かる楽器は楽しい

 

OPBに次いで扱いが難しいジャズベース。

電気的な力を借りずに鳴らそうとするのは大変。

パッシブでしかもリアPUを量感豊かに鳴らすのは一筋縄ではいきません。

 

でもだからこそタッチの鍛え甲斐があります。

シビアだからこそ効果を確認しやすい。

音の変化が分かりやすいからこそ練習も楽しくなる。

 

縦振動のタッチに取り組むのであればこれもまた口酸っぱく伝えたいこと。

 

『違いをすぐ実感できる機材を使うべき』

 

これが本当に重要。

まずはそこからとまで言ってもいいかもしれません。

 

指先のちょっとしたコントロールの差まで正直に出してくれるシステムに触れていれば、タッチも自然と鍛えられること間違いなし。

 

一方、どう弾いても音の変化が僅かにしか起きないようではすぐ退屈になってしまいます。

その影響からお手軽に激変してくれるエフェクターの方に行きがちではないかとも想像。

タッチのトレーニングがつまらなくなってしまうのも無理はありません。

 

だからと言ってOPBとまで行くと実用が難しくなってしまう面が多々出てきてしまいますが、その点、ジャズベースだったらそもそもがオールラウンドに定評ある楽器だから素晴らしい。

 

ジャコが好きならフレットレスを弾くのも良いですし、握力任せのフィンガリングから解放される意味でもフレットレスはおすすめできます。

 

シングルコイルのリアPUで「ブン!」と勢いよく太く鳴る音を叩き出す。

それをイメージしてタッチを鍛えるのも非常に面白い。

「太い音=乱暴なタッチと粗い音」なんて固定観念から解放されるにも効果絶大。

 

シンプルなジャズベを一本持っておくと何かと鍛えられます。

 

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