縦振動のタッチの研究 (38) 遅いベース・アンプ・エフェクターの恐怖

ピークが遅れてくるタッチ

 

前回も載せたこの動画。

最大で1秒ぐらい後に音のピークがやってくるのが確認できます。

 

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これは本当、色々な意味で厳しい難しい弾き方でしょう。

 

タイトに細かく弾きたかったり、狙ったポイントで太く身のある音を鳴らしたいのであれば、致命的と言ってもよいはず。

 

いくらコンプやプリアンプで補正したところで、根本的な解決には至らないかと。

 

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タッチ、ベース、アンプ、エフェクター 全てが遅かったら?

 

タッチで音のピークが1秒遅れるだけでも致命的。

 

それに加え、ベース本体とアンプとエフェクター、これらのレスポンスも鈍重極まりないものだったらどうなるか?

 

自分としてはもう、想像するだけでも恐ろしいですね。

ベースやめたくなるぐらい気持ち悪いだろうと寒気がします。

 

現実的なことを言えば、「1秒が積み重なって4秒遅れる!」なんてことは有り得ませんし、機材による出音の差なんてほんの僅かにしかないものなのかもしれません。

 

しかし、その僅かな差にこだわるのがグルーブの世界だったり、音楽の世界。

16分音符なんて当たり前、32分音符かそれ以上に細かく時間を分割した世界が存在しており、それを実践もするわけです。

 

ほんの僅かであろうとその遅れ・遅さが積み重なってしまった場合、レスポンスの鈍重さはもちろん、気持ちの悪いリズムのずれ、バンドの中での居心地の悪さとして認識するようになってもおかしくない。

 

そして残念なことに、ベースというのは根本的に立ち上がりに難がある楽器です。

前述の動画までだとさすがに極端ですが、音のピーク、特に低音については常に遅れがちになるものだと言えます。

 

加えてさらに残念なことを追加するのであれば、ベース本体はもちろん、ベースアンプやスピーカー、内蔵するプリアンプからエフェクター何から、レスポンスが鈍重なものが溢れている印象。

 

見た目による個性の主張、表面的な音色ばかりを重視した結果、肝心のレスポンスや音飛び・音抜けを捨てているものが非常に多いと感じる次第。

 

高級で凝った楽器より、スタンダードスペックな楽器の方が気持ちよく使えたり、バンドの中でも存在があって抜けてきたり、そういった心当たりのある人も多いはず。

 

たまにパッシブベースを弾いたりシンプルなシステムを鳴らした際、それがめちゃくちゃ気持ち良く感じてしまうとか、そんな傾向があったら要注意ですね。

 

でもそれは、認識をあらためるチャンスとも言えそうです。

 

『ストレートで余分なものがなく高速に音が出てくれる』

 

その恩恵をもっと大切にすべきだと自分は考えます。

 

タッチを鍛えるならタッチレスポンスにこだわるべき

 

・自分が弾いた音がそのまま出てほしい

・タッチと出音の時間差なく音が出てほしい

・低い音も遅れなくしっかり出てきてほしい

 

ずっと言い続けてきたようですが、縦振動のタッチを習得、高めていきたいのであれば、自分の感覚と出音が乖離しないシステムを用意した方が良い。

 

その方がより直接的に変化を感じることができます。

 

いくらタッチが向上してもシステムがそれに応えてくれないのでは悲しいですし、第一、気持ち悪くてやってられなくなってしまうでしょう。

 

また、勘違いしがちなのは『高域がうるさい=速い音』だと認識すること。

 

音を速くするとシャリシャリするから嫌いとか、尖がった音になるから嫌だというのは、かなり認識を誤っているんじゃないかと。

 

上の帯域だけ目立って聴こえてくるのが速い音だとは自分は考えません。

 

高速レスポンスで素直なシステムを使用すれば、上から下まで気持ちよくドーン!と出てきてくれます。

 

タッチが良くなれば尚更であり、そんな極端な味付けをしなくても音は太くなるし、存在感もしっかり出て音も抜けてきてくれるもの。

 

あれこれ通したり過剰にブーストするような必要がなくなります。

 

反応が良いというのはそれぐらい気持ちいいし、使いやすい。

そして何より、弾いてて楽しいから素晴らしい。

 

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不毛な遅い機材探しから抜け出そう

 

レスポンスの悪い楽器とシステムは悲惨なことになりやすいのが怖いところ。

よくあるこんなパターンにハマると不毛としか言いようがありません。

 

「なんか音が抜けないな・・」 → ハイをブースト。

「なんか音が細いな・・」 → ローをブースト。

「なんか音が整わないな・・」 → コンプを強くかける。

「なんか音が抜けない細い整わないな・・」 → ループに突入。

「なにが駄目なんだろう・・」 → 泥沼の機材漁りと浪費祭り。

 

こういうのは本当に気を付けた方がいい。

大袈裟でもなく冗談でもなく、よくあることです。

 

まず疑問に思うべきは、

 

『弾き方で音が変わるかどうか?』

 

これを意識した方が絶対良い。

 

様々なタッチを試してみて大して音が変わらないのであれば、楽器本体の方向性、使用するシステムのタッチレスポンスを疑問視してみるべき。

 

自分がイメージしている通りの音、弾いている通りの音が出てきてくれない、タイミングもおかしいと感じるのであれば、その違和感は放っておかない方がいい。

 

良い音色、快適な弾き心地を持つ楽器を探すのもいいですが、自分頼り・直球勝負のシステムに触れてみるのを自分は推奨したいですね。

 

サウンドの実用性やグルーブに対する悩みがあるならば尚更であり、ストレートで高速なシステム、それを良いタッチで弾くという経験を絶対にしてほしい。

 

案外、今抱えているベースの悩みがそれで全部解決するかもしれませんよ。

と言うか、それで苦しんでいる人、悩んでいる人が多すぎるってのが現実のようにも感じます。

 

浪費が快感、それが生き甲斐であると言うなら無理に否定はしませんが、どうしても行き詰まる、どうにか今の自分から抜け出したいと考えるのであれば、高速なシステムの構築とタッチコントロールの向上を心からおすすめしたい次第。

 

・なぜ縦振動のタッチを身に付けるのか?

・なぜ高速な楽器とシステムを求めるのか?

 

それが分かってくれば、また新たな可能性が広がっていくことでしょう。

それこそ、ベース人生も音楽人生も変わっていきます。

 

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