ポングとベース

ベース楽しむ人生を

ギタリストにベースを教えてみた

友人のギタリストがベースを教えて欲しいと我が家を訪問。

ギター教室の発表会で生徒をサポートする為にベースを弾く事になったそうな。

完全にギターの感覚と延長でしか練習してないのでチェックして欲しいとの事。

また、今から指弾きを身に付けるのはきついのでピックでという話でもあった。

 

そんな訳でいざ目の前で弾いてみてもらったところ、

正直言って自分よりも真面目にカッチリ弾いてるんじゃないかという印象。

カッティングの様な弾き方もパーカッシブなニュアンスを出すのも上手く、

こうやって弾くのかとこっちが参考になる点もあったかもしれない。

ピックの扱い方の上手さにおいては自分など比較にならないと感じたし、

短期間の取り組みでここまで弾けるものなのかと驚かされる場面もあった。

 

しかし不思議なものでやはり全くベースらしくないと言うか、

これだとバンドの中では厳しいんじゃないかと強く思った次第。

いくら細かいニュアンスを付けたり演奏自体が凄く上手いとは言え、

決定的に何かが違うと言うかその違和感は本人も自覚していた様子。

どんなにパーカッシブにタイトに弾けても肝心の実音に乏しい印象は否めず、

恐らくは他の楽器とも噛み合わない可能性が高いんじゃないかと。

ルート音がフワフワしちゃってる様なベースが活きる場でもなさそうだし、

このまま行くとシンプルなフレーズやビートになるほど辛くなる気がした。

 

そしてその友人の全体的なフォームや弦の振動のさせ方など、

3時間ぐらいに渡ってああでもないこうでもないと研究していったところ、

別人の様に太い音になったりグルーブも変わっていき互いに驚かされた。

やはりピックにおいても振動方向を意識する事で音はかなり変わるし、

押弦の甘さや楽器のホールド感の見直しをするのも凄く大事だと感じた次第。

ギタリストならではのピックの使い方は非常に面白かったのだが、

ベースでそれそのままやろうとしても何故だかどうにもしっくりこない。

逆に不器用な様でもベースらしさがある弾き方をした方が良かった印象。

 

右前腕のボディへの当て方のちょっとしたコツや角度に手首の使い方、

楽器自体を安定させ左手の押弦もより強力に確実にする方法、

それこそ立ち方や姿勢、首や頭の位置など楽器に触れない部分も見直したり、

足の使い方やリズムの取り方なども考えたり気付いた事はそのまま伝えてみた。

課題は色々と見つかったがそれだけにその効果も早く確実に出た様に思う。

まぁその影響や癖が本業のギターの方にも出て困る可能性なども有り得るが、

とりあえずベースを弾くという事に関しては明らかにレベルアップしてたはず。

 

ちなみに興味深かったのはその友人が所有していたPJ仕様のベース、

高音弦側と低音弦側で音が違うのが気持ち悪いと言ってるのが面白かった。

これは位相特性やそのミックスの不自然さを考えれば当然と言うか、

やはりPJのベースにはこういった違和感やデメリットがあるのだと再認識。

ジラウドのアクティブバランサーの様に高性能な物が内蔵されていれば良いが、

そんな事など全く考慮されてない物ではどうしても音がおかしくなってしまう。

異なる種類のPUとPU位置とで完璧なミックスを実現するのは非常に難しい。

音の好み以前にPJ仕様のベースには注意すべきポイントがあるかと思う。

 

更にアクティブなのにも関わらずインピーダンスの処理が適正にされてない為、

外部機器の影響を強く受けてしまっている事にも非常にガッカリした。

アクティブだからと安定・安心だと油断するのは危険かもしれない。

アンプ側の入力インピーダンス切り替えの影響が明らかだったし、

内部でどんな配線が行われてるのかもあまり想像したくない気がする。

PJ仕様だったというのもあるが音作りが相当に難しい楽器だった印象。

初心者向けの価格だと諦めるにもあまりにも関心も良心も無い物だなと失望。

 

「音楽は理屈じゃない!魂だ!」と言うのは簡単だが、

やはり残念ながら実際に楽器を演奏するには様々な困難や課題が伴う印象。

音が細いのには細い理由があるし太い音には太い音の理由がある。

単純で簡単に思える8ビートの刻みなどでも驚く程にグルーブは変わるし、

むしろシンプルな方が奥が深く難しいとも言えるのかもしれない。

今回教えてみた方としてもあんなに変わるものなのかと本当に驚いた。

「これが俺のやり方だ!」とどこまでも自己流を貫くのも良いが、

素直に吸収して練習する人間が強いのも確かな気がした次第。

変われる人は短期間でも驚く程に変われるのだろうと思う。

 無闇な練習や遠回りばかりしてる自分にも何か刺さる一日だったかもしれない。