ポングとベース

ベース楽しむ人生を

縦振動のタッチとアクティブ

「アクティブは嘘っぽい!誰が弾いても同じ感じがする!」

 

なんて事がよく言われてたりもしますが、それには反論もあるし、同意もするところだったり。

インピーダンスの処理を考えるなら、パッシブそのままが理想とは思えませんし、それで純粋で素直な音が出てくれるとは、自分はまったく考えていません。

 

ボリュームも何も付けず、PUからジャックに直結するなんてやり方なんかもありますが、ケーブルが長かったり、アンプの入力インピーダンスが低かったりした場合、それの何がピュアな音なのか、ごまかしが無い音なのか、かなり疑問な気がします。

 

痩せに痩せた元気のない音がベース本来の音だと言うのは、滑稽に感じるような?

また、自然と言いつつ、高出力で癖の強いPUや、タッチに寛容なハムに依存したり。それでパッシブ最高なんて言うのも、やっぱり疑問だなぁと。

 

とは言え、プリアンプが持ってる独特の気持ち悪さや、それに違和感を覚えるのも、実に同感ではあります。

その固有の癖や音色が嫌いだったり、人それぞれ理由があるのではないかと思います。

そして、その違和感の中に、レスポンスに対する感覚も大きく存在するのではと想像するところ。

 

以前にも話しましたが、タッチレスポンスが悪いということは、人によっては致命傷にもなる可能性があります。

音の出方に遅延があるレベルまでになると、これは本当に気持ち悪いし、違和感もひどい。

余計な部品やらなんやら数多く通ったり、それだけ信号の遠回りになるとすれば、これは当然の事ながら、出音に遅れが生じてもそれほど不思議ではないはず。

 

そこに加え、楽器本体の鳴りも悪く、反応も遅いのでは、よけいに酷くなります。

 

「そんなもの人間に分かるレベルの話じゃない!ぜんぶ思い込みだ!」ってツッコミなんかもあるかもしれませんが、さてはて、それはどうでしょう?

人間という動物をあまり甘く見ない方が良いような気がします。

 

1mmにも満たない紙を認識できたり、その感触もはっきり分かったり。ほんのちょっとの棘が刺さってるだけでも不快感や痛みを認識するわけです。

音楽の話にしても、16分音符や32分音符など、さらにはその上まで、どれだけ短い時間と瞬間をコントロールして成り立っているか、こうして言葉にするとなかなか凄いものではないかと。

 

そんな演奏をする当事者の感覚というのは、恐ろしいほどに鋭敏なものなんじゃないかと思います。

もちろん、病的な思い込みや強烈な暗示に関しては、何とも言えないところでもありますが、アクティブに違和感があるって話は不思議でもなんでもなく、当然の話のような気がする次第。

そして悲しいかな、それぐらい粗悪な物が溢れてるって事でもあるんじゃないかと。 

 

不自然にギラギラしたり、特有の嫌な感じが出たり、それにはやっぱり理由があると思います。

そもそもの特性が滅茶苦茶だったり、基本的に音がおかしい可能性も十分ありますが、不味いのはそれをさらに弄ってしまう音づくり。

 

立ち上がりが悪く低音が鈍重だったり、音が引っ込んで前に出てこなかったり、そうなると、音抜けやアタックを意識してハイを足したくなるものです。

しかし、レスポンスが良いとか立ち上がりが速いとか、そういった感覚というのは、「耳に聞こえやすい帯域がどれだけ出てるか?」って話とは、実は異なる問題のような気がします。

 

異常なハイなど出さなくとも抜けてくる音はあるし、自然と存在感が出る心地よい音というのが絶対あるはず。

粗悪なプリでノイズレスに自然にハイをブーストできるとは思えませんし、基本特性がひどかったり、反応の遅さをごまかす為に加工するなんてのは、かなり本末転倒な話なんじゃないかと感じるところ。

 

アクティブにする事で積極的に音を作ったり、独自のキャラを出す為にって理由で使うなら分かりますが、それが苦手な人も多いと想像します。

機材による出しゃばりなんて求めてないのだったら、そりゃ嫌われて当然の話かもしれません。

瞬間的なアタックや立ち上がりに対し、足枷になってしまうとすれば、これはやはり、タッチコントロールに対する影響も非常に大きく出てしまうはず。

 

そこでまた本来の音と言うか、原型とは異なる加工をされてしまうとすれば、タッチの無個性化にも拍車がかかっていく事になるんじゃないかと思います。

「誰が弾いても同じ感じ」とか「誰でもそれなりに」なんて話にも納得。

初動の最も大事なところが再生できなかったり、露骨に遅れるとか、タッチを大事にする人間からしたら、本当に致命的になりえる話ではないかと。

 

縦振動を知るにしても鍛えるにしても、とにかくリアルタイムで高速な特性の楽器を使った方が正解なはず。

しかし残念ながら、通しただけで音が痩せたり遅くなったり、そういった印象を受ける物が、世の中にはたくさん存在している印象。

 

「最終的に音が良ければどうでもいい!音痩せなんか気にしない!」なんて意見もあることか思いますが、これまた困った話で、「音色は凄く良いようでも意外と使い物にならない・・」ってものに遭遇してる人なんかも多いはず。

 

根本的な解像度だったり、レスポンスだったり、音の飛び方だったり、そういった要素に無頓着な場合、そんな事態に陥りやすいような気がします。

位相特性が悪いとでも言うのか、そもそも音が引っ込んでいたりすると、本当に疲れます。

それで前述のように、EQで異常な加工をしたり、後づけでなんとかしようとすると、まぁ、音はさらにおかしい事になっていったり、逆に無個性にもなっていくかもしれません。

 

縦振動で弾いても反応がいまいちだったり、恐ろしいほどに鈍い楽器って本当にあります。

もちろん、それがプリアンプのみから起こることとは考えず、トータルで見るべきだと思います。

しかし、変な回路がすでに本体に内蔵されてるとなると、問答無用でそれを通る事になってしまう為、やはり、アクティブってのは、要注意なポイントなんじゃないかと考えるところ。

 

決して大袈裟な話ではなく、内蔵プリアンプの質が低いと、想像以上にレスポンスは酷いことになったりもします。

「ツマミがセンターならフラット!味つけも色づけも無し!」なんて考えも危険かもしれません。

残念ながら、それを通るだけで生まれるリスクというのが存在する印象です。

 

「それならパッシブに切りかえればいい!」なんて思われそうですが、 以前にも話した様ように、トグルスイッチすらも粗悪だったり、良心のない回路やパーツが溢れていたり、音痩せやレスポンスの悪さの原因は、様々な場所に潜んでいたりするから困る話。

パッシブに切りかえたところで、ローインピーダンスのポットを通ってしまっていては、それだけで音はめちゃくちゃ痩せてしまいます。

 

繰り返すようですが、「パッシブだからピュア!」とか「本来の音!」なんて事はないはず。

インピーダンスのアンマッチングは致命傷にもなりかねない話だと思いますし、しっかり把握してないと色々ひどい目にあうんじゃないかと。

 

個人的に思うのは、ギタリスト的視点からベースのレビューをしていたり、その感覚のままに音づくりをしているようなのは、信用しない方がいいんじゃないかと。

そういうスタイルで行くなら、それも必要なやり方なのかもしれませんが、世のベーシストの多くの悩みや悪戦苦闘を見るに、どうもこう、方向性が違ってることが多い印象があったりします。

 

「太い音を出したい!音抜けを良くしたい!グルーブしたい!」

 

そう考えてるのにもかかわらず、ギター的な機材を求めたり、そういう音作りをしてどうするのかと。

そのギターにしたって、過剰なエフェクトを良しとはしないはずですし、やはり、低い帯域が重要になるベースでそれをやってしまうのは不味いはず。

 

「中域こそが大事!」なんて意見も分かりますし、そこを中心とした音作りもあるとは思いますが、だからと言って低音を軽視したり、音痩せを許容しすぎるのは納得できない話。

その低い音をいかに充実させるか実用するか、それが勝負どころであり、ベースならではの美味しさと魅力ではないかと。

 

色々迷って困ったら一度シンプルにしてみて、タッチを研究するのをおすすめしたい次第。

それで結局、元のスタイルに戻ったとしても、その経験から絶対に良い結果が得られるはず。

 

「音が細いから・・」とツマミに触れる前に、まずは弦を押しこんで弾くようにしてみると良いかもしれません。