縦振動のタッチの研究 (1) 衝撃の出会い

縦振動のタッチ (1)

 

天狗からの圧倒的敗北

 

ジラウドの福田さんに教わってから軽く10年以上。いまだにずっと縦振動のタッチの練習に取り組んでいます。あの音との出会いは本当、自分のベース人生を変えてしまいました。

 

胡散くさい?宗教くさい?そんなこと言われたって事実なんだから仕方ない。これまでやってきたことを変えざるを得ない、クソな自分に見切りを付けなければどうしようもないと思い知らされたゆえの変化。ジラウドさんに行ってそれぐらい未熟だってことを痛感させられたわけです。

 

音楽学校のイベントで何回も優勝したとか、授業だけなくセッションにも行ってたり仕事もしたことがあるだの、そんなものまったく関係なし。ベースマニアも気取って天狗になってたのがボッコボコのズタボロ。そのあまりのサウンドの違いに悔しくて情けなくて泣きたくなりました。

 

楽器も今とはまったく違う方向のものを使用していたのをよく覚えています。弦高1mm以下。紙一枚入るかどうかってセットアップ。薄くて幅の狭いネックを好んだりとにかく安易な弾きやすさを重視。タッチはほんの軽く触れる程度。出音はEQのブーストで誤魔化すのが常。コンプを使って整えるなんてのも当たり前。音作りは完全に機材任せ。

 

それをですね、

 

「これが俺のスタイル!

 

恥ずかしげもなく誇っていたのだから恐ろしい。 太い音の出し方とかタッチなんてまったく研究してこなかったのが情けないったらありゃしない。

 

「弦高上げて力任せ?そんな時代じゃない!もう非効率なんだよ!パッシブ信仰なんかうんざりだ!」

 

こんな風に考えていたのが本当の話。そこからまさに奈落に突き落とされる出来事になったのが縦振動のタッチとの出会いでした。

 

価値観と自信の崩壊

 

つまらないメッキなんてすぐ剥がされてしまうもの。安っぽいプライドやこだわりなど本物を前にしたら砕け散るしかない。

 

自分が弾くとカスみたいな音しか出ないただのパッシブベース。それを福田さんが弾くと別次元のとんでもなく太い音が出てくる衝撃。まったく理解不能、意味不明。しかしまぎれもなく現実。何が起きているのかさっぱり分からなかったあまりの差。力任せではなくごく自然にその音を出してるものだから余計に混乱。おまけに物凄く小さな音量でも太さはそのまま出せることに驚愕。

 

困惑の中、完全に悟りました。

 

「俺は超が付くぐらい下手クソだった!」

  

基礎なんか身に付けちゃいなかった。ベースのこと何も知らないで偉そうなこと言ってた。惰性でいいかげんに弾いていたことを受け入れるしかなかったあの日あの時。自分の未熟さを心底絶望的なまでに思い知らされる恐ろしさ。帰り道でグズグズに泣きたくなるほど本気でヘコみました。

 

「俺のスタイルが出来上がりつつある!」なんてあのザマでよくもこんな調子に乗ってたもんだと青くなってしまいます。クソガキが恥ずかしげもなく自信満々になってたとか完全に黒歴史

 

太い音出したいから人生変えた

 

ある意味ではトラウマにも近いぐらいの体験をした縦振動。時にボコボコになりながらも習得を志した結果、ようやくそのタッチの感覚が分かってきました。正直、いまだ本家には及ばないのも事実である一方、ペチペチのベースとスタイルから心を入れ替え、挫折を繰り返してきた者ならではの視点があるとも思っています。

 

「これは俺のスタイルじゃねーや!」

「縦振動が絶対じゃねーし!」

「音楽はもっと自由なもんだ!」

 

こんな風に逃げたり何度も諦めかけてきたからこそ分かることもある。今後、どれぐらい書き続けていくかは分かりませんが、このブログ上でも縦振動の研究を進めていってみたい所存。

 

動画

 

縦振動を意するとブリッジ付近でも小指でも太い音が出せるようになります。スピードとタイミング、角度などを掴んでおけばそれだけで音は太くなる。普段、小指を使う練習なんかしていませんし積み重ねてきたわけでもありません。それでもやり方と感覚さえ分かれば太い音は出せます。

 

※低音がちゃんと出るヘッドホンで聴くのを推奨。

www.youtube.com

 

人差し指だろうが中指だろうが弾き方が悪ければそれまで。弦振動の方向や力加減が悪ければ良い音は出ないのが現実。一方、縦振動が身に付いてくればどの位置でもどの指でも太い音が出せるようになるから面白い。  手が小さいとか非力だとかそんなことも関係なくなってくるでしょう。

 

タッチコントロールの感覚が分かってくるとベースを弾くことがまたさらに楽しくなること間違いなし。楽器に対してあれこれ言い訳する癖も解消。機材探しに悩むのが馬鹿馬鹿しくもなってきます。少なくとも自分は多くのものを得た実感がありますね。

 

論より証拠。まずはとにかく実際にやってみることを推奨します。

 

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