【ベース談義】太い音の出し方を考える (21)休みすぎると肉と皮膚は衰える

太い音の出し方を考える (21)

 

意外と変わる指の感覚

 

「休む事も大切!」

 

このブログでもよく言っていることであり、休息は本当に重要なものだと考えます。ベース、楽器に限った話ではなく、世の中の雰囲気も流れも変わりつつあるのを感じるところ。

 

一方、指の状態というのは、けっこう簡単に変わってしまうような印象があるのも、正直な話。自分はベースを20年以上弾いている為、すぐに水ぶくれができるとか痛くなって弾けなくなるなんてことはさすがにないですが、何かしっくり来なくなることはありますね。ベースをまったく弾かない日は本当に少ないけれど、不思議と感覚が変わったような、弾力がいまいちになるような、間を置くとそんな印象を受けることはあったりします。

 

皮膚や肉のサイクルなんてのも存在するのでしょうかね?そんなすぐ変わるわけはないだろうけど、何もしてない時と弾き続けている時ではやはり、出来上がるものが違うような感じはあるかなと。

 

こなれてるとやっぱり安心する

 

当然の話ではありますが、あまり長く間を置かない方が指のコンディションの把握は楽ですよね。全然弾いてなかった状態からいきなり長時間弾くよりは、血液も神経もよく通ってる感覚の方がいい。皮膚が滑ってしまうような、肉が必要以上に食いこんでしまうような、そのあたりの弾力や感触が把握できてないのはよろしくない。

 

これについては爪もそうかなと。個人的にですが、切った直後というのはいまいちに感じるところ。かなり深めに切る方だというのもありそうですが、なんかこう、鍛えてない弱い肉と皮膚が当たるようだと、やりにくいものがありますね。あえて指をそうやって作っていくなんてことならともかく、本番直前に深めに爪を切るなんてのは絶対やらないようにしています。できれば感覚は変わってほしくない。いつもの慣れた指で弾きたい。

 

疲労を自覚しているようなら休息を挟んだ方が良いのは間違いない一方、すぐには取り戻せないほどに指が変わってしまうのも考えもの。技で何とかすることもできるとは思いますが、太い音を出したい、ベースらしく安定させたいのであればやはり、違和感が発生しないぐらいの管理を心掛けた方が良いかとは思います。

 

指のコンディションの完璧な維持や両立は難しい

 

科学的に厳密に変化しているのかは不明な今回の話。ちょっと弾けばすぐいつもの感覚に戻ったり、気のせいレベルの話であることも否定はできません。ただ、肉体的な問題や衰えが本当にある場合、それをすぐに取り戻すのが難しいのは確かなことでしょう。

 

必ずしも猛練習する必要はないし、皆が皆、毎日のようにライブ漬けなんてこともないであろう世の中。となると、技や根本的な感覚は忘れずとも、体が仕上がらずに微妙な状態になるということは十分に考えられます。

 

と言うか、実際ありましたね。一時期、アップライトベースの方に手を出したり、ギターも弾けるようになろうとしていたことがありますが、どうにも自分の好みの指から遠くなっていくような印象があり、どちらもやめてしまいました。

 

もちろん、理由はそれだけではないのだけれど、いざ一番弾きたい楽器を弾いた時に違和感が出てしまうのが辛かったのは確か。皮膚が硬質化してしまうと、それだけ好みの弾力が得られなくなるように感じたり、音も変わってしまうような気がして、どうにも納得ができなかった次第。

 

「神経質なだけ」とツッこまれたらそれもそうなんですが、実に繊細、変化もするのが指というものなんじゃないかと感じます。

 

怪我は治した方が良い 衰えたら鍛え直した方が良い

 

怪我をした場合、それはもちろん、集中的にでも治した方が良いのは間違いありません。水ぶくれが酷い、ばっくり裂けちゃった、オーバーワークにも程があるなど、そこで無理をするのが良いとも正しいとも思いません。疲労や怪我は回復させるべきであり、心身共に休息は必要なもの。

 

一方、明らかなや衰え、それに伴う違和感に関しては話が別。地味にでもゆっくりでもいいから、まずはしっかり楽器を認識、把握、感覚を取り戻した方がいい。爪の長さも含め、しっくる来るポイントを取り戻すべき。すぐに指が痛くなってしまうようでは、優れた技術もセンスもくそもなし。フレッシュで生きた状態かつ、積み重ね練り上げた指の方が良い。

 

こればかりは本当、都合良くどうにでもなるとはいかないように感じますね。特にベースという楽器は、そのあたりの影響の大きさが無視できないものだと痛感。ある意味、肉体が生きてる証拠そのものとも言えそうですが、だからこそ、サボるとそれが露骨に出てしまうのかと考えさせられるところ。

 

休むのは大事だし、一度身に付けた技術や記憶がそう簡単に失われることはないけれども、指先の皮膚や肉に関して言えば、最低限の維持は心掛けた方が良いでしょう。三か月弾かなくったって、大きく衰えることはないであろう自信はありますが、良い状態の指を維持できている自信はまったくありません。いつ弾こうが弾くまいがびくともしないぐらい、ベースを操る生き物として強くなってしまうのも有りだけど、なかなかそう上手くはいきませんよね。

 

何もせずとも腹筋がバリバリ割れてる、100mのタイムが10秒台、フルマラソンの完走もできるなど、自らをそんな例外的な生物であると認識している人はほとんどいないはず。 だったら、 指のコンディションを気にかけるに越したことはありません。動きはスピーディーでスムーズでも、肝心の出音もタイミングもピンと来ないなんてのはよろしくない。

 

肉も皮膚も自由に確実に扱える状態。

そんな指にしておきたいところ。