ジャズベを考える
PU位置が良い
非常に重要なポイントなのがこれ。好みの違いはあれど使えない音はほぼ存在しないのがジャズベ。フロントでもリアでもミックスしても『使える音』が確実に出てくれます。
このあたりやはり【レオ・フェンダー】って人の凄さを感じるところ。干渉が絡んで実に厄介な2PUのミックス。下手すればどのポジションもグズグズになる可能性もあるから怖い。そんな中「全部使える!」ってのが見事。
リアPUにしてもカリカリに痩せ細ってたりピーキーで使い物にならないことはなし。うるさい帯域が気になるようならトーンを絞って調整すればいいし甘い音も繊細な音も自在。
フロントについても超ブーミーでボワボワなんてことにはなりません。ミックス前提でもあり単体でも使えるバランスが本当に素晴らしい。
このPU位置が好きになってしまうとなかなか他に手が出なくなりますね。ベース選びの際、弾くまでもなくPUの位置を見ただけで自分に合わないことが分かるようにもなるかもしれません。
実際、60年代ジャズベースから大きく外れたPU位置は自分は苦手です。
ボディがでかい
ソリッドボディでフェンダー系を遥かに超えるサイズのものは恐らくほとんど存在していないはず。あってもボディは高確率で薄くしてあると予想します。
やっぱりラージサイズのボディの鳴り方とサウンドって良い。余裕があると言うか、ふくよかと言うか、無駄にブーストする必要を感じません。弾き込むば弾き込むほど、またさらに良い音になっていくのも醍醐味。
また、ラージと言ってもその大きさ具合が実に絶妙。小型にするほど楽かと思いきや意外とそうでもなし。しっかり体を預けられる意味ではラージの方がむしろ安定したりもするから奥が深い。
プレベとはまたちょっとシェイプが違うのも一つのポイント。あの非対称シェイプが独特の弾き心地と鳴りを生んでいると感じます。
エレクトリックと言ってもただの板っきれではありません。
『生の設計から美味しい』
これがジャズベの魅力、実力の要因だと考えるところ。
ヘッドが長い・重い
過剰な共振やデッドポイントの原因にもなったり、設計が難しいのがヘッドという部分。完璧なバランスを求めるのであれば、フェンダースタイルは正直、欠点も多いものだと思います。
ただ、その欠点がまた何とも「味わい」をもたらしている気がするから困ってしまう。良い感じに減衰、絶妙にふくよかになる面が絶対にある。
ヘッドの片側だけにペグがあるとか、1弦側がやたら長くなるなど、そんなの本当は良いはずがないんだけど、そこも含めて美味しさが生まれてることが考えられます。
逆にヘッドがコンパクトな場合、なんとなく淡白になる印象があったり、鳴り方が綺麗にすっきりしちゃう感じがあったりしますよね。ヘッドレスなんかはその究極。
ヘッド落ちを防ぐのはもちろん、全体の鳴りのバランスを取る意味でも、ヘッドが大きく重いことが不利になりそうなのは間違いありません。でも、そこが絶妙に絡み合うからこそ、真似のできない魅力にも成り得るのだから面白い。
欠点ではなく、
『個性』
これになっちゃうのがずるい。
それでもどうしてもヘッド落ちが嫌ってことであれば、ゴトーのジュラルミン製ペグにでも交換してしまえばよい。規格の確認は必要ですが、交換できれば意外なほど楽に扱いやすくなります。
コストダウンできる
『定番』って意味は様々な面において大きい。膨大なデータから設備から何から作る方としても楽なはず。変わった木材を使うとか付加価値があまり求められていない面もあってか、成金的な超高級路線には安易にできなそうなのも面白いポイント。
変なところに手を出さない分、良心的な工房などであれば材も厳選したり精度を高めたり、まずは『優れた楽器』を作ろうとするでしょう。もっと淡白に言うなら『優れた道具』を作ることに集中するのではないかと。
実用的でありお買い得でもあるベースを探すとなるとやはり、まずはジャズベースから探すのが正解な可能性が高い。
実際、自分が通っていた音楽学校の恩師などはフェンダーのアメスタで普通に仕事をしてました。それで超ごん太なサウンド、グルーブを叩き出すからびっくり。20万円前後だったのかな?特別なことなど何もないベースでしたが、それでもう十分なんですね。
超限定仕様だのおかしな方向に進んでいった場合、すぐ倍の値段とかになっちゃうから困ります。「高くする為に色々する」って感じのは駄目。もしも『超高級ジャズベース』なんてものがあったとしたら疑問を持った方が良いでしょう。
「何がそんな高いの?」
って。
ルックスが良い
これは本当に大事。
「それが全て!」
と言って良い気すらします。
まぁ、それは半分冗談としてもあの完成度はやはり只事ではない。機能美の到達点ってものなのかもしれません。ベースを演奏する上で必要なものが全てそこにある。
一つの楽器とジャンルとして完成されすぎていると言うべきか?それ一本使いこなせたらもう何でもできるであろうポテンシャルが詰まってるから凄い。
「ルックスがいい」と一口にしてもジャズベースのそれには実に多くの意味があると実感。真に優れた楽器、文化的な存在と言って良いんじゃないかと。
その音と一緒に生きてきちゃってる
世の中の大勢の人が、
「これは良い音だ!」
と認めちゃってる事実には逆らいようがないものがあります。問答無用でそういう歴史がもう出来上がっちゃってますよね。
どんなに「ジャズベは嫌いだ!」と言っても、「ジャズベが使われている音楽」を普通に聴いているはずですし、それを知らずとも勝手に耳に入ってしまっていることでしょう。
『人類規模』
このレベルで認められている楽器と言っても過言じゃないのがジャズベース。文化として定着した存在。だからこそ存在そのものを否定するのは厳しいと言わざるを得ません。
ジャズベが使われている音楽に一度たりとも触れたことがない、耳に入れたことがないなど、エレクトリック楽器が使用されている文化圏に住んでいればほぼ有り得ないんじゃないかと想像。
人間のために突然変異的に現れ具現化した存在、
それがジャズベース。
元アンチフェンダーだった人間としては悔しい限り。
弾きたくないけど認めるしかない素晴らしい楽器ですね。
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