縦振動のタッチの研究 (33) 急がば押せ、急がば回れ、急がば続けよ 

なぜ垂直に押し込めないか?

 

先日の話の続き。

 

弦を垂直に押し込むことを意識しているにもかかわらず、実際にやってしまう行動は横や斜めに引っぱることだという矛盾。

 

その原因や対策について探っていきたいと思います。

 

順番を間違えている

 

まず言えそうなのは、垂直云々や方向の話以前に弦をまともに押し込むことはおろか、そもそも動かすことすら出来てないのが問題だと考えます。

 

弦を押そうとする前にもう弾く段階に入ってしまっている場合、当然ながら力の方向は定まらなくなりますし、いとも簡単にぶれることにもなってしまうでしょう。

 

どんなに押し込むことを意識しようが、すぐ弾こうとするその癖の方が勝ってしまう印象が強い。 

そして結局、弦を引っぱってしまうのだと想像します。

 

また、弦の振幅の大きさを理解していない、イメージもできていないようだと、粒も揃わないしダイナミクスを揃えることも難しくなるはず。

 

それを見直すためにも、華麗な技術などの習得はひとまず置き、

 

弦を鳴らそうとする以前にまずはきちんと押し込む

・弦を振動させる為の準備を徹底する

・指を抜こうとする、通過させるのは本当に最後

 

それぐらいゆっくりに考え、地道に確認しながら取り組むべきではないかと考えます。

 

急がば回れならぬ、「急がば押せ!」ですね。

 

指を伸ばしっぱなしでは加速できない

 

まずは徹底して押し込むことを意識するのも良いですが、実は問題点もあります。

 

そこに力を入れようとするあまり、押し込む時点で指がピンと伸びていたり反り切ってしまっているようだと、肝心のタッチのスピードが得られなくなってしまうことが考えられる。

 

イメージ的に正しいかどうかは分かりませんが、たとえばの話、バットをフルスイングするとして、最初から腕を伸ばしっぱなしにしていたらどうなるか?

 

腕を伸ばしたまま溜めをつくったり、強力なスイングスピードとインパクトを得るというのはかなり困難なはず。

それだけ無駄な力みに繋がったり、単純に疲れもしてしまうことでしょう。

 

それと同様、指をピンと伸ばしたり反らすというのは、想像以上の負担に繋がるものです。

その状態を維持しようとしたり、基本フォームにしようというのはやはり、あまり理に適っていないと感じます。

 

また、フィジカル的にあまりに弱すぎたり、弦を押し込む時点で力を使い果たし消耗しているようでは、縦振動のタッチを実践的に身に付けることは厳しいかもしれません。

 

これは本当、日頃の積み重ねこそが物を言う問題ですね。

 

急がば回れ!」ではないかと。

 

基礎とは通過して終わりというものではない

 

「課題をクリアしたら次のステップへ!」

 

と、段階を踏んで人は成長していくものだと思う一方、「もう出来てるんだからやる必要はない」と奥を見ようとしなかったり、切り捨ててしまったりなど、それは考えものですよね。

 

「基礎は完成してる!」と思い込んでいるほど、実は意外なほど脆かったり、そもそも、基礎なんかぜんぜん固まってなかったり、よくありがちな話ではないでしょうか。

 

何をもって基礎とするのか、その定義付けも難しいものかもしれませんが、少なくとも、「通り過ぎ忘れる存在・飽きるもの」ではないと自分は考えるところ。

 

・誰にでも出来ること

・出来て当たり前のこと

・特に珍しくもないこと

 

それをいかに高められるか、己の血と肉、骨にできるか、それが基礎という存在なんじゃないかと思う次第。

 

誤解を承知で言うならば、縦振動のタッチを特殊な奏法と認識する必要などないでしょう。

 

先日も話しましたが、

 

「弾き方で音は変わる」

 

それだけのこと。

 

でも、「それだけのこと」がなかなかできない、高められないものなんですよね。

これは恐らく、一生つきまとう問題であり、生涯をかけて取り組んでいくべきことなのだとも認識しています。

 

「急がば続けよ!」

 

これではないかと。

 

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