ポングとベース

ベース楽しむ人生を

縦振動のタッチとレスポンス

『タッチレスポンス』という言葉をジラウドではよく聞く事になるかと思いますが、自分でどう説明したものかといざ考えてみると、これが意外に難しい。

 

デジタル機器を扱っててタイムラグなどを認識した場合、恐らくは多くの人が気持ち悪い印象を覚えるかと想像します。

弾いた瞬間に音が出て欲しいのにどうも遅れて出てくる様に感じたり、こちらがイメージしてるタイミングとは完全にズレていたり、そういった違和感に遭遇した事がある人は結構いるのではないかと。

例えばワイヤレスとかでも、レイテンシー(遅延)がどうのって話がよく出てくるはず。

今回のタッチレスポンスの話についてはとりあえず、そんな感じのイメージをしてもらっておくと良いかもしれません。

 

そして、それの何が問題かと問われたら、「そりゃ大問題だろう!」としか言い様がないんじゃないかと。

極論を言えば、16分音符ズレて出てくるとか8分音符ズレてるとか、そんなもの演奏のしようがないだろうとツッコミたくなるところ。

そこまで計算して弾ける人がいたとしてもまぁ、どう考えても無駄な労力なはず。

どんな状態でも無意識に補正してグルーブ出来れば確かに本物かもしれませんが、余計な足枷もなく自然に弾きたいなら、遅延なんか無い方が良いに決まってる。

その僅かな差が命にもなってくるであろうグルーブにも影響をもたらすはずですし、1秒にも満たない世界での勝負になると考えれば、レスポンスが遅いという事は致命傷にすらなりかねません。

 

ところが、不思議とこの世の中、その音の出方が遅い楽器が溢れていたり。

デジタルでも何でもなく、ナチュラルにレイテンシーが起こると言いますか、恐ろしいぐらいに立ち上がりが悪かったり、反応がよろしくない物が多く存在するのが現実。

前述の様に、それを自分の感覚で無理矢理に補正して弾いてる人も多い印象。 

 

「もっと速く音が出れば良いのに」とか「もっと楽に音が抜けてくれば良いのに」など、そういった余計な負担や労力は実はかなりのものなんじゃないかと想像しますし、少なくとも自分にとっては、結構なストレスの要因になります。

 

特にベースという楽器は、低い周波数帯を如何に高速に再生するか、それが大きな鍵になってくるはず。

いくら高い帯域をブーストしたり、アタックを演出したところで、肝心のボトムがかったるく遅く立ち上がるのでは、アンバランスな音になってしまいます。

 

ゆったりとした音の伸びが効果的になったり、それが味わいとして良い感じになる場合も勿論ありますが、グルーブに悩んでいたり、音の立ち上がりや抜けに悩んでいたり、そういった人がレスポンスの悪い楽器を使っていたら、やはり、かなりの問題なのではないかと。

そんな不要な苦労なんかしてないで、素直に楽器の選択を見直した方が絶対に良い気がする次第。

ナチュラルにレイテンシーがある様な物を弾いているのは辛いです。

 

グルーブというのは本当に奥が深く、ただでさえ一生悩み続ける可能性もあるのに、自分がイメージした通りのタイミングで音が出ない楽器で頑張ろうとするのはちょっと・・・

勿論、そこから叩き上げ、独特のグルーブを生む人もいるとは思いますが、自分の好みとは実は違っていたり、スタイルに適合しなかったり、そんな相性の悪い楽器に気付かず苦労するのが良い事とは思えません。

 

どんなに値段が高かろうと超一流のプロが使っていようと、そんな事は関係ないはず。

自分が出したい音が出ないだけでなく、タイミングまでズレていては意味がない。

グルーブの事を考えればむしろ、そのタイミングこそが最重要ではないかとすら感じるところ。

 

タッチレスポンスが良いと音を出すのは本当に楽になります。 

縦振動のタッチで弾くにも、他のタッチコントロールで弾くにも 、その反応の良さが有るか無いか、それで面白味は全く違ってきてしまいます。

弾き方で音が活き活きと変わる楽器とそうでない楽器、当然、前者の方がタッチによる音の変化を瞬時に感じられますし、 それだけ音も前に出てきて抜けてくるはず。

音抜け感を演出する為、仕方なく高域を持ち上げるなんて必要も無くなってきますし、縦振動のタッチで弾ける様になればボトムも高速に立ち上がり、リズムもプッシュ出来る様にもなってくるのではないかと。

 

ギターの切れ味鋭いカッティングや、ドラムのハイハットの刻みなど、そういった立ち上がりの楽器に対しベースの音が遅れるのは、ある意味では当然の話。

対抗する様にベースもスラップしたり、ピックでアタックを出そうなんてするかもしれませんが、それが好みでないという人も沢山いるはず。

普通の指弾きでボトム豊かかつ、ガンガン前にプッシュしていくのは、やはり相当に難しいものです。

正直、どんなに反応の良いベースを使っていても根本的に難しい話なのに、それをレスポンスの悪い物で必死に頑張るってのは並大抵の話ではありません。

 

色々と諦めてしまうのであればまぁ、例えばロックなどでの場合、ギターの刻みに対しベースは低音を補佐する為だけにいるとか、それでも良いのかもしれません。

しかし、それはかなり悲しい話だと思いますし、縁の下の力持ちと落ち着くのも個人的には抵抗があります。

バンドの為とかサウンド重視と言うならばこそ、独自の存在感があるべきかなと。

そこに甘んじたくないなら、タッチレスポンスについて真剣に考える価値は絶対にあると思います。

 

指を弦に叩きつけバキバキ弾くにしても、レスポンスが速い方が絶対に有利。

上の帯域だけ速くて下の帯域はもっさりとか、それだと結局は埋もれるし、ボトムから何から、全帯域が高速に立ち上がってくれた方が望ましい気がするところ。

瞬間的なアタックと立ち上がりが命になるのに、そのレスポンスに拘らなくてどうするのかと。

様々なタッチを駆使しているのにもかかわらず、違いが大して生まれないのは悲しい話ですし、反応の悪い楽器による音のタイムラグは、本当に致命傷にもなりかねません。

 

この辺はホント、先日の話からも続く様に、アンプシステムの選択も非常に重要だと思います。

しかし残念ながら、楽器もアンプも遅い物が溢れているのが現実。

そこに加え、エフェクターなども通し、余計な物を追加するのが当然な方法になってるのも怖い話。

 

いくら機材を探しても理想の音にも存在感にも辿り着けないと感じる人、いくら練習しても上達を感じられなかったり成長が止まったままと落ち込む人、それって実は、楽器のレスポンスが大きく関係してる可能性も、否定は出来ないかもしれません。

努力した結果が出てこない楽器ほど悲しく疲れるものもない気がする次第。

 

そして、縦振動のタッチの習得に真剣に取り組むのなら、タッチレスポンスについて意識した方が絶対に良いはず。

グルーブに悩むにしても音抜けに悩むにしても、それが大きな突破口になる可能性は十分にあると思います。