縦振動のタッチの研究 (34) 人間ではなく弦に頑張ってもらう 

発想を変えてみる

 

「より太く大きな音を出す!」

「より速く立ち上がるにようにする!」

 

なんて意識するとついつい力みがちになったり、指の使い方もおかしくなりがちなもの。

 

力任せに弾けば当然、弦は暴れてフレットや指板に不要にぶつかってしまったり、かえって音痩せに繋がってしまうことにもなります。

 

そこでちょっと発想を変えてみるのも面白いんじゃないかと思いました。

完全にイメージの話になってしまいますが、無根拠な提案でもないはず。

 

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指と弦のリレー 弦にバトンを渡す

 

いきなり意味が分からないことを言っているかもしれませんが、とりあえずはこのイメージをしてみると良いんじゃないかと。

 

まず例のごとく弦を垂直に押し込みます。

とにかくここが命であり、最初から方向を誤っていてはいけません。

 

まったくの無力で押し込むというのも難しいので、ある程度のフィジカルトレーニングが必要であるとも考えます。

 

で、人間が頑張るのはここまでと考えてみましょう。

後は弦にそのままスムーズにバトンを渡して頑張ってもらいます。

 

弦振動というのは結局のところ、弦が元位置から意図的にずらされた後、そこに戻ろうとすることから生まれるものですから、それを妨害しても意味がないと感じるわけです。

 

綺麗にバトンを渡せれば、弦は垂直にそのまま飛び出す(戻る)ことができる。

 

一方、バトンを渡し損ねるようにそこでもたついてたりしたら、それだけ加速もできなくなるし、スタートダッシュに失敗することにもなってしまう。

 

活躍するのも頑張るのもあくまで弦であり、人間はそのアシストをする・繋ぎの役割を果たすという、そういう発想で弾いてみるのも面白いんじゃないかと。

 

加速がつくように弦の背中をずっと押してあげようとか、一緒にバトンを持って手を繋いで走ろうみたいなことをやってるから上手く行かない。

 

そんな風に考えてみると、またちょっと見方が変わって興味も湧くところ。

 

実際、関節の柔らかい人などの場合、指がしなりすぎていつまで弦に張り付くようになってしまい、それでスピードがなかなか出せないということがあったりします。

 

弦振動を後付けで増幅するのは不可能

 

一度振動を始めた弦にさらなる振動を与えて増幅する。

まぁ、これってどう考えても不可能なことでしょう。

 

振動している弦に指でもピックでも触れれば、その時点で抵抗が生まれ弦振動は止まってしまいますし、もう一度振動を新たに起こさなければなりません。

 

トレモロ奏法なんてのも、高速に微量に音量を変化させているからそう聴こえるのであって、一回の弦振動そのものをコントロールするというものではないですよね。

 

E-BOWなんて道具もあったりはしますが、この場では触れるだけ野暮というもの。

 

最大音量・最高の低音を出したいと思うのであればやはり、弦が振動を開始するまさにその瞬間にかけるしかない。

 

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弦のスタートダッシュに協力してあげる

 

その肝心の瞬間を変に妨害するから音が細くなる、立ち上がりが悪くなる、音量も落ちてしまうなど、様々な弊害が発生することになってしまうのでしょう。

 

まぁ、変な話、自分自身が弦に対する嫌味な上司とか同僚、足を引っぱろうとするおじゃま虫か障害物にもなってしまうわけですね。

 

そうではなく、弦に素直に協力して頑張ってもらう。

どうやって直線を突っ走ってもらうか、最高のスタートダッシュを決めてもらうかと研究する。

 

そうやって自分が何をすべきか、理想をどう実現するか、より良い音をどう出すべきかと向き合うことで、音はまた確実に変わってくるのではないかと考える次第。

 

具体性の欠片もない話ですが、弦振動に対する深刻な妨害・非協力的なタッチというのは、とても数多く存在していると感じます。

 

それかある意味、「自分が頑張りすぎのタッチ」というものが多いとも言えるのかもしれませんね。

 

生楽器としての意識を持つことも大切だと思う一方、電気楽器であるという面を無視するのも本末転倒なのがエレクトリックベース。

 

暑苦しい熱血も悪くはないですが、もうちょっと冷静になって弦のポテンシャルを引き出し、それを増幅することを意識するのも悪いことではないはず。

 

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