楽器の選択が大事
縦振動のタッチを習得するにあたって効率を求めるのであれば、これはやはり、タッチによる変化がちゃんと表れてくれる楽器を弾くことが重要になります。
反応が鈍くさかったり希薄なものだと練習だって面白くも何ともありません。
地道に長く続けていく必要があるからこそ、その積み重ねや成果を確実に実感できるものを選んだ方が絶対に良い。
自分の音が太くなったり、だんだんと良くなっていくから楽しいのであって、変化も結果も出ず、ただ単に修行や苦行みたく続けるのは厳しい話です。
一番分かりやすいのはOPB
ジラウド店内で実際に縦振動を習った経験がある人はよく知っているかと思いますが、まずはOPBを弾いてみるのがおすすめ。
とにかく磁界が限定的であり、ピンポイントに弾かないと良い音がしてくれません。
タッチが甘いと悲惨な出音になります。
ジラウド製ではありませんが、自分もOPBを購入して必死に練習した時期があります。
このベースで太く立ち上がりも良い音を自在に出せるならば、相当にタッチコントロールができていることになるでしょう。
普通のジャズベも良い
OPBではあまりに極端すぎて実戦で使うには辛いという場合、シンプルなパッシブJBなどを弾くのもおすすめです。
これもやはり、基本的な力量が問われる楽器なんじゃないかと。
ただ、そのJBにもいまいちなものは多いので注意が必要。
無駄に個性を主張したり、変に凝ろうとしたアクティブJBとかジョイントを貧弱にしたやつはいまいちな印象。
大抵は劣化させてショボくなるだけなので、ごく普通スタンダードな方が良いと感じます。
2PUとトーンの組み合わせでも幅広く音作りは出来ますし、そこに強力なタッチも加わってくれば、それだけで十分やっていけるサウンドを出せるようになるはず。
EQやコンプ、エフェクターなどに頼る必要もなくなるかもしれません。
普通のプレベも良い
OPBは勿論、JBでもちょっと辛いなんてことであれば、PBを弾くのでもとりあえずは良いんじゃないかと思います。
磁界が広がると言いますか、タッチに対しても寛容になってくる印象。
それでも、「アクティブ楽器しか弾いたことがない」とか、「音の太さはプリやエフェクター任せ」なんて場合、そのシンプルさが非常に手強い存在になってくるはず。
1PUという、ある意味ではJBより難しい面がありますし、一本弾きこんでいってみれば、自然とタッチの方もかなり鍛えられていくことになるのではないかと。
良いパッシブ楽器を使いこなす
パッシブ信仰みたいなのは個人的には嫌いですが、しかし、定番のパッシブ楽器をまともに鳴らせないなんてタッチではまずいと思うのも事実。
それで個性だのこだわりを主張しても正直、あまり格好いい話ではないような?
当たり前のように自分の手で鳴らせるに越したことはないでしょう。
ただ、パッシブ楽器の場合、アンプの入力インピーダンスに左右されてしまったり、環境によっては本当に酷い音になったりもするから、その点には注意が必要。
その対策として、良質なバッファでも一つ持っておくと効果的です。
変にこじらせ、無闇なパッシブ信仰を持ったりするのもどうかと思いますし、ちゃんと現実的な対処もした方が良いでしょう。
タッチが問われるのに結局は機材任せになってしまうようでは本末転倒。
音が細いとかパワーがないからと高出力のPUに交換したりとか、それでアクティブ嫌いとかパッシブ愛好家を公言するのも微妙な話。
また、ネックが弱い、ボディもスカスカ(重量の問題とはまた違う)なんて場合、楽器本体がぜんぜん鳴らない可能性が高い。
肝心の低音がまったく出てこないのではまったく面白くないので、やはり、ある程度のラインはクリアしたものを選択すべきかなと。
環境作りが大事
楽器もアンプもそうですが、出てこないものを一生懸命に鳴らそうとしても変化がなくつまらないだけ。
まずは良いシステムを体験することから始めるのが一番でしょう。
何度も言うようですが、タッチに対する反応も変化もないってのは本当に辛い。
オーディオなどでもそうなのかもしれませんが、粗末なシステムに触れているのが常なのであれば、音というのものをオカルトや宗教扱いをするのも仕方のないことかと考えるところ。
どうやっても変化の実感ができないんだから、そりゃ胡散くさく見えるんだろうなと。
しょーもない安物楽器とミニアンプの組み合わせとか、PCとヘッドホンに浸って楽器を鳴らすのが日常なんてことであればまぁ、感覚がどんどん鈍くなっていくだろうなと想像します。
ただ、それは言ってて悲しくなるような?
縦振動に関する話が誇張とか眉唾に思えるのであれば、何となく察するものがあるかもしれません。
縦振動やタッチコントロールの話に限らず、練習の成果をより実感したいのであれば、これはやはり、環境を整えることが重要だと痛感します。
下手な部分も上手な部分も素直に正直に出してくれるものを使うと絶対に違います。
ちゃんとしたシステムでOPBを鳴らすと、ま~、超悲しくなるか楽しくてたまらなくなるか、極端に体験できて面白いですよ。
めげずに練習していけば、自分の音がまったくの別物に変貌していくのが分かります。
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