ポングとベース

ベース楽しむ人生を

縦振動のタッチとフレット

縦振動のタッチを実践・実感するにおいて難しい楽器がある。

以前のエージングの話と同じ事を言う様かもしれないが、

24フレット以上や低弦高のセットアップの楽器だとかなり厳しくなる印象。

単純に弦がフレットにぶつかってしまうリスクが高くなる事と、

弦を押し込む事が物理的に難しくなるのが条件としてよろしくない気がする。

 

フレットにぶつけてアタックを出すのが縦振動だと解釈される事もある様だが、

自分が教わったのと考えている縦振動はその対極にあるかなと。

弦が暴れてフレットにぶつかった時点で肝心の基音は小さくなってしまう為、

低音は確実に痩せて出力される事になると思うし実音も希薄になる。

バチバチと派手には聞こえそうだが見せかけの音になりがちな様に感じる。

縦振動が身に付いてくれば太い音になりつつバズも無い音になっていく。

と言う事はフレットも擦り減らなくなるし実は楽器に対するダメージも減る。

最大音量を得る為に最終フレットに触れるぐらいにまで押し込む事はあっても、

そこから乱暴に指を振り抜き弦を暴れさせる様な事はしない。

やるとしてもそれはまた別のタッチと言うか別の表現方法ではないかと。

 

そんな理由からフレット数が多くなる事と低弦高にはリスクも伴う印象。

楽器の鳴り方としてボディ鳴りを得にくくなる面もあるかもしれないが、

根本的にタッチコントロールが難しくなる事も大きい様な気がする。

これは縦振動における問題だけに限った話ではないと思う。

そういった条件の楽器で全くバズも出さず強力な音を出すのは本当に難しい。

バズもお構いなしで低音はプリアンプで作るなんて考え方もあるとは思うが、

大体の場合はアンサンブルでは弱かったり迫力ある音にはなってくれない。

コンプやプリなどにいくら拘っても大本になる弦振動が弱いのでは厳しい。

声量が全く無いのをマイクでどうにかしようというのは本末転倒の様な。

 

より音域を広げ演奏の可能性を見出すのは素晴らしい事だと思う。

高い技術の習得に伴い快適な演奏性を求める事も当然の話かもしれない。

低弦高でもバリバリに問題なく弾きまくれる人はいるだろうし、

それでドッシリとボトムを支えている人もちゃんといるはず。

しかしあまり根拠も無く楽器を選択肢し苦労している人も多い気がする。

ほとんど高音域は使わないのにリスクだけ増えるなんてのは勿体ない。

基礎を考えず表面的な弾きやすさを求め音が痩せるなんてのも頂けない。

「人と違う事を!違う物を!」と考えるのも物凄くよく分かる話なのだが、

スタンダードやシンプルな良さが存在するのも確かなんだと感じる。

特に太い音を出したいのであれば尚更それを見直した方が良い様に思う。

 

また、これはベースにおいてもギターにおいてもそうかもしれないが、

過剰にフレットを増やす事でPUの位置が不自然になる事も問題だと感じる。

以前にも話したが2PUのミックスというのは非常に難しい印象がある。

その辺りについて考慮されてない物は音が痩せるだけになってしまう気がする。

選択肢が増える事が必ずしも明るい可能性に繋がるとは限らない。

自分にとって合理的で相性の良い楽器を見極める事は非常に重要なはず。

縦振動の練習をするにも全く反応しない様な物を手にして挑むのは厳しい。

 

そういう意味ではフレット数というのは意外に厄介なものなのかもしれない。

自分は21フレットの物を愛用しているがそこから増やそうとは思わない。

たった3つ増やすだけでもどれだけ音が痩せるか合わないか分かっている為、

24フレットに手を出す事は無いしやるにしてもフレットレスになりそう。

そしてたぶん本当にJBやPB系が好きな人は無意識にでもそう認識してるはず。

特にスラップ派なんかはその辺りにうるさい人も多いんじゃないかと。

縦振動を意識せずともフレットが多い物が苦手な人がいるのは非常に分かる話。

楽器本体もタッチも含め想像以上に影響があるんじゃないかって気がする。