マーカス・ミラー 目次
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マーカス登場前と登場後
そこでスラップベースの歴史が変わってしまったんじゃないかってぐらい、とんでもない影響力を持っている人でしょう。
と言うかスラップに限定せず、「ベース界そのもの」とすら考えてもいいのかもしれません。
使ってる楽器にしてもそうですが、どれだけの人がこの方のプレイとサウンドに憧れたのか想像もつきません。もちろん、自分もマーカスにはぶったまげました。
なんかもう、洒落たスラップとかセンス良い美味しいベースとか、この人が全部持っていっちゃった感すらあります正直。
K1のアーネスト・ホーストじゃありませんが、
「ミスター・パーフェクト」
って感じ。
技術にしてもセンスにしてもあまりに上を行っています。ちょっと聴けばすぐマーカスと分かるサウンドとスタイルもお見事。
それでいてちゃんとベースらしいポジションにも落ち着ける。おまけにルックスも良いしスター性も抜群。
なんじゃそりゃ!
マーカスっぽくなる恐怖
たとえばの話、ジャズベースを使ってスラップをしてみます。
そこでちょっとメロディックな感じを狙ったりとか、マイナーペンタトニック系のフレーズを格好良く決めようとします。
すると、
「マーカスやん!」
ってなっちゃうんですよねぇ~。
意識していようがしていまいが、もうそれっぽく聴こえてしまう恐怖。
当然、マーカスの方が超上手いしセンスも良い。こっちは劣化マーカスもどきにしかなりません。酷い話ですが現実です。
で、マーカス以上のことをやろうとしても音楽的な必然をもはや感じなかったり、技巧のひけらかしみたいに聴こえてしまうという恐ろしさ。
なんでしょうね~?人間が格好良いと思う絶妙なポイントとライン、そこを完璧に持っていっちゃってるってことなんですかね~?
結局、マーカスのフレーズとサウンド、そのバランスが完璧すぎてなかなか手が出せない感じ。本人が弾くのが一番良いに決まってるという、そのあまりの偉大さとこっち側の悲しさ。
洗練されたスラップを狙ってマーカスっぽさを避けることはできるのだろうか?多くの人の憧れであると同時に呪縛のような存在でもありますね。
The Sun Don't Lie
マーカス入門と言ったらまずこのアルバムなんじゃないかと。
スラップと言うとガテン系なイメージがつきやすい面もありますが、マーカスのプレイってのは本当に洗練されてて都会的でお洒落ですね。
それでいて音に妙に艶があったり生々しく力強かったり、美味しいところを持ちすぎてて困ります。
一発目の【Panther】からしてもうすでに「物が違う感」が出ています。
個人的なお気に入りを言うならば、【Rampage】なんかは誰でもコピーしてみたくなるんじゃないかってぐらい、スラップが分かりやすく格好良い曲ですね。
後、ジャコのファンとしては外せないのが【Teen Town】でしょう。あの曲をスラップでやってしまうという、その世代とか知ってる人ならブッ飛ぶテイクですね。
いや本当に恐ろしいです。あれでもう次に何をやっても「マーカスの後追い」です。美味しいところを持っていかれちゃってます。
でもって、スラップとはちょっと脱線するようですが、実はこの人、フレットレス弾かせても超上手いんですよね。
このアルバムの中でもフレットレス弾いてますが、ジャコの影響はありながらもこれまた完全に自分のスタイルとサウンドを確立していて脱帽。
あまりに凄すぎます。
もはや憎らしいってぐらいに素晴らしいベースプレイヤーです。
歌物・バッキングも超上手い
「上手いだけのベースなんかつまらんよ」
なんて声が当てはまってしまうような、技巧の方に比重が行きすぎなベースプレイヤーも多い世の中。
正直言って、マーカスのソロアルバムにもそんな印象を感じるかもしれません。確かに凄いんだけど、ちょっとやりすぎ感があったり飽きちゃうところもあるなと。
ベースに興味のある人にしか受けないかな?なんて疑問符が出たりもする。
ところがどっこい、マーカスって他のミュージシャンのサポートとかに回るとめっちゃ良いんですよね。
個人的にはむしろそっちの方が好きと言うか、あまりにセンス良すぎてびびります。もうほんと、「完璧超人かよ!」って感じ。
ここでアルバムを2枚挙げるとすれば、
『Al Jarreau』の【Tenderness】
『Grover Washington Jr』の【Winelight】
がおすすめですね。
前者のテンダネスに関してはなんとマーカスプロデュース!
マイルスとの絡みにしてもそうですし、何やらせてもやばいですねこの人はその全てが超一流のかたまりって感じ。
マーカスのプレイはもちろん、アルバム自体のクオリティも半端じゃありませんし、文句なしに名盤!
そして、後者のワインライトについては、これまた世の中の音楽にとって凄い影響力があった名盤じゃないかと。
『スムースジャズ』というジャンルがありますが、これがまさにそれそのものって感じですね。インストに興味がない人とかジャズに興味がない人もこれなら聴きやすいはず。
ジャケからしてお洒落で上品、 聴きごたえもありながらBGMとしても最適になるでしょう。美味しいスラップの使い方を勉強するにも良い一枚です。
まとめ
ま~なんと申しますか、こう書いててもその完璧っぷりに改めて参ってしまいますね。
あえて言うならば、あまりに上手すぎる、センスが良すぎる、完璧すぎる、そのあたりが弱点とも言えるのかもしれません。
マーカスに対し、先日のラリー・グラハムのような圧倒的なエネルギーやファンキーさを求めるのはさすがに違うかなって印象。
メタルのようなサウンドやディストーションと絡んでも優れているのかは分かりませんし、そこで活躍できるのかも分からない。
でも、そんなものはただの難癖って話ですよね。マーカスが超絶優れたミュージシャンであることに何の疑いもありませんし、言うだけ野暮。
マーカス・ミラーはマーカス・ミラー。とてもベースって枠だけには納まらない偉大な存在。 知れば知るほどちょっくら次元が違うのが分かります。影響力もやばすぎることに気付きます。
もはや反則!!
あまりに色々持ちすぎててそう言いたくなりますね。
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