コントラバス再挑戦 EUB・サイレントベースを越えて

ポングとコントラバス

アップライト道・三度の挫折

 

一番最初にコントラバスを買ったのはもう15年以上も前。期待に胸膨らませ手に入れたはいいけど、なんとなんと、そのあまりの大きさと重さに購入帰り道で心折れました。

 

「とてもこいつと生きられる気がしない・・」

 

情熱も根性もクソもない無様。始まる以前に終了ってな超絶情けない話。

 

弦高1mm以下じゃないと駄目とか、そういうエレクトリックベースしか弾けない超軟弱時代だったのも災い。まともに音を出せるわけもなく、何も出来ないまま手放してしまいました。

 

それでもアップライトベースに対する興味自体は失わず、今度はハルシュタットの激安EUBに手を出すことに。中古で2万円とかまぁ、迷う必要もないですよね。駄目で元々、お手軽に挑戦。

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「どうせゴミだろ?」ってナメてたんですが、これがなかなかどうして、意外なポテンシャルを持ってて驚き。 

34インチのエレクトリックベースではどうやっても味わえない感覚とサウンド。それをこの値段で楽しめるのか、蔑むどころか気に入ってしまいました。

 

弓でも弾けちゃいます。

www.youtube.com

 

そのままでも十分面白いんですが、PU追加したり、自分で様々調整したり、ボディレストも自作したり、改造にも大ハマリ。心からめちゃくちゃ楽しんだと言えます。

 

ところが気付きました。

 

「・・あれ?幾ら使った?」

 

激安どこへやら、10万円以上かけちゃったんじゃないか?こんな手間暇かけてどうするんだろう?そんなことを考え出したら急激に虚しくなってしまったんですね。

「値段で楽器を判断するな!」とツッコまれればそれもそうなんだけど、もっとちゃんとしたやつが欲しくなるのも必然なわけです。

 

ボディやらフレームやら簡略化するのもいいけど、あまりにやりすぎるのも考え物。楽器を安定させづらいってのは初心者にとって致命的。実際、変な指の使い方で怪我をしてしまった事実。

面白い楽器だったけど、一生をかけるかと言われたら答えはNO。激安道と心中する気もなし。下手に深入りするのもアレだと手放しました。

 

しかし、それでも諦めきれないアップライトベース。今度こそ悔いない挑戦をしよう、現時点での最上候補を手に入れよう、それで選んだのはヤマハSLB200LTD。

 

これは本当、

 

「モノが違う!」

 

断言できる楽器でしたね。

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バリバリのトラ目ネックに真っ黒で分厚いエボニー指板。コントラバスで考えたって贅沢仕様。30万ぐらいで買える楽器のそれではなかったと実感します。

実際、友人と音合わせした際の手応えも上々。「目を瞑ってたら分からない!完全にウッドの音!」と絶賛されるぐらい、アンプから出てくる音もまさにそれそのもの。

 

ケーブル1本で完結可能。ケース収納時のコンパクトさも驚異的。激安EUBとは異なりフレームの再現性も安定感も抜群。一生物にも成りえる楽器と言っても過言じゃない気がします。

 

じゃあ何で手放してしまったか?

 

「俺にアップライトベースは無理だ・・・」

 

本格的な仕上がりだったが故に、弾きこなせる気がしませんでした。

 

心身共に壊れていた時期だったのもま~、よろしくない。

「エレクトリックベースに専念しないと生きてる価値がなくなる・・・」「このまま下手になってこの世から消えるのは嫌だ・・・」

無駄にネガティブになっていた為、心折れて手放してしまった次第。

 

楽器自体は本当に素晴らしく、今でも手放したことをちょっと後悔していますが、ま~、あの時の自分ではどうにもすることが出来なかったですね。

 

「アップライトはもう一生弾かないな・・」

 

完全に心折れて逆にスッキリ諦められました。

 

・・・その時はね。

 

Gliga・1/4サイズ・スモールコントラバス

 

さて、いよいよ本題。

 

今、最高に気に入ってるのがグリガの1/4サイズのコントラバス。

1/4ってのは容積を示してるらしく、それそのままの小型サイズってわけではないんですが、それでも驚きのコンパクトさなのは間違いありません。

 

スモールコントラバス?ミニコントラバス?スチューデントコントラバス?

どんな呼び方をするのが良いかは分かりませんが、ここではとりあえず『スモールコントラバス』で通したいと思います。

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友人のおすすめ品

 

ま~、この楽器の存在には本当に驚かされましたね。

 

「え!そんなのあんの!?」

 

教えてくれた友人には心から感謝するしかありません。ほぼ専門に弾いてるだけあって頼りになるの何の。

 

当初、オリエンテのミニコントラバスを検討していまして、そのチェックを友人にお願いしました。これがまさか、スモールコントラバスを知るきっかけになるとは想像もせず。

実際にお店に行ってくれたところ、残念ながらオリエンテ・ミニの在庫はなかったとの報告を受けてしょんぼり。「

すぐ欲しかったのに入荷待つのかぁ・・」と、ちょっとクールダウン入ってしまいそうだったのが正直な話。

 

ところが、

 

「でもポンさん!面白いのありましたよ!」

 

全く頭になかった候補を見つけてくれて一気にテンションアップ。

「あれおすすめですぜ!本当に小型のコントラバスですよ!」ってことで後日、一緒にチェック。

 

で、も~、凄い手応え。

 

「これだ!」

 

コントラバスに対する抵抗が生まれなかった瞬間を初めて味わいました。

 

エレクトリックベース的なスケール

 

この楽器の何が具体的にハマったかって、

 

『36インチ』

 

弦長約91cm。エレクトリックベースとそこまで変わらないスケールなのが素晴らしい。めっちゃくちゃキツく感じた左手もスモールコントラバスなら涙物で弾きやすい。

弦長が短いってことはテンション的にも非常に楽。それでも最初は手の豆と格闘しましたが、フルスケールと比べたら楽々な弾き心地ですね。

 

背の高さについてもフルスケールと比べたら大人と子供。190cm前後が標準な中、こいつは公称166cm。

頭上を遥か突き抜ける感覚だったのがコントラバスって楽器ですが、自分とほとんど同じ高さなのが親しみ湧きます。

 

ネックも恐ろしくスリム。ナット幅についてはジャズベより狭いかもってぐらいなのが驚異的。画像の通り、手の大きくない人間でも余裕、軽~く握れてしまいます。

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生音も本当にコントラバス

 

「EUBとは違うのだよEUBとは!!」

 

なんて声が聞こえてくるレベル。本当に別の楽器感がありますね。

響かないソリッドのそれとは対極。消音が目的の設計とは根本的に違う。まさしく小型化したコントラバスそのもの。

 

試しに生音で動画を撮ってみたので、ご覧いただけると幸い。 

www.youtube.com

 

簡略化されたEUBだって面白い楽器だし、サイレントベースも凄くよく研究された素晴らしい楽器だと実感しているわたくしポング。

その可能性、実用性はすでに世界中で証明されていると思います。

 

だからこそ、心の底から痛感したのは、

 

「生楽器弾きたいなら生楽器弾け!」

 

純粋アコースティック、生の楽器による生の音を求めているならば、それはエレクリックでは決して手に入らない。さすがに降参するしかありませんでした。

 

アンプを通してどんなに素晴らしい音が出ても、代用品以上の実用性最高な音が出ても、生の響き、振動、感覚は絶対に味わえないんですね。

完全アコースティックな楽器を弾くことでしか得られない世界が存在する。いいかげん認めざるを得ないなと。

 

「エレキでウッドの音を!」

「アコベでアップライトを再現!」

「コントラバスにも負けない音!」

 

みたいな憧れとか工夫とか色々ありますが、いざ本物弾いたら、

 

「あ、無理だこれ」

 

何かほんと、あれこれ難しく考えるのが馬鹿馬鹿しくなってしまいました。

 

「素直に両方弾こう!」

 

エレクトリック弾きたいならエレクトリック。コントラバス弾きたいならコントラバス。小賢しくどうこうしようと奔走するより、両方弾こうと決意した次第。

 

今後もこの記事で更新の予定

 

まだまだ書きたいことはありますが、飛ばしすぎると続かないのでとりあえずこの辺で。今現在のこのブログの方針、記事数は増やさず内容を更新していきたい。

スモールコントラバスについては、この記事の中で追加、更新していく予定です。

 

手応えを感じるに、今度こそイケそうでワクワクしてます。

その分、エレクトリックの方が下手になりそうな気もしてますが、前回はそれに怯えてやめたのに対し、今回はそれも上等だと構えられてるのが良いですね。

 

今までにないハマりっぷりに高揚と安堵!

 

追記1  2021/12/31

 

1年弾いてみての感想、

 

「やっぱベースギターとは違ぇわ!」

 

これを本当~に痛感しました。

 

「まるでアップライトのような!」とか「サウンドはウッドそのもの!」みたいなベースって今では数多くありますし、実際、素晴らしいクオリティに仕上がっている物も増えてます。

 

PU、アンプを通す前提で言えば、粗悪に出力されたコントラバスより遥かに良い感じの音を出せてしまったりもするから凄い。

自分が所有するジラウドのW-BASS、ジェマーソン仕様なプレベとかも凄い音が出ますし、ソリッドボディでもやれる事は沢山あると実感します。

 

しかしです・・・

 

「コントラバスはコントラバス!」

「アップライトはアップライト!」

 

それが欲しいならやっぱり、それ弾くしかない。世の理、絶対的なまでの掟、さらに観念した次第。

 

脳の問題にしても体の問題にしても、

 

『音が欲しいのか感覚が欲しいのか?』

 

ようやくこの答えが出たって感じですね。

 

音にしても、感覚にしても、自分が求めていたのは、コントラバスそのもの。どんなに素晴らしい音でも、エレクトリックベース・ベースギターでは解決しない。

どんなに便利でハイクオリティでも、EUB・サイレントベースでは満たされない。どんなに魅力的な楽器だったとしても、アコースティックベースは完全なる別種。

代用品とかそんな物は存在しない、コントラバス弾きたきゃコントラバス弾けってわけですね。

 

現実考えると、めちゃくちゃ不便な事も多いし、障害ばっかりって感じ。だからこそ惹かれてしまう力、真似できない世界がある、まったくもって御しがたい、難儀でアメイジングな楽器ですほんと。

自分が弾いてるのは1/4サイズ、恐らくは子供用ってぐらいの扱いなんだと認識してますが、それでも足を踏み入れる事に成功したのは、人生に影響を及ぼすだろう大きな成果。

 

買って正解。始めて大正解。

ベースがもっと面白い。人生楽しい。

 

ここまでの手応え味わえる物ってそうそうないですね。挫折にも慣れたもんだし、色々曲がったりしなれる今、折れる気配ゼロ!

 

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