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- Richard Cocco ステンレス弦
- LA BELLA 0760M フラット弦
- KEN SMITH COMPRESSOR ハーフラウンド
- Daddario EPS180 エクストラスーパーライト
- GHS P3045 ピッコロベース弦
- 合わせて読みたい
- オリジナルマガジン
Richard Cocco ステンレス弦
10年以上愛用のメイン弦
もうかれこれ10年以上は愛用しているベース弦。ニッケルもいいですが、自分の中ではステンレスの方がスタンダード。
ステンレス弦と言うと大体の場合、ジャリンジャリンのバッキバキになる感がある中、この弦は落ち着いてる傾向にあると思います。
高域がうるさいだけ、ボトムは薄い、そんなものとは一線を画するのがリチャードココ。スラップ専用なんてことではなく、むしろドッシリ弾くのに向いている特性がナイス。
強い個性を追求するとなると、主張が弱く感じる面も考えられますが、それが欲しければそれは他の弦に任せればよい。
トータルのクオリティ、実用性、寿命を考慮した結果、この弦より上のものは見つかりませんでした。
そして、ココ弦と言えばこれを主張しておきたい。
『独特の弾力』
ステンレスにありがちな超硬質感とは異なる弾力、非常に魅力的な弾き心地を有しているのがココ弦。
話しているだけでは伝わらないだろうこの感覚、知らない人は是非とも体験してみてほしい。
ステンレス弦の場合、美味しいピークがものすごく短いものもある中、この弦はちょっと弾きこんでからが本番とも言えます。
音程が曖昧になったり、ダルンダルンに劣化するのではなく、弾力がさらに良い感じに変化。楽器の鳴りと共に馴染んでいく感覚が癖になること間違いなし。
張り立てだとさすがに硬い印象、ジャリついた感もありますが、真骨頂はやはり、それが落ち着いてからですね。
この味わいと弾き心地こそ最高に美味しいポイント。他の弦が使えなくなる魅力があります。
長寿命でめっちゃくちゃお得
前述した通り、そうそう簡単にボヨンボヨンとかダルンダルンにはならないリチャードココ。
新品至上主義なんてことでもない限り、かなり長く使用し続けることが可能。心地よい弾力を維持してくれます。
実際、フレットレスについては、ココのステンレス弦を年単位で張りっぱなし。使用頻度がフレッテッドよりも少ないことはありますが、交換の必要性をほとんど感じません。
定番の弦よりちょっとお高いのは確か。しかし実はかなり経済的。手間なく使えるのも大きな魅力。
ベースを複数所有する人間としては、寿命が長いってそれだけでめっちゃくちゃ助かります。
弦のコーティング液なども必要なし。あれを塗ると音がおかしくなる、かえって寿命が縮んでしまった経験あり。そんなものの必要性を感じない素のクオリティ。
高められた基本が本当に素晴らしい弦ですね。
タッチと音作りでより魅力的に長寿命に
弦の劣化というのは、汗など汚れ以外の要素からも来るものだと自分は考えています。
弾き方が乱暴であれば、それだけ弦が傷むスピードも加速。コーティングすれば良いかってそう簡単にはいかない。弾き方の問題も大きいと実感。
バズが大きく出るようなら、それだけフレットも弦も不要に削っていることになりますし、弦を不自然なぐらいたわませてしまうなら、それだけ芯線が歪んで傷むことにもなるんじゃないかと。
強力で確実、そして無理のない押弦。無闇に暴れさせるのではなく、的確に弦を振動させるタッチ。これを意識して鍛えていくだけでも、弦の寿命は伸びるはず。
それに加え、巻きも作りもしっかりしているリチャードココの弦なら、鬼に金棒。よりダメージ少なく、長期にわたり使用することが可能になるでしょう。
論より証拠。年単位で張りっぱなしのフレットレスのサウンドがこちら。
ジラウドのようなクリアでレンジが広いベースの場合、年単位で張りっぱなしの弦でも強烈なサウンドにすることが簡単にできます。
「これってジラウドが凄いだけなんじゃないの?」なんて疑問も出てきそうなこの動画。しかしそう上手いこと行かないのが世の中。
たとえジラウドであろうとボヨンボヨンに腐った弦では、やはりどうにもなりません。
だからこそ、リチャードココ以外の選択肢が自分の中からなくなっている状況。
時間が経っても弾力をキープしてくれる。エッジを効かせる音作りにも応えてくれる。実に長期にわたって活躍を期待できるのが素晴らしい。
普段は落ち着いたサウンド。そこから一転、瞬時にバキバキ。これを使い込んだ弦でも実現できるのが、ジラウド&ココ弦の組み合わせの可能性と魅力。
上手く使えばま~、とんでもなく超寿命にハイクオリティに楽しむことができます。
どうしてもステンレスが合わないなら、スタンダードにニッケルの方もおすすめ。これがまた魅惑的な弾力感、使い込みたくなる良い弦ですね。
浮気しても結局はリチャードココに戻ってきた
10年以上愛用と言いつつ、他の弦に浮気しようとしたことがあるのも本当の話。
「何か前と変わったかな~?」とか「ちょっと物足りないかなぁ・・」なんて感じた時期があり、あれこれ色々試しました。
実際、ココ弦より元気なものはありましたし、個性の意味でより尖がった製品は存在します。
ずっと同じ弦じゃ視野が狭くなる気もしたり、思い切って他の弦に移行しようと決意したこともあります。
しかしま~、なんでしょう?
その喜びもほんの一時しか持たないことがほとんど。張り立てしか良くなかったり、劣化し始めると一気に魅力がなくなったり、途端に冷めてしまうのが悲しい。
「ココじゃなくてもいいじゃん!」ってはずが一週間もすると、
「うわ・・駄目だわこの弦・・」
「指弾きだと全然良くねぇな・・」
「もう張りも音程感も微妙・・」
「また4000円がパァか・・・」
失望を通り越し、絶望的な気分を味わいました。
瞬間的にはすごく良かったり、特化して使えば効果的な弦もあるけれど、寿命・コスト・サウンド、全部トータルで見た場合、リチャードココがやはり一番合っていたのだと痛感。
結局、その浮気、弦探しのせいで数万円が1~2ヶ月で飛ぶことになりましたし、色々とアホらしくなった為、ココ弦一択で行こうと決意した次第。
散々な目に逢って気付いた大切さ。
『質実剛健』
弦にはこれを求めたい。
個性という意味では地味かもしれない、一回の買い物としてはちょっと高い、飾り糸も何もなく見た目の特徴もない、超定番製品から離れるのは勇気がいる、弦の違いとかよく分かんない等、色々と心配もあるかと思います。
そんな人に向けて自分が言いたいのは、
「まず弾け!」
弾かなきゃ分からない。試さなきゃ始まらない。
そしてココ弦に関して推すならば、
「心配すんな!」
こう言っておきます。
一瞬で虜になるか、時間をかけて魅力に気付くか、どちらの可能性も十分にありますが、自分がおすすめしたいのは後者。じっくりと付き合ってみてほしい弦ですね。
供給も現在では安定している印象が強いですし、その点についても安心できるのが良い。なんちゃってな流行ではなく、ちゃんと定番になる実力を持っている証拠と言えるでしょう。
ラウンド弦を張るなら自分はもう、リチャードココ専門。4弦、5弦、6弦、実に長い間、お世話になっています。
ローBだったら125のセットがおすすめ。
自分のメイン弦はこれ。
あえてローBを少し細くするのがミソ。
R COCCO RC5C S BASS 5-STRINGS STAINLESS
LA BELLA 0760M フラット弦
最強極太フラットワウンド
通称『ジェマーソン弦』
弾き応えも量感もまさに最強。
究極のフラット弦と呼びたくなるこの弦。
一方、最強とは言っても、最高におすすめというわけではないこの弦。ま~、とにかくぶっとい、めちゃくちゃ硬い、とんでもなくごっつい弦でびびります。
1弦:052
2弦:073
3弦:095
4弦:110
ゲージを見ても只事ではないのが伝わるはず。
後述するダダリオのスーパーライトと比較した場合、4弦の太さがこのジェマーソン弦においては3弦にすぎないことになってしまいます。
しかも、かなり硬質なステンレスのフラット弦と来ました。同じゲージでもラウンド弦のそれとはわけが違います。
張り立て時のその強靭さと言ったらない、マイルドで弾力のある音どころか、ゴーン!と重く無骨に響く恐怖。
「ウッドベースみたいな音にしたい!」なんて夢見るのもいいけど、道はなかなか険しい。とりあえず、一年以上はまず弾きこんだ方が良いんじゃないかと。それでやっと馴染み始めるぐらいかもしれません。
それだって完全にほぐれてくれるかは分からない。それがジェマーソン弦の恐ろしさ。
その元気で硬い音と弾き心地に苦しんで挫折した結果、他の弦に張り替えて逃げたこともあります。半年ぐらい弾いても理想の状態にはなってくれませんでした。
個体差にもよりますが、新鮮なものに当たると本気で凄い。誇張でもなんでもなく、ちょっと次元が違う弦です。
弾き込むと言うかもう、弦を育てるぐらいの気持ち。そんな前提で気長に向き合った方が良い。
唯一無二の凄まじい存在ですね。
ネックが反るのは覚悟 セットアップも一筋縄ではいかない
そのあまりの張力のためか、よほどに強靭なネックでもない限り、まず間違いなくネックが反るでしょう。
下手するとペグがいかれてしまう可能性もありそう、常識外にある弦だと思った方がいい、それぐらい構えて丁度いいかもしれません。
裏通しとかの場合、弦が硬すぎて曲がらないんじゃないか?そんな想像までしてしまいます。
ベースによってはナットを広げる必要もありますし、弦高も新たに調整した方が良いでしょう。
オクターブピッチについても再調整必須。調整どころかブリッジ位置を変更した方が良い、実際やった経験あり。
以前、古いトーカイのプレベに張った際、そのままだと4弦のピッチがどうしても合わなかった為、ブリッジを後方に取り付け直しました。
前述の裏通しの話ではありませんが、ブリッジ穴から駒までの距離が位置が近いものだと、弦が上手い具合に曲がらなかったり綺麗に乗ってくれないんですよね。
駒をなるべく前に配置できるような位置にしておかないと、ピッチに異常が出てしまう事態に。
ジェマーソン弦を張るならそれこそ、それ専用のベースにしちゃった方が良いんじゃないかと思います。
もう弦は張り替えない。調整も全て特化してしまう。それぐらいの覚悟を決めた方が良い結果を得られるんじゃないかって気がします。
人にも楽器にも甘えを許してくれない、実にスパルタな弦です。
これでしか出せない超濃密ベースサウンド
「何それ?張る意味あんの?」
「そんな大変な弦どうすんの?」
「古くさ・・非効率でアホらしいわ」
ここまで話してきた内容からだと、そんな疑問も出てきそうなジェマーソン弦。実際問題、合わない人には無用の長物だと思うのも間違いありません。
だからこそ!
気に入っちゃったらこれしか弾く気が起きなくなる魅力が詰まってます。
使い込んで馴染んできたらもう無敵。ディープなサウンドの虜。その説得力の凄さったらありません。
昨今の煌びやかで華麗なベースサウンドとは対極にあるものですが、それだけに、その潔さと飾りっけのなさ、凝縮された低音に惚れ込みます。
こうなると逆に新鮮。
「まだこんなベースの世界があったのか!?」
ショックを受けること間違いなし。
自分は多弦がメインの人間ですが、悲しかったのは、このジェマーソン弦に見合うローB弦がこの世に存在しなかったこと。130ぐらいじゃとても見合わない。
もうあれです。
『4弦の特権』
あまりにも音が深すぎる為、「4弦でもべつにいいや」って納得させられてしまうのがジェマーソン弦。
このE弦より深く低く良い音を求めるのはほぼ不可能だと判断。何を張っても勝てる気がしない、見合うものがあるとは思えません。
もはやそれ以上の低音域を求める必要がない。4弦の開放音の威力が凄すぎてそれに満足してしまう。そんな圧倒的サウンドとポテンシャルに痺れます。
扱いは大変、楽器も可愛そうになる、心が折れる可能性が高い、それでも弾きたくなっちゃうフラットワウンド、ジェマーソン弦。
ハマれば多弦をやめさせる破壊力すら秘めているかもしれません。
フラットワウンドのすすめ
・結構長くベースを弾いていてもフラットワウンドは使ったことがない
・全然馴染みがないし実はどんなものかもよく知らない
こんな人もいるのではないかと想像するフラット弦。そんな人に対し、一発目からジェマーソン弦を推奨するのはあまりに酷だと思うのも正直な話。
そんな場合、ラベラのスタンダードなゲージもおすすめ。
ジェマーソン弦が色々おかしいのであって、普通のゲージなら当然安心。大幅な調整も特に必要なく、そのまますんなり使えるはず。
フラット弦の場合、狙うサウンドがマイルドな方向であれば、頻繁に交換することはほぼないでしょう。それこそ年単位で張るのも当然の選択肢。それだけ弦代がかからないことにもなります。
なかなか最初の一歩が踏み出せない、引いちゃうところってあると思います。お得とは言っても気に入らなければ高い買い物。知らない弦を張るって意外と怖い。
でも、「だからこそ知る価値がある!」と声を大にしたい。思い切って踏み出してみれば気付かされることが沢山あって絶対身になる。
プレベとか好きだったり、ちょっと古めのファンクやソウルが好きなんてことであれば、間違いなくおすすめ。
高域を絞り目にして一音弾けば一発で分かります。
「ベースの音だ!」
ラウンド弦を張りたくなくなる可能性だってあります。
もはや概念的。「これぞベース!」って否定できないサウンドを堪能してほしい。
ぶっとい音を出したい、もっとしっかり弾きたい、タッチを鍛えたい、そんな根源的欲求に間違いなく応えてくれます。
KEN SMITH COMPRESSOR ハーフラウンド
ラウンド弦とフラット弦について
今日では完全なるスタンダードになっているラウンドワウンド。
ちょっとマニアックになりつつも根強い人気があるフラットワウンド。
ものすごく簡単に言うと、
「前者はジャリジャリ」
「後者はツルツル」
こう認識しておけば良いんじゃないかと。
・煌びやかなサウンド、金属的なアタックや倍音を得るなら前者。
・ドッシリしたボトム、落ち着いた音色なら後者。
大まかにこう分けておくと、とりあえず分かりやすいはず。
イメージ的にもうちょい具体的にするのであれば、
「ウッドベース、コントラバスな感じを狙いたいならフラットワウンド」
こんな風に考えてみるのも有りですね。
まさに中間 ハーフ セミフラット
「ラウンド弦のシャリシャリ感がどうも・・」
「フラットワウンドはちょっと落ち着きすぎて・・」
こんな希望に応えてなのかどうかはともかく、ちゃんと実在している不思議なハーフラウンド。またはセミフラット弦と呼ぶべきこの弦。
「おぉ!いつもより滑らかだ!」
「あれ?思ったよりギザギザ?」
人によってこんな違いが生まれそうなのがこの弦の面白さ。
自分の感覚的には後者。特に新品時は想像以上に明るい音が出る印象が強い。甘く滑らかなサウンドを期待すると、想像とは違うキャラクターに戸惑うかもしれません。
一方、ラウンド弦の弾力、しなり方とは異なる感触と感覚で鳴るのが、ハーフ弦のユニークなポイント。ゲージはいつもより細いはずが、いざ弾いてみると張りが強く硬く感じられたり、ボトムの出方も一味違ったり、かなりの弾き応えを実感します。
中途半端の一言で簡単に片付けるにはもったいない、ならではの魅力を有しているのがハーフラウンド。ぴったりハマった場合、これが最強に合ってしまう可能性もあるでしょう。
例えばこんな悩みがある人。
「コーティングしないフレットレスが好き」
「フラット弦よりラウンド弦で鳴らしたい」
「でも指板が削れるやすいのはちょっと・・・」
「ちょっと弾き込んだぐらいの弦の方が好き」
「でも張りがすぐボヨンボヨンになっちゃうのは・・」
「コーティング弦もなんか苦手なんだよなぁ・・」
ラウンド弦、フラット弦、0か100じゃなくて中間はないのものか?
ありますハーフラウンド弦。ラウンドそのものではない、つるつるフラットでもない、真ん中に位置しようとする独特の存在。
エレアコベースなんかにも試してみてほしい弦ですね。
ハーフラウンド弦と言えばケンスミス
先日、OPBへと改造したジャズベース。弦をどうしようかと考えた末、まずはスミスのハーフ弦を試してみることにしました。
この弦の何がいいって、
『お手頃価格』
これが魅力。
割としゃれにならない値段のものが多いのがフラットワウンド。
本当はラベラが張りたかったのも本音なんですが、微妙に方向性を決めかねている中、どかんと奮発してしまう勇気はちょっと出ませんでした。
最初の印象は前述した通り、思った以上にラウンド弦に近い感覚。想像以上に元気、スラップでも問題ないぐらいの鳴り。
一方、こなれてくるとやっぱり違いが出てきます。触った感覚も滑らかになっていくし、シャリシャリ感が落ち着き方が異なりますね。
良い感じにボトム豊かなサウンドに変化していくと実感。
ただ、これもやはりと言いますか、こなれ具合ってやつに関しても、つるつるのフラット弦とはちょっと違うのが面白い。
「ボフン・・」と露骨に音がなまってしまうようなフラットワウンドとは異なり、張りのあるアタックとサスティーンが得られるのがユニーク。
個人的には、もっとくたびれてきた方が好みになりそうですが、その独特さを気長に楽しんでいくのも悪くない。第三の選択肢って感じです。
KEN SMITH COMPRESSOR MEDIUM LIGHT
痒いところに手が届いたら最高の弦
スミスの弦、メリットでもデメリットでもあると思うのは、
『34~35インチ兼用』
ありがたい配慮である一方、通常のスケールにはちと長いかなと思うのも正直なところ。
何がまずいかって、4弦を巻く際に太い部分まで巻き付けるようにしないといけないケースがあること。
裏通しとかなら問題ないのかもしれないけど、普通のスケールに普通に張るにはちょっと不便があるかなと。
完全34インチ用なんてのがあったらいいんですが、どうやらそれはなさげ。これが個人的にちょっと惜しいポイントですね。
ま~本当、こう言っちゃ悪いけど、色々と中途半端な弦でもあるハーフラウンド。
ラウンドかフラットか、特化した方向性を狙うのであれば、 微妙な結果に終わる可能性も高そうです。
一方、
「なんか合う弦が見つからない・・」
「どれも何か極端なんだよなぁ・・」
「定番って言っても俺にはいまいちだし・・」
なんてモヤモヤに苦しんでいるようであれば、その中道な特性が功を奏して、救世主になるかもしれません。このあたり、6弦ベースに対する可能性も眠っていると思います。
煌びやかなサウンドとプレイだけではなく、もっと落ち着いた音色、腰の据わったボトムも追求したいなんて場合、この弦ならではの良さが光る部分も沢山あるはず。
「これだ!」と来てしまった場合、唯一無二の存在になってもおかしくありません。
あまり知られてない種類の弦であろうハーフラウンド。人によって評価もバラバラになりそうな難しさがあるのも確か。だからこそ、実際に試して判断するのが一番ですね。
「これを探してた!」って話なら何より。
「駄目!これ嫌い!」でも仕方ない。
どんな評価をしてもその気持ちが分かるという、ある意味、レビュー泣かせとも言えそうなこの弦。 とにかく実際に弾いてみて判断するしかないでしょう。
いつもの弦とちょっと違う世界を開いてみるのにおすすめ。弦を変えるだけでもまた新たにベースの可能性を感じ取ることができます。
KEN SMITH COMPRESSOR MEDIUM LIGHT 6-Strings
Daddario EPS180 エクストラスーパーライト
ダダリオの細いベース弦
ジェマーソン弦にハマった反動かまた違う興味か、
「リアPUメインだったら細い方が良いのか?」
こんな好奇心からダダリオのクソ細いゲージを試してみた次第。
【95.75.55.35】
いや、本当に細いですね。
4弦がジェマーソン弦の3弦と同じってのがもはや笑えてくるレベル。ラウンド弦とフラット弦の違いを考えると、ジェマ弦の3弦より細くて柔らかいとまで言えます。
これまで色々実験してきた自覚がありますが、ここまでライトなセットはさすがに試したことがありませんでした。
第一印象、
「1オクターブ低いピッコロベース」
EADG、通常のチューニングだとしても、感覚的にはベースとはちょっと違う感じ。
ベースでありながらベースではない。しかしギターとは明らかに違う。ベースを無理やり高域に寄せるのとも異なる。何だか独特のポジションが生まれる感覚が面白い。
なかなかどうして侮れません。
「ベース=ぶっとく」も一つには偏見
いつもより一音高いセッティングのための弦、コントラバスには『ソロ弦』なんてものがありますが、そのノリかもしれないスーパーライトゲージ。
チェロの世界に足を踏み入れているような、別の楽器感があるのが面白い。
「エレクトリックベース」と一口にしても実に多くの音色が存在。タイプも様々あるのが今の時代。それと同様、スタイルも一つにはとても縛れません。
「男らしく重くぶっとく粘っこく!」なんて押し付けるのは古いっちゃ古い。人の話や価値観ばかりあてにするのではなし。自身の目的と好みにしっかり合った弦を見つけたるべき。
ギターとベースの中間、バイオリンとコントラバスの間、それとも新たな楽器か、そういうポジションの方が合う人がいたって何も不思議ではないのが今の世の中。
それこそ、前述したチェロのような方向、立ち位置を狙いたいにもかかわらず、闇雲にぶっとい弦張ってどうすんだって話になりますよね。
ベストな表現方法を見つけるためにベストなゲージを見つける。これの何が軟弱なのか、邪道なのか、そんな疑問が湧くのも至極当然かもしれません。
とまぁ、なんだか偉そうに語ってますが、正直言って偏見まみれ。超細いゲージなんか全然使ったことなかったのが本当の話。
「細い弦にする=音も細くなるとは限らない」って記事を書いたことはあったけれど、ここまで細い弦を張る発想までには至りませんでした。
だからこそ新鮮で楽しいですね。「ベースらしくボトムを支えなきゃいけない!」って呪縛から解放される感覚が実に面白い。
多弦にしてハイC張るとか、ピッコロやテナーにしてチューニングを上げるなど、それらとはまた違うから不思議。別の楽器が生まれる感が癖になりそうで良い。
「ベースだからって何で重くぶっとくしなきゃいけねぇの?俺それ退屈で嫌なんだけど?」
こんな主張や闇、好奇心に夢を抱え弦を細くするのは立派な選択肢。
ひ弱どころか真っ向勝負?
なかなかナイスな存在です。
DADDARIO EPS180 ProSteels Bass Extra Super Light 35-95
音の太さが心配ならタッチに向き合ってみればいい
「やっぱ細い弦は心配だ・・」と悩むんだったら、タッチを工夫するのがやはりおすすめ。
細い弦だからとタッチまで腰が抜けてしまうのはよろしくない。弦を押し込むことを意識すれば、それだけで太さも量感も音量も変わります。
リアPUの上やブリッジ寄りで弾いても効果絶大。動画では違いが分かりやすいようにフロントPUで鳴らしてますが、リアPUでも音が変わるのは同じ。
「細い弦=音は太くできない・・」とはならず。
ジェマーソン弦・極太のフラットワウンドを張ってみて強く感じたのは、
「この抵抗をまともに受けてたら指が負けるし弦もろくに振動しない」
タッチの相性が悪かったら太い音を出すどころかまともな音にならない。
特にブリッジ寄りのサウンドは諦めた方がいいか、そもそもの話、そこまでの魅力もなく思えてしまいます。
とにかく弦が太すぎる硬すぎる。ブリッジ付近では弾く気にならない。押し込むのも難しい。良い感じの弦振動は得られない印象が強い。
あの弦を鳴らすんだったらやっぱり、プレベなPU位置の方が好き。自然とネック寄りのポジションで弾きたくもなります。
実際、その方がまともな音になりますし、使いやすさも味わいも別物に。
そう考えるとリアPUメイン、ブリッジ寄りのPUとポジションで弾くスタイルの場合、無理に太い弦を張るメリットって実はあまり無いんじゃないか、そんなことを一つ思った次第。
190cm100kg以上、尋常じゃないパワーの持ち主、そういうことなら、話もまた別になってきそうですが、力自慢でもなんでもなく手も小さい、指も細く頼りないなんてのじゃ色々辛い。
それで必死こいてぶっとい弦を鳴らそうとしたって、現実問題、ちょっと厳しくないかと。見るからに大男が「力じゃないんだよ!」って言ったところで、絶対に条件違っちゃってますよね。
だったら、美味しく現実的に振動可能な方が良いんじゃないか、豊かで余裕ある弦の鳴りを得られやすい方が音は太くなるんじゃないか、そんな考え方があっても良いんじゃないかと。
「弦を太く硬くする!」
「一生懸命鳴らないようにする!」
「鳴らせないように工夫する!」
これじゃ明らかに何かおかしいですよね。弦を押し込むにしたって、まったくどうにもならないぐらい辛い思いをするより、脱力して楽に押し込める方が有効なはず。
根性論ではなく現実的に挑戦して進化するもよし
チェロ的ポジションがどうだの、ベースとは違う感覚が何やら前述しましたが、鳴らし方さえ分かってくれば、ボトム豊かに堂々ベースやることだって恐らく可能。
硬すぎる太すぎる弦は、音程に問題を抱えてしまう面もありますし、左手のニュアンス付けに難がある感も否めません。
スケールを短くする選択肢も広がってきたように感じる昨今、弦を細くすることにも注目が集まって良い気はします。
今回、ダダリオのプロスチール弦を選択しましたが、スタンダードなニッケルの方が実験の意味ではより面白かったかなとそちらにも心が動くところ。
「ライトな弦でもぶっとく!」ではなく、
「音を太くしたいから弦を細くする」
こういう選択肢、主張が出てきたって面白い。
まぁ、「そう上手くいくわけねーだろ!」と思うのも本音だけど、そうやっていつもの感覚と偏見が邪魔するから進めないんじゃないか、そんな疑問と闘ってみるのも楽しいですね。
ベース=低く重くだけじゃつまらないと挑戦するもよし。根本的にぶっとい弦は合わないと切るもよし。科学的な判断を下した結果でもよし。スーパーライトな弦で超絶ぶっとくってのもよし。
音の悩み、タッチの悩み、弦を変えたら案外すっきり解決なんてこともあるのがこの世界。
どれも立派なスタイル、自分に何が合ってるかを判断するのは自分自身。他人の好みと基準を頼りにしたって意味がない。
偏見持って避けてちゃ分からない答えがあるかもしれません。
DADDARIO EXL180 Nickel Wound Bass Extra Super Light 35-95
GHS P3045 ピッコロベース弦
ギター弦からの流用は難しい
ピッコロベースを弾きたくなっても、つまずくのは弦の調達。
ギター弦を流用できれば本当はそれが安くていいんですが、残念ながら長さが足りないことがほとんど。
特に、フェンダータイプのようなベースの場合、1弦側のペグがめっちゃくちゃ遠くなってしまう為、ギター弦の使用はほぼ不可能でした。
長く作ってるものも中にはあるのかもしれませんが、それに当たるまで買い続けるのは完全に博打。賭けになるどころか、そもそも当たりがない可能性も高いから怖い。
ギター弦の流用をするなら、短いスケールのベースを買っちゃった方が早い、そんな現実が辛い。
言うまでもなく、ショートスケールやミディアムスケールは種類も個体数も多いものではありません。どうしたって選択肢に限りが出てきてしまいます。
長さ問わないピッコロベース専用弦があるなら、それに越したことはない。
やっと見つけたピッコロベース弦
今は良い時代。
「ついに見つけた!」って感じです。
一応、ダダリオから出ていることは知っていましたが、ちょっと高い気がするのと、ゲージが好みではなかった為、個人的にはどうも好きになれませんでした。
ベースの長さでギターの低音弦側と同じチューニングにするのがピッコロベース。当然、ギターとは比較にならない強い張りになってしまいます。
あまりにピンピンに張ってると正直、指が辛くて仕方ありません。
だからこそ、「これだ!」って来たのがGHSのピッコロ弦。
ダダリオより僅かにライトゲージ、しかもかなりのお手頃価格。長さも十分。フェンダーヘッドの1弦にも余裕で張れます。
いや本当、ピッコロベースの弦探しに終止符を打てた気分ですね。
ピッコロベース動画
今回一番やってみたかったのは、ピッチシフターを通してさらに音程を上げてしまう方法。それを歪ませてギターごっこを派手にやってみたかった次第。
これは理屈抜きに気持ちいいですね。ベースらしくないだの、ギター弾けばだの、うだうだ語る方が野暮。痛快一発。やったもん勝ち。
と、これはさすがに極端なので、もうちょっと大人しく弾いたのが以下の動画。
クリーントーンに空間系のエフェクターを通してタッピング、アルペジオ、スラップの順に弾いています。
エフェクトかけすぎって感じではありますが、それも一つの醍醐味かもしれません。
いつもと違う感覚を楽しむと言うか、逆に普通なんて許されない?そんな気持ちよさや楽しさに触れるのもピッコロベースならではの面白さですね。
ギター用のマルチエフェクターが欲しくなった
今回使用したのはZOOMのMS60B。マルチエフェクターの性能向上っぷりに驚かされた一台。ベース専用と限定せずギターサウンドを作るにも問題なく貢献してくれます。
でも正直、セッティングはちょっと面倒くさかったのが正直な話。ベーアンのシミュレーターじゃピンと来なかったし、痒いところに手が届かない感じが惜しい。
そのままでも使えるっちゃ使えるんだけど、お手軽さを求めるにはよろしくない印象が強い。
ギター的に色々やりたいんだったらやっぱり、そっち用のマルチを使っちゃうのが一番早そうです。「ベースらしさ」ってやつにこだわる必要性も感じません。
気になるとしたら、これまたZOOM、その新型マルチ。
MSシリーズの時点でも結構な衝撃だったのに、あそこからまた進化しているのだとしたら、ま~、色々やばいですね。ちょっとどころではなく、物欲を刺激されてしまいます。
ZOOMらしくとんでもなくお手頃、ピッコロ弦と合わせても1万円いかない、一体どういうことやねん、もはやツッコミたくなるぐらいの世界になってます。
無理に新しい多弦とか買わなくてもこいつらで済ませばいいんじゃないか?凝ったコンパクト沢山揃えるってのもどうなの?そんな気になってきますねほんと。
プレベがギターに変身する面白さ
渋いとか無骨なイメージが強いプレベ。今回使用したヒストリーはミディアムスケールではあるけれど、基本的にはプレベそのもの。
傾向としては、ごっつい音を出す方が得意な感が強いベースです。
それがま~、あそこまで別の楽器に変貌を遂げるのだから面白い。弦を変え、エフェクターかけ、派手にも華やかにもなるのだから凄い話。
ほぼ使わず吊るしてあったベース、それがめちゃくちゃ楽しめる楽器として生き返るってのも素晴らしい。
こんなのベースじゃないとかそんなもん百も承知。これを本気でベースとして使うと思っているのか、その認識の方が疑問。
ギター弾けばいいじゃんとかツッコまれたら自分はこう返します。
「ギターは弾けん」
ベースしか弾けないからピッコロベースを弾く。これほど分かりやすい話もないでしょう。ギター弾ける前提でものを考えるんじゃないと声を大にしたい。
ピッコロ用の良い弦がやっと見つかって万々歳。 ずっと心残りのあった部分、解決してめっちゃすっきり爽快。
遊んだもん勝ち、楽しんだもん価値ですね。
合わせて読みたい
オリジナルマガジン
上達に悩んでる、退屈さに負けそう、何かヒントが欲しい、もっと捻くれてみたい、疑問も持ってみたい。
意味不明な思考、よく分からんけどアイデアが欲しい、たまには真顔になりたい、とにかくベース話に触れたい。
音を太くしたい、根本から良くしたい、そんな方に読んでいただきたい、オリジナルのマガジン始めました。
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