縁がないヘッドレスのベース メリット・デメリット・憧れを考える

ヘッドレスベースを考える

好きなベースの基本形はフェンダー

 

今現在の自分の好みはフェンダーを基本にしたもの。

 

ジャズベプレベ、少し外れてもスティングレイ。このあたりのスタンダードなスタイルでクオリティの高いベースに惹かれます。

と言いつつ、元々はバリバリのアンチフェンダー「サンバーストとか絶対弾かねぇ!」なんて考えてたタイプ。ろくに弾いたこともないのに目の敵にしていました。

 

それが崩れたのは中学時代の体験、音楽学校に通った経験が大きかった。

 

【パッシブベースと上達の思い出】の記事でも話しましたが、今ではめちゃくちゃ惹かれるようになった一方、コンプレックスやトラウマも抱えていると言っても過言ではないぐらい、フェンダー系の楽器には複雑な感情を抱えています。

 

ジャズベのフレットレスとかめろめろになるぐらい気に入ってる身ですが、フェンダーが良いとか認めたくない!」とか「シンプルなものには落ち着きたくない!」みたいな反骨心が残ってるのも正直な話。

そのままでも十分に完成されてるのは分かるんだけれども、自分の中にある幼稚でドス黒い炎に同調してくれる楽器が欲しくなるところ。

 

その結果、ジラウドのブラッククラウドに辿り着いたと言ってもおかしくない部分があるのかもしれません。フェンダーを基本にした一つの完成形、理想のベースだと確信します。

 

驚かされたSTATUSのヘッドレス6弦

 

ジラウドが素晴らしいベース、自分にとって理想であるのは間違いない一方、一つだけ残念だったのは6弦ベースを製造していないこと。

今は5弦がメイン、4弦にも揺れ動きつつある身ですが、元々は6弦専門で行く気だったのが本当の話。

その流れの中、興味本位で試奏したステイタスのヘッドレス6弦に心底驚かされることになった次第。

 

このベースの何が凄いって、

 

『超絶楽』

 

本当に衝撃的でした。

 

6弦専門で行くつもりだったのは確かなんですが、そのしんどさにうんざりする面が多かったのも本音。

最初に手に入れた6弦とか重さ6kg。もう移動の時点で心が折れましたもんね。

実際、腰も肩もおかしくなったし、ろくな思い出がない。それに比べたらま~、ステイタスのなんと楽なことか!

 

楽器自体が軽量だったこともありますが、ヘッドが存在しないことでこんな楽になるのか、バランスが良くなるのか、大げさではなく感動するものすらありましたね。

多弦化によるヘッドの肥大化という、この問題は想像以上に深刻なものだと考えさせられましたし、軽量ペグ云々で解決できるような話ではないのかもしれません。

 

音の傾向は好きじゃない楽器なんだけど、好みどうこうを上回ってしまうぐらいの機能性、機動力、実用性に魅せられました。

 

ヘッドレスの問題点

 

ステイタスに驚愕した反面、この手の楽器で常に残念に感じることがあります。

 

それは何か?

 

フェンダーから離れすぎている」

 

自分の好みのピントに合わないのが辛いなと。

 

確かにヘッドレスに求めることじゃないとは思います。どうやってもフェンダーらしくなんかならないでしょう。それを狙ってもどっちつかずの半端物で終わるのがオチだとは思います。

世の中に大した需要もないだろうし、フェンダーとは全然違う方向に行った方が個性を求める意味でも納得できそうです。

 

ただ、それを断言できるほどヘッドレスのフェンダースタイルというのを弾いた経験は自分にはありません。想像だけで語ってよいものなのか、それが微妙なのも事実だなと。

フェンダーの方向性以外であろうとするのは分かるけど、それにしたって離れすぎているものが多くて困惑してしまいます。

 

本当に淡泊で冷たく感じるのか?味も素っ気も魅力もない楽器になってしまうのか?使いものにならないベースが出来上がって終わりなのか?

個人的には「NO!!」なんじゃないかって気がするんですよね。

別の楽器になってしまうのは避けられないだろうけど、また違う存在として面白くまとまるんじゃないかと期待をしたくなってしまいます。

 

ヘッドレスの楽器の何が問題かって、

 

「全然知らない」

 

これが一番まずい。あれこれ語れるような知識も経験値も持ってない人の方が圧倒的に多いはず。

 

グラファイトに代表される素材の恩恵なのか?

・そのデザイン、シェイプの影響なのか?

・ヘッドがないことで実際はどれほどの違いが生まれるのか?

 

自分自身、色々ごっちゃに捉えてる面があると自覚します。恥ずかしながら無知そのもの、経験してないこと、知らないことばかり。

恐らく、作る方としても様々な偏見や先入観、抵抗が強く存在するのではないかと想像。

 

合理性を突き詰めるつもりが、人間の感覚に合わないものを作ってしまっているパターンも多いような印象も受けたり、ちぐはぐ感が強いのが残念。

 

ヘッドレスの利点とは何か?

 

分かりやすい利点と魅力と言うならば、

 

『ヘッド落ちがない』

 

この恩恵は想像以上のものだと感じます。

 

前述した多弦化におけるヘッドの肥大化の問題についてもそうですよね。ヘッドが馬鹿でかく重くなっていくより、そもそも無い方が合理的とも考えられます。

それこそ物によっては、ギターのケースにも入ってしまうかもしれません。

スケール自体は変化せずともトータルのサイズは異なる、その意味が小さいわけはない。実際、ステイタスの取り回しの良さには驚かれました。

 

他にも例えば、ヘッド側の過剰な共振とその影響を受けなくなる意味も大きいはず。

デッドポイントの解消、全ポジションにおけるバランスの良い鳴り、サスティーンを得られるように活きてくれれば、非常に心強い。

 

「ネックの鳴りが凄い!」とかついつい言いたくなってしまうけれど、ベースにおいてそれを過剰に求めるのはどうかと思う部分が多々あります。

ボディが鳴らずにネックばかり鳴って音が軽い、ポジションによって露骨に音がつまってしまうなど、こういうのは個人的には勘弁。

 

そういった意味でヘッドレスというのは、

 

『均一感』

 

これについて一役も二役も買ってくれるはず。

 

全音域のバランスが良い快適さというのも素晴らしいもの。

それが淡白さを感じさせる要因になってしまうとも考えられますが、それはもう各々の受け取り方、好みの問題ですよね。

 

人間ってのはわけが分かりません。

 

「すげぇバランス良い!つまんねぇ!」

「クソだわこれ!最高すぎる!」

 

こういうのも割と当たり前にある感覚でしょう。

 

 メリット、デメリットは自分で判断するしかないというのが結論と本音。無責任なようですが、これも醍醐味ですよね。

高級スペックだから良いってわけじゃない、最高に面白い部分ではないかと。

 

個人的にヘッドレスに期待・妄想する事

 

独断ではありますが、

 

・素晴らしい均一感

・豊かな鳴りと味わい

・自然で破綻のない演奏性

 

こういった部分を高度に両立、融合させている楽器というのがやはり、評価が高くなる傾向があると感じます。

 

そこで自分が選んだのがジラウドベース。生楽器としての部分だけではなく電気的な面での昇華も素晴らしい。

オリジナリティと実用性、魅力に溢れた楽器だと確信。感覚的に美味しい部分と道具としての合理性を実に見事に兼ね備えています。

 

正直言えば、ヘッドレスの必要性は感じないし、実際、デッドポイントだらけのヘッドレスを持っていた身としても、実はその恩恵に疑問を覚えるのが本音。

ふにゃふにゃなネック、精度の粗い仕上げ、根本的な欠陥など、それがヘッドレスだからってクリアできるわけがないですよね。

 

「ヘッドレス=軽量」ということも成り立たないし、逆にバランス悪く扱いづらいだけで終わっているものも数多くある印象を受けます。

だからこそ、その恩恵を活かしきった楽器、攻めた存在かつフェンダーから離れすぎていないベースが登場しないものか、そんな妙な夢を見てしまうところ。

 

またジラウドの話になってしまいますが、ネック側の過剰な振動を抑える目的+豊かなボディ鳴りを得るためのディープジョイントが同社の肝だと認識していますし、今でもそれが変わることはありません。

しかし、当のジラウドがその常識を打ち破り、通常のフェンダースタイル、ノーマルジョイントでディープジョイントに匹敵かそれ以上のことをやってのけているのが今現在。

その可能性を目の当たりにした身としては、ヘッドレスの世界にもまだまだ多くの可能性が眠っているんじゃないかと期待をしてしまいます。

 

よりバランスを良くするためだけではなく、より豊かなボディ鳴りを得るため、充実したサウンドを実現するため、そんな狙いでヘッドレスを追及するのも面白いはず。

高度なサウンドを実現しつつ、より快適でストレスのない演奏性を確保することができたら、こんな素晴らしいことはありませんよね。

 

『究極の合理性』と評すると淡白な響きになってしまうようですが、人間的な不確定要素にまで応える、受け入れることまで想定するという、そんな楽器があったらめちゃくちゃ面白い。

完全なる妄想、夢物語というものですが、ベースの世界にまだイケる何かがあるのは間違いんじゃないかと。

 

先日、あのネイザンイーストがヘッドレスの6弦を手に入れたというニュースを見て驚きましたが、まさしく多大な可能性を感じてしまいますね。

この際、それが自分の好みかどうかは問題ではありません。険しい道にチャレンジしてる楽器が増えてきてくれたら嬉しい。

イロモノでもなく無理矢理な差別化でもなく、堅実な進化形を見てみたい。

 

「練習と慣れだ!」というのも間違いないし、どちらかと言うと自分もまずはそれを主張したいタイプの人間。ただ、長く弾いていく中で強くなっていく思いもあります。

 

「ベースってさ・・・しんどくね?」

 

立つことすらできないぐらいに腰を痛めたこともある我が身。努力と根性で済ますには厳しい現実も直視すべきかと考えもします。

 

求めることは割とシンプル。

 

・超弾きやすい

・超音が良い

・超格好良い

 

単純だからこその無理難題だけど、ヘッドレスには何か可能性があるんじゃないか、勝手に無責任に期待をしてしまう次第。

 

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