History SZP-2M ミディアムスケールのプレベ
短いスケールへの心残り
前から気になってたプレベをついに購入。いや、久しぶりにベース買った気がしますね。偶然か必然か、お得な出物があったので即決しました。
以前から何度か話しているように、短いスケールのベースが色々気になっている自分。新たな可能性を感じるというよりは「心残り」ですかね?
真面目に作られているものがほとんど存在していない印象が強い為、そのモヤモヤをどうにかしたいとずっと考えていました。
ただ、そこでいきなり冒険するのはちょっと違う。オーダーメイドで贅沢の限りを尽くすよりもやるべきことがある。
まずはスタンダードな方向で作ったらどうなるのか?それを知りたかったわけですね。
そこで気になってたのがヒストリーのプレベ。ジャズベも気になるんだけどせっかくなら持ってないタイプがいい。
これでようやく色々チェックできるって感じです。
実際に弾いてみた感想
なんて言えばいいんでしょうねこれ?
ある意味、拍子抜けってことになるのかな?
『普通』
想定していたよりも遥かにノーマルな感覚。
「新たな可能性」やら「未知への挑戦」など、そういった大ごとが伝わってくる感じではありません。
こんな無難にまとまってるものなのか、当たり前に存在してていい楽器じゃないか、脱力しちゃうぐらいだったりして?
少なくとも、
「初心者向けの安物!」
「ゴミ同然オモチャ!」
「女子供の軟弱仕様!」
こんなことはまったく思いません。
音が痩せると禁忌扱いをするようなものではない。
もちろん、
「お、コンパクトだ」
「フレット間隔狭いな」
「やっぱ短けぇなこれ」
こういうことは感じます。
この差を大きく実感する人がいても不思議ではなさそう。
でもやっぱり自分的には、
『普通感』
これにびっくりした次第。
スケールを短くすることを頑なに拒否したり、楽器として出来損ない扱いしたりなど、そこまで気嫌いするような理由があるのだろうか、かなり疑問が湧いてきます。
もっと詰めていけば絶対良い楽器になる、その確信は得られたと思います。
スラップしたって特に問題なし。
スケールが短い=楽ではない気もする
自分の感覚から言うと正直、そこまで楽になる印象はありませんでした。楽になるどころが違和感の方が強い面もあるぐらいだったりして?
弦の張り一つにしてもそうですが、アタック、立ち上がり、タイミング、発音など、それが明らかに変わる為、使いこなしたいのであればこの楽器に完璧に合わせないと駄目だなと。
短いから初心者向きなのかって、実は全然そうじゃない気もします。
・確実に弾かないと良い音になってくれない
・力んで弾くと音がすぐ潰れてしまう
・押弦が甘いとサスティーンがすぐ苦しくなる
でっかい楽器をドーン!と鳴らすのはある意味じゃ簡単。一方、小型でパワフル、馬力を出すのは難しい。
しっかりした技術で弾かないと量感が出てくれない。そんな難しさがあるなと。
その辺りを実感してみて、スケールを短くする方向性が避けられてしまう理由が何となく分かった気がします。
弾き方を変えずそのままの感覚で行くからおかしい。期待するものの方向性がずれている。慣れてない、使いこなせていないまま判断してしまう。
よく知らずのまま認識が浅くなったり、誤解が生まれるのではないかと想像。
自分も含め、多くの人が扱い方を分かってない、作ってる方もいまいちポイントが掴めていない、そんな問題が非常に大きいんじゃないかと思います。
だから中途半端な扱いで終わってしまうのかもしれません。
この楽器自体のクオリティはどうなのか?
値段的なことをあえて除いて話すのであれば、
・もうちょっと良い木材にしたい
・セットアップをちゃんとしたい
・バランスがいまいち
大まかに気になることを挙げるならそんなところ。
見た目は綺麗でよく出来ています。定価で5万円前後ぐらいなのかな?だとしたらかなり頑張ってる楽器と言って良いんじゃないかと。
一方、大満足なクオリティかと問われたら答えはNO。
トラスロッドの効きが期待通りではないのがまず痛い。調整口がヘッド側なのも個人的には好みではない。
持った時のバランスについてもあまり好きではありません。ヘッドが大きく重いままなのでもうちょい工夫が欲しい。
だからこそのスタンダード感、鳴りなのかもしれないけど、フルスケール感を過剰に求めるのも何だか本末転倒、ちょっと違う気がしてしまいます。
もっと頑丈でバランスも改善、それだけでかなり良くなりそうなのは確か。ただ、そうするとコストが上がってしまうのも間違いなさそう。
会社としてもユーザ的にも微妙になるのは困る。セットアップにしても正直、デフォのままはいただけませんでした。
前オーナーが変更した可能性も高いですが、そういう問題ではないだろう点が結構あります。
自分がいじるとしたら、
・ブリッジの位置
・駒の調整
・ナットの溝
・ネックジョイントの処理
このへんは確実に変更したいかな?
見た目には綺麗でよく出来ているけど、決して弾きやすいわけではなし。
道具として頑丈で安心かと言うと、手放しでOKということにはなりません。あれが惜しい、これが惜しい、その「惜しい」ってやつがどんどん出てくる感じ。
値段を考えれば十分及第点、良い時代になったもんだと感心してしまいますが、楽器としてさらに上を求めるのであれば、もっと贅沢を言いたくなってしまうのが本音。
マッチングヘッドとかミントグリーンのピックガードとかイカしてますし、ネックジョイントやザグリとか見ても流石は国産だと言いたくなります。
でもやっぱり、個人的にはもっと肝心な部分、長い目で見た使い勝手や音の方を優先したくなりますね。もっと頑丈で弾きやすいよう、実用性の方を重視したい。
綺麗に見せる分をもっと頑丈なネック、詰まったボディなど、できればそっちに回してくれることを期待したくなっちゃうかなと。
面白い存在なのは間違いない
フルスケールのサウンドを求めるのはやっぱり違うと思うのは確か。もっと高いクオリティで作ってみないと分からないことも多そう。
ってことは、可能性は感じるのは間違いない事実。何も興味が湧かない、これっぽっちの面白みもないんじゃケチ付ける気にすらなりません。
「短いスケール=使えない」なんて安易に考えるべきじゃない。ろくに試しもせず全てを否定するなんてのは明らかにおかしい。
ミディアムケールは使えないゴミなんてことは有り得ない。分からない部分が多いからこそ、もっと試行錯誤していくべきなんじゃないかと強く感じます。
日本人が大型の楽器を求めたり、せっせと本格派を目指そうと頑張ってる中、海外の方から33インチとか出たり小型のベースが発展していったり、それにどうにも納得ができない自分。
前述した通り、短いからと言って必ずしも楽になるわけではないけれど、でもやっぱり、そこに確かな違いは存在するのは間違いありません。
それこそ、1フレット1フィンガーの押弦とかやると露骨ですね。感覚的にこんなに変わるものか、改めて痛感。
長い方が音が良いってイメージするけど、そうやって必死こいて指を広げて得るものって本当にあるのか、ちょっと考えてしまいます。
イメージ先行で苦労したり、不利な条件を自ら求めたりそれに酔ったり、なんかこうそういうのって釈然としない。
短いスケールを自分が実際に使うか、絶賛するかどうかはともかく、もっと多くの選択肢があったら面白くなるのは確実でしょう。
もっと立ち上がり良く、発音良く、ピッチ良く、バランス良く、とにかく頑丈、そんなミディアムスケールのベースがあったら絶対楽しい。
今の世の中、それが実現不可能なんてことがあるわけない。
「短いスケール=安易な逃げ」とか「初心者向けの安物」だの、そういう偏見まみれに見下しては作らないでほしいですよね。
「もっと攻める為の短いスケール!」
こう断言するぐらいのベースが登場してくれたら面白い。
強烈にパンチ効いたやつの登場の期待したい。
ミディアムスケールのベースでやりたい事・やってみたい事
ブリッジの交換 弦の裏通し
「張りを出す」
「締まった音が欲しい」
「鳴りを良くしたい」
こういった効果を狙うであろう弦の裏通し。
ただ、個人的にはその点に過度な期待はしていません。
それより、
「普通の弦を張りたい」
これを目的に裏通しにしたいなと。
短いスケールのベースの問題点については、この画像を見てもらえると分かりやすいでしょう。
通常の弦を張ると太い部分まで巻き付けることになってしまう為、それがいただけないわけですね。
ミディアムスケール用の弦を買えばいいってツッコミもありそうですが、その肝心の選択肢がとにかく少なくて嫌になります。
過剰に太くても細くても困るし、できれば慣れた感覚で弾きたい。違和感なくそのまま弾ければその方が嬉しい。
そのために裏通しにするというのも何だか変な話ですが、鳴りや張りに対するメリットにも一応の期待をする意味でも、やってみたい方法なのは間違いありません。
とりあえずいつも使ってる弦を違和感なく張りたい。
そこからスタートしたいですね。
PUは直線タイプの1PUにしたい
「直線タイプ」と呼ぶのが適切かどうかはともかく、ジャズベタイプやミュージックマンタイプなど、ああいうタイプの方が良いんじゃないかと思いました。
要するにプレベタイプじゃないやつ、スプリットスタイルのPUではない方が良さそうかなと。
非常に巧みな小型化だと感心したヒストリーのプレベ。しかし、弾いてて何となく違和感があったのは、低音弦と高音弦側の音の違い。
プレベの構造上、仕方のないことなんですが、ミディアムスケールだとその違和感がちょっと強めに出るような、そんな印象がありました。
PU自体はフルサイズのものと同様のサイズ。
だからこそなんでしょう。パーツの流用までよく出来ていることが仇になってか、その分だけPU位置の差、音の違いが生まれてしまうのかもしれません。
断定拒絶するほどの違和感ではないけれど、バランスを良くする意味ではやはり、直線タイプのPUの方が理にかなってるんじゃないかと感じます。
ボディサイズが小さくなる分、大きなハムバッカーとかを二つ付けちゃうとザグリばかりになりそうなので、やるなら1PU、もしくはシングルコイルでJJが良さげ。
それ言っちゃおしまいってやつですが、
『ジャズベ』
プレベだけでなくこっちのミディアムも弾いてみたくなりますね。
ヘッドの軽量化・小型化
フェンダーの音からは遠ざかってしまう可能性も高いですが、自分としてはよりバランスが良くて扱いやすい方を歓迎したいところ。
フェンダースタイルでペグも大きく重い場合、やっぱりヘッド落ちしたり、弾いてて無条件に疲れちゃうし、そういった違和感を放置するのはいまいち。
慣れの問題では済ますのではなく、根本的な解決を図りたくなります。
ヘッド側の干渉を露骨に受けてしまうのも困るし、それでデッドポイントが発生してしまうのはいただけない。
ネックそのものの強度など、様々な要因が考えられるのも確かですが、なるべく設計の段階で良い方向にクリアしたい問題でもあります。
ただまぁ、見た目の問題もありますし、そうそう簡単にヘッドを弄れるわけもない為、とりあえずやれることと言ったら、軽量ペグに交換することかな?
ハンドルが大きくかつ接地面はコンパクトなヒップショットとか試してみたいですね。加工は必要になるけど、ヘッド落ちを防ぐにはかなり効果的なはず。
もっと選択肢が欲しいぞミディアムスケール
自分のわがままの期待通りと言いますか、なかなか良い感じの手応えを感じるミディアムスケール。
誤解を承知で言うならば、
『中途半端』
これが非常に魅力的。
「何言ってんだ?」って話なようですが、絶妙に半端で使える面白いベースってのがないものなので、逆にそこに光るものを感じてしまったり。
自分の中で完成されたベース、理想形はジラウド。それこそジラウド一本だけでも本当は良い。他の選択肢はほぼ皆無になっています。
しかしまずいことにわたくし、これなんですよね。
『幼稚なオタク』
時にはギターっぽくなりたかったり、めっちゃくちゃ速く弾いてみたくなったり、地味に尽くすだけのベースは嫌だとか、そんなチンケなものを抱える事実。
例えばこの動画。ヒストリーのプレベにピッコロ弦を張り、そこにピッチシフターと歪みを加えてギターの真似事をば。
ジラウドベースは確かに良い。本当に素晴らしい楽器。メインベースとして10年以上弾き続けています。自分の中ではこれ以上ない存在として君臨しています。
一方、お手軽な楽器かと言われると、素直にそうとは言えなくもなったり。遊びを入れるにはちょっとシビア。もうちょい緩く弾きたくなることがあるのも正直な話。
スケールの変更をお願いするのも気が引けてしまう、スケールを短くすることに興味を持ってくれるとも思いません。
まぁ、それはジラウドに限った話ではありませんし、本気でやろうと思ったらどこかにフルオーダーするしかなさそうです。
それでも真面目に付き合ってくれるかは分からないし、作り手の方に偏見があったらその時点で結果は微妙になりそう。
だから本当、その厳しい現実がちょっと寂しく感じますよね。
もうちょい選択肢がないものか、もっと評価されていいんじゃないか、興味を持たれていいジャンルなんじゃないか、手が出しにくい状況が何とも歯痒い。
中学時代から続く未練、その答えが欲しいというのもありますし、もっともっとミディアムスケールで何か出てきてくれないかと願い続けてたりします。
33インチも30インチもなんか違うんですよね。欲しいのはやっぱり32インチのミディアムスケール。それでガツンと来たら最高だなと。
生涯弾くであろう納得いくベースをすでに持っているからこそ、目から鱗の衝撃的な一本に出会ってみたい、更なる発展を期待したいジャンルです。
オリジナルマガジン
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