ベース・4フィンガースタイル
フィンガーランプ必須
あくまで自分の場合ですが、4フィンガーやるならランプ必須。
賛否両論あるアイテムとは思いますが、お説教みたいなのは無視していいでしょう。道具を使うのは邪道だのなんだの、それ言い出したらキリがありません。
PUフェンスも否定、ピックガードも否定、スポンジミュートも否定、ピックも否定、弓も否定など、道具を使うこと全てを否定しなければいけないとかアホらしいですよね。
それを使うことでより効率的に都合よく弾けるなら遠慮せず使うべき。諦めてすぐ挫折しちゃうより希望と楽しみを得た方がいい。
その結果、「必要ない」と判断したならそれで良いじゃないかと。実際に使いも試しもせず否定するのは愚かな行為でしょう。
4フィンガー初心者ですが、ランプがあれば何とかそれっぽくは弾けます。
元々、【薬・中・人差し指の3フィンガー】と【親・人・中指の3フィンガー】をやっていた身なので、ちょっと動かす分にはそこまでの違和感はありません。
弦飛びなども高度に使いこなすとなると話は違ってきますが、超絶難度なイメージをする必要はなく、やってみれば意外とできるものだと認識しています。
その実感のためにも、フィンガーランプは強力に効果を発揮してくれますね。
実はそこまで速弾きに向いた奏法ではない気もする
やってて強力に思ったのがこれ。爽快感のある速弾きという意味においては3フィンガーの分かりやすかったり、サウンドとして力強くもあるかなと。
4フィンガーにおける問題点を簡単に考えると、
・弦を押し込んで弾くのが難しい
・どうしても軽いタッチになりやすい
・音程感も粒も悪く団子になりがち
こんな課題が出てきます。
太く充実した音との両立は困難を極める印象。 全ての音をボトム豊かにしっかり完璧に鳴らすというのは、現実的ではないのかもしれません。
加えて、『速弾き』という意味においてもやはり、そこまで爽快ではないように感じるんですよね。どうしても複雑な動きになってしまう分、自由を確立するのがめちゃくちゃ難しい。
シンプルな奏法、動きやすい方法を選ぶからこそ、複雑なフレーズに対応しやすくなる面って絶対ある。
例えばの話、
「2フィンガーとかもう古い!」
「こんな効率の悪い奏法なんか必要ない!」
「2本指じゃ難しい事は出来ない!」
こういう発想にはなりませんよね。
その辺り考えてみると、「4フィンガー奏法=超絶速弾き専用!」とはならず、それを目的にしてしまうと限定的な奏法になってしまう可能性が高くなる気がします。
案外、4フィンガーの魅力・醍醐味って速度そのものではないのかなと感じる次第。
パーカッシブなサウンドとドライブ感が魅力
前述までの流れだと、「じゃあ何が魅力なの?」ってことになりますが、そこで自分が感じたのがまさにこれ。
・打楽器的なニュアンスと弦楽器ならではの唸り
・その二つが音程を持って絶妙にミックスされた気持ちよさ
これが4フィンガーの大きな魅力なんじゃないかと。
やはりと言いますか、マシュー・ギャリソンがこの辺めちゃくちゃ上手い。
4フィンガーによるコードワークも素晴らしいけど、グルーブのアクセントやニュアンス付け、「ここぞ!」って時に駆使する4フィンガーの迫力がとにかく凄い。
華麗に速弾き、綺麗にアルペジオ、そういうのも凄いけど、荒々しくパンチ効かせたり、エレクトリックベースならではのドス、攻撃的なサウンド要素も叩き出してくるのがマシューの魅力。
そう考えていくと、ただ単に太い音を出そうとか音程感よく綺麗に鳴らそうとか、そういうのばかり目指すのはちょっと方向性がずれてるのかなって疑問も湧いてきたり。
極端に言えばスラップの打音、プル時のアタック感など、それに匹敵するぐらいの出音の強さを求めても良いのかもしれません。
単純な音程、実音を鳴らすだけではなく、パーカッシブなニュアンス、ドライブ感、ハジけるイメージも求めた方が奏法としてぐっと面白くなりそう。
「とぅるる~ん♪」ってんじゃなく、
「ドギュルルルルル!」
細かい音が塊になって炸裂、流麗とは異なるアグレッシブなサウンド。
「2フィンガーでも同じスピードで弾けるから必要ない」ってな話じゃなく、別の表現方法、別のタッチと考えるのも方向性の一つだなと。
2フィンガーと同じサウンドやニュアンスを求めてしまうから何かしっくりこない、音が痩せてしまう、バラつきが気になってしまう、使い道も分からなくなってしまうのかもしれません。
自分がまさにそうと言うべきか、半端に綺麗に弾こうとしてつまらないタッチとサウンドになってしまう、それが挫折の原因、かえって実用性を失う要因だったのかと考えさせられます。
「器用に全部の指を使う!」ではなく、
『4フィンガーならでは』
これをもっと研究すべき、理解すべきだったと反省。
衝撃のマシュー・ギャリソン
ブルーノート東京で行われた来日ライブ。真ん中、前から2番目の席だったかな?ま~、とんでもないもん目にできました。
びっくりしたのはそのタッチコントロールの上手さ。小さな音も大きな音も音質も自由自在。「ランプ付きでそんなダイナミクス出せるの!?」って驚愕させられたの何の。
その時の印象で強烈に残ってるのは、
「あ~上も使うのかぁ」
これは本当に感心しました。
どういうことかと強引に簡単に言いますと、
『弦を持ち上げる』
これが異常に上手かった。
フィンガーランプ付きのベースの場合、弦を押し込むことが物理的に難しくなるし、その限界量も決まってしまう面があります。
ところが、
「押し込めない?だったら上も横も斜めもあるわい!」
縦方向以外の弦振動を物凄く上手くコントロールしていると感じたわけですね。
でもって、もう一つ強烈なインパクトを感じたのは、
これがヤバかった。
もうほんと、スラップとか耳に痛いぐらいだったのが印象的。ほんの軽く触れただけでも音が飛ぶような、鋭く抜けていくような、そういうセッティングなんだろうなと。
言うまでもなく、これってコントロールがめちゃくちゃ難しい。下手なプレイヤーが弾くとうるさいだけで最悪。聴けたもんじゃないリスクと常に隣り合わせ。
それをああまで見事に操るか?音楽として成立させるか?他の強烈な楽器群と対等にバトるにはあれぐらいのインパクトが必要なのか?モンスター操れるぐらいじゃないと勝負にならないのか?実に様々考えさせられました。
まさに超一流。
ワールドクラスの凄みをまざまざと実感したライブでしたね。
ちなみにですが、自分が通っていた音楽学校の恩師の一人、その方がバークリー時代にマシューと一緒に授業を受けていたことなんかがあったらしく、その話も非常に印象的だった次第。
超絶技巧どうとかではなく
「あいつはグルーブが凄ぇんだよ!」
まず聞かされたのはこれ。
自分がマシューのことを全然知らなかったのもあって、「へぇ~そんなグルーブが凄い人がいるんだ~。」と認識してましたし、4本指どうとかテクがどうとかそういうイメージを全くしてなかったのが面白い。
要するに、
「そもそもが違う」
単なるハッタリプレイヤーとは別次元のところにいるんだと納得。
実際に観てもほんとそう、音の強烈さが全然違いました。せこせこ、こまごま弾くんじゃないド迫力の4フィンガー。
そりゃ簡単に真似できるはずないわと痛感。弦を軽く撫でて終わりって弾き方じゃあれは絶対に真似できません。
どうやって身に付ける4フィンガー?
奏法についての具体的な解説をしてませんが、それもそのはず、まだ自分もよく分かってません。
前述の通り、単純な速弾きへの利用より、パーカッシブなサウンドやドライブ感のあるニュアンス付けに活かした方が魅力的に思えます。
自分の好みの方向からすると、そもそも認識を誤ってたのかなと感じたのが正直な話。
ただ、それで話が終わっては面白くないので、個人的に強く感じたポイントでも。
『左手のコントロール』
これですね。
右手左手一体。絶妙な操作を行わない限り、微妙な奏法で終わってしまいそうです。余計な音をミュートするためにも左手のコントロールは必須。
他の弦に触れてしまいがちなのも4フィンガーの難題。攻略、習得を志すなら、左手との連携をより高める必要があると考えます。
強力なセッティングを自在に操るにも、左手が弱いんじゃ話にならず。音程感、アタック、立ち上がりなど、実に多くの面で左手の強さ、巧みさが問われてくるのは間違いありません。
ついつい右手のことばかりを気にしてしまいがちですが、そこはやはり、ベースって両手を使って弾く楽器。その絶妙なコンビネーションなくして、どう高度な奏法を身に付けるのか、基本を問われます。
ただ、あまりにシビアに構えすぎるのも考え物。
「4フィンガー難しすぎる・・」
「4本指なんて出来るわけない・・」
「そんな動くわけないじゃん・・」
なんて苦悩して潰れそうだったら、考え方をちょっと変えてみるのもおすすめ。
「指なんか当たり前に動かしてるじゃん」
一回、脳を気楽にさせるのも良い。 全部バラバラに独立させようとしたり、超複雑な動きをしようとするから難しいのであって、そこをシンプルにまとめちゃう、楽器なしで動かしてみるのも有り。
例えばの話、まず手をパーに開いてみましょう。そして親指をたたみます。『数字の4』をあらわしている形ですね。
次に人差し指、中指、薬指と順番にたたんでいきましょう。特に何も考えず出来る動作のはず。
ってことは、
『動く』
『動かせる』
『動かせてる』
「指が動かない・・」なんて嘆く必要なんてなし。すでに使えちゃってるんだから、後はそれを楽器用に馴染ませていけばOK。つまりは4フィンガーできるようになる。
誰だって指を動かせるんだから無理なわけがない。拳が握れる、数字にできる、ジャンケンができる、みんな一瞬で動かせてます。指が動くことは確定してます。
親指から薬指までの一連の動作を体に馴染ませてしまえば、感覚としては意外とシンプルな奏法にできる可能性もあり。
自分の体、各パーツをロボット的に完全独立運動させようなんて考えず、まとめてスムーズに動かせる流れを作っちゃえば良い。
そんなこんな、4フィンガーにも楽しく取り組んでいきたいところ。
独自の魅力がある面白い奏法ですね。
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