フレット数について考える
前から同じようなことを話してはいますが、またちょっと触れてみようかと。ベースの選択をする上で実はかなり重要なポイントだと、自分は捉えています。
21か24フレットがスタンダードな時代
フェンダーのコピースタイルではない場合、そのほとんどが21フレットか24フレットを採用しているであろうベースの世界。
自分も実際、20フレットの楽器って一本しか持ってません。フェンダースタイル、普通のジャズベですね。
ジラウドのメビウスJBも所有していますが、つば出し指板の21フレット。同社で20フレットのモデルというのは、Super JBかパッシブシリーズぐらいしかなさそうかな?
恐らくどこのブランドを探してみても、
「うちは絶対に20フレットしか認めん!」
みたいなこだわりがあるところは、そうそうないですよね。
それをしかもフェンダーコピーの意味でなく音へのこだわりで採用してるなんてことは、ほぼ皆無なんじゃないかと想像します。
大は小を兼ねるとはいかない世界
表面的な要素で判断する場合、音域が広いに越したことはないと思ってしまうものかもしれません。
開放弦の2オクターブ上まで出せてキリがいい意味でも、24フレットならではの自由度と扱いやすさが存在するでしょう。
一方、音的なことを考えた場合、正直言って20フレットと24フレットでは別の楽器のような印象すら受けるところでもあります。
独断から言うならば24フレットの音はあまり好きではありません。
弦を押しこんで弾くスタイルである自分の場合、24フレット以上になってしまうと不都合な面もあります。
他にもあれです。スラップ派なんかはこのあたりにうるさいんじゃないかと。20フレット付近と24フレット付近でスラップするのでは、音にかなりの違いが出ますよね。
24フレットまである場合、PUも近くなっちゃって邪魔に感じたりもしますし、PU位置がおかしくなって変な音になる楽器もある印象。
とあるスラップ好きな人の話はなかなか面白いものでした。
「24フレットあたりで叩くと変なハーモニクス成分が入って嫌だ!」
これはなるほどと思っちゃいましたね。
神経質なだけなのかもしれないけど無視するには違和感がある。開放弦が気持ち悪いのはスラップにおいて致命的と言えば納得。通る理屈がある気がしてしまいました。
事の真意はどうあれ、様々な点な見てフレットを増やす影響というのは想像以上に大きなものだと自分は捉えています。
「沢山あった方がいいや」
とは言えない、意外なほど深い世界ですね。
フレットが少ないメリットは?
強引にまとめると、
『音が太い』
これかなと。
異論・反論あって当然ですが、そう否定もできないはず。
で、なぜ音が太くなるのかを考えると、
・そもそもフェンダースタイルは良い
・PU位置に自由が利く
・ネックが短くなる
・弦を自由に振動させやすい
簡単にまとまるとこんな感じなのかな?
フェンダーのプレベとジャズベが優れた楽器であるという、それを否定するのって無理でしょう。嫌いだ苦手だって言うのは分かるけど、 その存在を認めないってのはちと厳しい。
まぁ、この例を出す場合、フレット数そのものに関する話になってるのかどうかという、そこが問題になってしまう面もあります。
でも、20フレットや21フレットを選択する時点でフェンダースタイルの方に寄っていくのは必然か、 比率としてはやはりジャズベースタイプが圧倒的に増えていきますよね。
それゆえボディがしっかりしている、 ネックが短くなる、ジョイントを無暗に削らない点も大きく関わってきそうかなと。
24フレットの場合、単純にネック自体が長くなる時点で条件的にかなり異なるように思います。
ジョイントを大胆に削ったり、深いカッタウェイを入れるのが当然だったり。ボディデザインに無理が生じる面を感じてなりません。
強力そうなシングルカッタウェイと言えど、裏側はざっくりと削ってあることが普通だったりする為、本当に構造的に頑強なのかどうか疑問が湧くところ。
弦振動の問題については縦振動のタッチの習得を志してみると、その大切さにより深く気付いていくことになります。
と言うか、楽器の構造についてもそうですね。
・より太い音を出すにはどうするか?
・よりボディが鳴るようにするにはどうするか?
・より立ち上がりの良い音にするにはどうするか?
そのあたりを研究していくと24フレットにデメリットの方を覚えるようになっていくはず。
色々トータルしていくと、フレット数が少ない方が太い音を出しやすいということが絶対あると感じます。
例えばビリー・シーン
言うまでもなく超絶なプレイヤーであるこの人。 しかし使用するベースは小型でテクニカルという印象ではありません。
彼のようなスタイルのプレイヤーが24フレットのベースを使わないのは不思議な気もするところ。興味深いと言うか、違和感があってもおかしくない話ですよね。
ギターのような方向性にして弾きやすさを追求するのとも違う。音域をどんどん拡張していくスタイルを選ぶわけでもない。
様々なこだわりがあるのか、ただの慣れとノリなのかは分かりませんが、いずれにせよ、必ずしもフレットを増やすのが正解ではないことを示している例と言えるでしょう。
前述したことから述べるのであれば、PUの位置の問題も大きく絡んできそうです。24フレット以上では根本的に実現が難しいことが出てきてしまいます。
実際いいの? 20フレット? 答えは「良い!」
断言してもいいんじゃないかってぐらい、自分的に好きな傾向を感じますね。
Eの音まで確実に欲しい為、20フレットの楽器を使うことはなさそうですが、24フレットと比較した場合、明らかに20フレットの方が好きであると言えます。
フェンダースタイルが良いってのも大きな要因だとは思いますが、その要因の一つとして『フレットが少ない』こともあるはずなんですよね。
ジャズベアレンジな24フレットのベースとかも有りはしますし、前に持っていたこともあるけれど、やっぱりなんか全然違いました。
正直言って、
『別の楽器』
この印象が強い。
これは本当、21フレットと比較しても違いがあるかなと。なんか良いんですよね20フレットって。
よりシンプルになるって意味でもそう。楽器の響きにしてもそう。独特の鳴りと言うか、ベースの基本スペックがまさにこれなのかと考えさせられる次第。
フェンダースタイルそのものが良いのは認めるべき事実。安易にいじるとやっぱりその分の影響が出る印象が強い。
固い見方かもしれないけど実感としても否定できない面がある。
ベースの音域拡大が当たり前のようになってきている時代だからこそ、逆にフレットを減らすことがもうちょっと注目されてもいいんじゃないかって気はするところ。
余談ですが、マーカス・ミラーが【Panther】という曲で足りない高音域をタッチハーモニクスで弾くのを聴いて、
「流石だ!」
納得するしかありませんでした。
愛機を持ち替えるのではなくテクニックで補って出してしまう姿勢が素晴らしい。
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