フレットレスは低い弦高が意外と好き バズも美味しい不思議

フレットレスと低弦高

低弦高とバズ

 

『バズ』

 

弦高を低くするとこれが気になってきます。太い音を出そうにもフレットノイズ、アタックや倍音の方ばかりが目立ってしまったり、いまいち腰のないサウンドになりがち。

適正なタッチで弾けば問題ないと思う一方、弦の振幅が小さくなってしまう問題も無視できません。これはもう、どんな理屈をこねたって絶対に起こる変化でしょう。

 

振幅が大きければ良いというものではありませんが、現実、低い弦高で太くパンチのある音を出すのはなかなか難しい。

高度な演奏技術はもちろん、楽器本体、周辺機材にも非常に高いクオリティが求められる。無神経にただ単に弦高を下げるだけだと大体失敗。

 

良い結果を得るには妥協が許されないと痛感させられます。

 

美味しいバズトーン

 

フレッテッドのバズはあまり好きじゃない自分。濃密な低音、実音を出したいにも関わらず、フレットにぶつかることによってそれがミュートされてしまうのはよろしくない。志すのは低音の塊。バズまみれなんて音は出したくありません。

一方、フレットレスについてはこれがないと寂しく感じたりもするから不思議。その絶妙な音詰まり具合、倍音など、それが加わることによって独特なサウンド、生々しいニュアンスが生まれるから面白い。

 

エレクトリックベースでジャズを弾こうとする場合、コントラバスなサウンドを目指したり、ブンブンぶっとい音を目指したくなったりします。

でもそればかりがベースの表現方法ではありません。あえてちょっと腰高な音を出すのも実にユニーク。ジャズベで言えばリアPUメインのサウンド。フレットレスならそれがより美味しくなる。

 

分かりやすい例がジャコ。分かりやすいと言うか第一人者。スタイルを定着させた人。

クロスオーバー、フュージョン、コンテンポラリー、エレトリックならではのサウンドを求める場合、バズも混じった重すぎないフレットレスサウンドが大活躍してくれます。

リアルではなくファンタジック、具体より抽象、浮遊感や流れを表現するのに「ブン!ブン!ブン!ブン!」なんてベースサウンドが的確かと言えば答えはNOでしょう。

 

メロディを弾くにもこういうフレットレスって良いですよね。簡単なフレーズを弾くほど、その特性の際立ちを感じもします。どんなに文明が発達しても恐らく機械では再現不能。特権と言っても過言じゃない。

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ネックはなるべく真っ直ぐにしたい

 

美味しいバズトーンを求める場合、ネックの状態にはシビアになった方が良いでしょう。特定のポジションに特定のバズを与える、ピンポイントで狙う、そんな絶妙なセッティングを見つけるのも有りですが、標準となる状態を把握、安定して保てるに越したことはありません。

どのポジションでも使える音が出てくれる、タッチで音のコントロールができる方が安心。場所によって露骨に音が詰まる、使い物にならないなど、それは結構なストレスになります。

 

個人的な好みで言えば、ほんの僅かに順反り状態が好きではありますが、それは選択肢があるから出来るのであって、全く真っ直ぐにならない、状態が悪いのがデフォなんてことではまずい。

 

「ローポジしか使わない!ぶっとい音出てりゃいい!」なんて話であれば、かなり順反りさせるのも有りですが、前述した通り、それじゃやりづらいこと、合わないことってのがありますよね。

ジャズベのフレットレスについてはリアPUをメインにしたいし、ブンブン太い音を出したい楽器でもない為、繊細なコントロールができるセッティングにしたい。ピッチに向き合うにしても、ネックはなるべく真っ直ぐな方が条件的に良い。

 

・弦高を下げてもちゃんと音が出てくれる

・バズも美味しい表現方法になってくれる

・ハイポジションまでしっかり伸びやかな音が出る

 

これを求めるのであれば、しっかしたネックをしっかり調整したいですね。

 

理屈抜きの一本を求めるのも良い

 

・欠点があろうがなんだろうがこいつが良い!

・最高に美味しい音が出る!

・存在すべてが個性になってる!

・他は絶対考えられない!

 

そんなことを言える一本を持っているのであれば、もはや小細工は不要。もっとバランス良くしようとかするほど、逆に台無しになってしまう事態も考えられます。

 

60年代前半のジャズベをフレットレスにしたものを弾いたことがありますが、ああなると本当、デメリットもクソもなかったですね。

欠点から弱点から何から、あれもこれもそれも全部含めて世界が出来上がっていて驚愕。その楽器でしか有り得ない音が完成されてしまっていました

 

その個体に関して言えばまぁ、追い込みまくったセットアップが施されてたのも大きいとは思いますが、それでも全てにおいて完璧に均一にしたとか、機械的にまとめ上げたというものではありません。どうしたって緩いところを感じるし、扱いづらさもある。

現代の基準、よりバランス良くより端正に整った楽器を求めるのであれば、そこには該当しなくなってくると思います。

 

でも、そういうこっちゃないんですね。細かいところにツッコミ入れてデメリットを潰していったらああはならない。たぶん、高確率でつまらない楽器になっちゃう。

フレットレスって楽器には理屈じゃない部分を物凄く感じます。フレッテッドにだって同じことは言えるけど、より曖昧で感覚的になってくる印象。

弦高をちょっと下げ気味にしたり、バズを前提にした美味しさも追求したくなるのだから面白い。

 

故に正解がなんだか分からない。だから好きなようにするのがいい。完璧じゃないからこそ魅力がより際立つ、実に素敵な世界。ジャズベのリアPUを主体、要はジャコ系を狙ったサウンド。

以前は「ちょっとあざといかな?まんますぎるかな?」と敬遠もしていましたが、やっぱり良いものは良いですね。理屈抜きに好きなベースサウンドだと今は受け入れてしまいました。

 

好きな音を欲望のまま我がままに出す、それがフレットレスを楽しむコツ、醍醐味ではないかと考える次第。ハマりにハマると他を弾く気が失せる可能性もあるぐらい楽しい世界ですね。

 

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