パッシブ楽器には高いケーブルよりバッファ 音の差も効果も歴然

パッシブ楽器とバッファ その劇的な効果

論より証拠でまず動画

 

効果が分かりやすいよう、完全パッシブのベースにバッファを通してみました。アンプ側はあえて、ローインピーダンス入力にしてあります。

前半と後半で明らかに音が違っていますが一聴瞭然、前半がバッファOFF、後半がバッファONです。

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パッシブ楽器に対するバッファの効果

 

上記の動画、「前者の方がいい!」となる人もいるかと想像。

 

・バッファがない方が温かみがある

・何も通さない方が素直で良い

・後者はドンシャリで嫌

 

恐らくはこんな感想になるんじゃないかと

 

でも、実際の音を聴いた場合、高確率でひっくり返ってしまうでしょう。バッファを通さない方の使い物にならなさ加減にビックリするはず。

音量小さいわ、こもるわ、元気ないわ、前に出てこないわ、ま~酷いもんです。

 

どう弾いても音が変わってくれないぐらい、タッチへの反応も悪い。ニュアンスなんか全く出せないストレスにやられます。

良いところなんか一つもないと言っても過言じゃありません。

 

では、後者の方はどうか?

 

・ジャリジャリうるさい

・ギラギラしててやたら癖が出てる

・粗くて温かみがない

 

こんな風に感じるかもしれません。間違ってるどころか、正しい認識だとも思います。実際、このジャリジャリ感は自分も好きじゃありません。

 

ただ、アンプの反応としては実に正しいと認識しています。

 

・ブランド不明の安物PUの音

・ポットも解さずジャックに直結

・ネックは逆反り状態

・低弦高にしてバズも気にせず弾く

 

この特性が正直に出ている、それがハッキリ分かるのはどちらかと問われた場合、答えは言うまでもないでしょう。

 

バッファを通して弾いた後者は、

 

・PUと楽器本体の特性を正直に出力

・タッチの粗さもそのまま出ている

 

こう考えていただければ幸い。

 

酷いのはバッファの癖ではなく、楽器本体と粗めに弾いたタッチってことですね。

または、ベースとアンプを直結しているつもりが、実はケーブルの抵抗を受けまくってる、その不自然で嫌なピークが強調されているなんて考えるのもあり。

 

いずれにせよ、 電気的な悪条件が起こった場合、音が本当に変わってしまうのは間違いありません。

「バッファ=ドンシャリ」とか「癖がどうしようもない」みたいに認識するのではなく、現実的な問題、事実を知っておいて損はないと思います。

 

カットするのはそんな大変じゃないけど無いもののブーストは辛い

 

今回使ったベースの場合、ジャック直結な為、本体で音のセッティングをすることはできませんが、常識的な仕様であれば、カットの方向の音作りは簡単にできます。

ドンシャリ感、高域の癖が気になるようなら、本体のトーンをちょっと絞ってみると良い。

セッティング次第で甘い音も簡単に作れますし、うるさい音をマイルドにするのは、そんな難しいことじゃありません。

 

一方、最初からこもってる、全然抜けない、レンジの狭い音を弄るのは、色々辛い。出てる音を引くのは容易ですが、無い音を追加しようとするのは大変。

ハイを足そうとしてノイズが増大、ローを足そうとしてボワボワとか、もうお約束。そんな後付けを繰り返す音作りの沼にはまると、延々苦労するハメにもなります。

 

インピーダンスのアンマッチングを起こしてる場合、パッシブ楽器は素直で良い音がするどころか、全く意図しない劣化した音になる可能性があるから怖い。

無いも同然の高域を後から異常に持ち上げ、無理やり音抜けを良くしようするのは、かなりの無理筋。

 

そんな不毛な苦労をするんだったら、最初からそのまま出してあげれば良い。で、音に嫌なところがあったら、そこをカットして美味しく仕上げた方が圧倒的に楽。

物足りないところがあっても、加工もクソもなくヘタってる音をブーストするより、素直に力強く反応してくれた方が気持ちいい。

 

何もしなくたって絶妙に芯がある、美味しくまとまってる音というのも、確かに存在はします。

しかし、そんな都合よく手に入れられるものかどうか、お任せできるようなスタッフを抱えてる身なのか、よくよく考えたいところ。

 

あまりにも情報量が削られてしまってる音はどうにもしようがありません。気合入った音を出したい、しっかり伝えたいならばこそ、無視できない要因が存在します。

 

ケーブルやトゥルーバイパスにこだわっても・・・?

 

前述の動画で使ってるケーブルは、ジラウドオリジナル製品。

数万円の製品などと比較しても、このケーブルの方が圧倒的に好き。値段云々からは語れない、実にハイクオリティなケーブルです。

 

しかし、そんなケーブルを使ってたって、駄目なものは駄目。

アンプの入力インピーダンスが低いと、パッシブ楽器は悲惨。素晴らしいケーブルを使おうが、あんなことになってしまうのだから恐ろしい。

 

今回の場合、アンプ側の入力は【100kΩ】

パッシブだったらとりあえず【1MΩ】は欲しいところ。

 

今回使ったバッファの入力は【3.2MΩ】

数値の問題だけではなくシンプルかつ高性能なもの。

パッシブ楽器に絶大な効果を期待できます。

 

バッシブ楽器なのにバッファ皆無・・・おまけに長いケーブルを使用・・・トドメにアンプの入力はローインピー・・・

ま~、残酷無残、悲惨です。この壊滅的な音を歓迎する人はいないでしょう。意固地で偏執的なこだわりでもない限り、放置しない方が良い。

 

この辺り、「トゥルーバイパスの落とし穴」なんてことも言えそうですよね。 皮肉を言うのであれば、オールトゥルーバイパス状態より、

 

「音痩せなんか気にしねぇ!」

「エフェクターも通しまくり!」

「バッファ?知らねぇよ!」

 

こんな方が案外、遥かに安定した信号が届いていたりするかもしれません。

ワイヤレスだって馬鹿にできない時代になってきてますし、何をもってピュアな信号と言うのか、何を純粋な音だのナチュラルだのと認識するのか、冷静に向き合いたいところ。

 

こだわりたいのは薄い言葉やイメージじゃない

 

冒頭の動画も、アンプ自体の入力インピーダンスが高いのであれば、ここまで状況が酷くなることはありません。

長いケーブルによるロスがあるにしても、あそこまでの劣化はしないはず。

とにかく問題なのは『インピーダンスのマッチング』知らなかったとか無頓着では済まされないデメリットがあります。

 

「パッシブ最高!」なんてイメージに酔ってるだけでは、痛い目に遭う可能性があるのがこの世界。

ろくにメリットも知らず、意味も分からず、先入観だけでそれを言うのはどうなのかと、疑問が湧きます。

 

「アクティブとパッシブの切り替えが可能!」なんて楽器も要注意。

パッシブ時、ローインピーダンスのボリュームポットなどを通ってしまうのであれば、あまり良い状態とは言えません。

楽器内部の段階でインピーダンスのアンマッチングを起こしてしまうことになる為、状況はより悲惨なことになる可能性もあります。

 

もっと言えば、アクティブ楽器の楽器だって油断はできません。無神経な製品の場合、ローインピーダンス出力になっていないこともあります。

実際、友人が持ってきたアクティブのベースは、アンプのインピーダンス切り替えに対し、モロに反応してました。

高性能バッファとか言いつつ、ハイインピーダンス出力だったとか、そんな酷いペダルも実際にあったのでご用心。

 

音抜けやレンジの狭さなどの悩み、それを高級ケーブルやエフェクターのセッティングなどで解決しようとしても、根本的に厳しい状況がある恐怖。

そんなパターン、無間地獄にはまらないよう、根本的な部分、大もとから何とかした方が良い。

 

音に元気がないからと、パワーのあるPUを使おうとするのなんかも考え物。余計に高域が出なくなったり、鼻詰まりな音になったり、結局、全然抜けてこないかもしれません。

悪循環、負の連鎖はやっぱり避けたい。音的にも懐事情的にも、ロクなことになりません。原因も目的も解決方法も分からないんじゃ、どうやったって迷走するだけ。

 

「出したい音・必要な音が本当に出せてるのか?」

 

パッシブだから、アクティブだから、あの楽器だから、あのPUだから、あのエフェクターだから、あのプリアンプだから、あのコンプだから。

 

そんな言葉やイメージに満足するのではなく、現実を見たい!

 

パッシブ楽器の本当の音と凄さを知ろう

 

悪く言ってるようですが、パッシブ楽器って自分も大好き。

やっぱり、シンプルに気持ちいいし、 その潔さが良い。本当に良い楽器を弾くと、バッファだって邪魔とすら思ったりしちゃいます。

 

だからこそ、

 

「パッシブは音が温かい!」

「レンジは狭いけどそれがいい!」

「ベース本来の素直な音!」

 

こんなことを安易に言ってしまうのは、かなり抵抗があります。果たしてどこまで信用していいのか、分かってるのか、何とも疑問だなと。

本当はレンジが広く、アタックも強力かもしれません。変な回路を通す必要もなく、音が前に出てくることも十分に考えられます。

劣化した音=パッシブとは考えたくないし、それについては冒頭の動画を見ても分かるはず。

 

「本当の音!」なんて言いながら、実はその特性をよく知らない、劣化させまくってたり、加工もしまくってたり、真のレンジやアタックを全然理解してなかったなんてのは、凄くもったいない話。

インピーダンスを適性に処理、高性能バッファ、良いアンプを通して初めて分かるパッシブの実力、その魅力、ポテンシャルってのも存在する。

 

それを大音量で体感すれば、

 

「ベースってこんな凄い音するんだ・・・」

 

認識が一変したって何も不思議じゃない。

 

めっちゃくちゃブッ飛んじゃうサウンド、本物のアンプってマジで人生変わります。

ちゃんとしたパッシブ楽器を高性能なシステムで鳴らせば、世界観も価値観も一気に変わる可能性がありますし、上達のスピードもバンドの中での存在感も絶対変わる。

 

良い音を出すつもりが、変な楽器を使ってないか?余計な部品、回路を特に意味なく通してないか?

足元を充実させるのではなく、足枷の収集になってないか?虚しい遠回り、無駄な投資に心血注いでないか?

見直してみると結構、冷める部分があるんじゃないかと思います。

 

パッシブにこだわるんだったら、タッチにこだわりたい。タッチにこだわるんだったら、本物のシステムにこだわりたい。本物のシステムにこだわるんだったら、やっぱり、本物の楽器にこだわりたい。

 

『小物より本質』

 

パッシブが好きならばこそ、積極的にそこを探りたい!

 

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