大事なのは右手だけではない
良いタッチを身につけようとした場合、ついつい右手の方にばかり気が行ってしまいそうですが、実は左手を鍛えることも同じぐらい重要な印象。
押弦が甘いとそれだけ弦がずれやすくブレやすくもなりますし、アタックやサスティーンにも確実に影響が出てしまいます。
以前にも話しましたが、弦がたわんだり暴れたりしてフレットにぶつかれば、その瞬間に低音はミュートされてしまい、倍音構成もおかしくなってしまう。
機材任せには限界がある
それを補うためにプリやコンプに頼ったところでまぁ、大抵はどうにもならないことがほとんどではないかと。
左手が辛いからと弦高を下げれば、音はさらに細くなるかもしれませんし、ダイナミクスがどんどん希薄になっていく可能性が高くなります。
悪循環のようにブースター探しだの何だの、そうやって後付けを続けたとしても、恐らくはどうやっても解決の道が見えてこないでしょう。
そうならないためにもやはり、右手だけでなく左手も鍛えることが凄く大切になってくると痛感する次第。
超貧弱だった過去
自分自身がまさにそうだったと言いますか、
・弦高は1mm以下じゃないと弾けない
・フィンガーランプ必須
・ライトゲージ大好き
・プリでブーストもしまくり
なんていう、完全にそっちな感じの人間だった為、その弊害についてよく理解しているつもりです。
もちろん、そういったシステムでも素晴らしい演奏をする人は世の中いますし、使い方がなってないだけと言うのも確か。
しかしやはり、ちゃんとした基礎も身に付いてないのに道具頼りになるのは、本当に怖いこと身に染みて分かっています。
出音の細さは当然、腱鞘炎など怪我にも苦しみ続けましたし、とにかくずっと悩んでいました。
怪我は甘くみない方がいい
縦振動について研究するようになってからと言うもの、弾き方を丸ごと変えてしまった感すらあります。
「人生変わりました!」みたいな胡散くささ丸出しの話もしましたが、腱鞘炎とか笑えない怪我に悩まされることが無くなったのを考えると、何も大袈裟な表現ではないんです。
本当にその通りとしか言えません。
「練習のしすぎで腱鞘炎になっちまったよ!」なんてヘラヘラ自慢できる様な段階ならまだマシです。
拳が握れないとか茶碗も箸も持てないとか、そのレベルになるとまったく笑えない。
恐らくは、もっと酷い状態になってしまったことがある人なんかもいるはずですし、怪我というのは絶対に甘く見ない方がいい。
演奏の話だけでは済まない
ついでに言うと、その場に立つことすらできなくなる腰痛なんかも経験している為、楽器を弾くことによるダメージや歪みの蓄積とは、想像以上に危険ものだと認識した方が良いでしょう。
あまりに筋肉が硬直したり体が歪むと、内臓や神経までおかしくなってきますし、「この歳でここまで固まってるのは珍しい!酷い!」とベテランの整体師も呆れるぐらいの体になんて誰もなりたくないはず。
音が細いとかそんな話で済めばまだ良いですが、人生が終わってしまうレベルのダメージを抱えてしまうようだと、楽器そのものをやめなければならなくなる可能性もあります。
重度の肩こりや首のこりなどは、脳に対しても悪影響があるんじゃないかと想像しますし、頭痛に悩まされてる人なんかは本当に要注意ではないかと。
話を盛ってるとか年寄り臭い説教とか感じる人もいそうですが、痛みやそのシグナルは絶対そのままにしない方が良いと声を大にして言いたい次第。
実際に危険なダメージを経験してから気付くとか治すってのはおすすめしません。
ライブはもちろん、ツアー中なんかでも大変なことになりますし、大事なイベントを抱えているほど、しっかり健康管理しておかないとすべてを失うことにもなりかねない。
苦痛は放置しない
左手の話からは脱線してしまったようですが、一事が万事、痛みに対しては臆病なぐらいで良いでしょう。
太い音を出したいにせよ、疲れない演奏方法を身に付けたいにせよ、右手・左手についてはもちろん、全身についても考えた方が懸命です。
もっと言うならば、歯軋りだの噛みしめについても考慮した方が良い。
冗談も大袈裟でもなく、放っておくと自分みたいに大変な目に遭うことになるかもしれません。
今年の5月末に始まり、人生においてトップクラスの苦痛を与えてくれた歯の痛み。
最近になってようやく治療が終わりました。
日常生活や習慣をまず見直す必要性があるのは当然のこと、演奏から来るダメージの蓄積もあったんじゃないかと色々考えています。
軽く歯同士が触れるだけでも激痛になりますし、それ故、睡眠にも恐怖を抱くようになります。
無意識の内に歯が触れてしまい、その激痛で目が覚め、またうとうとしてそれを繰り返すという、地獄のような毎日を送るはめに。
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