初心者向け楽器 安物楽器への疑問
安物買いの夢失いでは笑えない
レッスンをしたと言うのも大袈裟なようですが、先日の体験であらためて楽器の選択の重要性を思い知りました。
それと同時に、
『入門用』
『初心者向け』
こう位置付けされているであろう楽器への疑念もより高まることに。
これから楽器を始めようという人に本当にそれをおすすめできるのかどうか、疑問と言うより悲しくすらなりましたね。
とにかく弾きづらい、音が良くない、抜けてこない。
あれじゃすぐ心が折れそうになってしまいます。
それに加えて、あれを安物のベーアンで鳴らすとなるとどうなるのか?
いや、なんとも恐ろしい話だなと。
それでベースの良さや面白さに気付くのはなかなか厳しい。
余程に相性が良いか情熱がない限り、先に進むのは難しいでしょう。
ある意味、初心者どころか上級者すら扱いが厳しいものと言えそうです。
いきなり根性論を押し付けるべきではない
こうして楽器のクオリティに文句を言うと、
「音楽はそんなに甘くない!」
「やる気がない奴はどうせ駄目!」
「楽器を弾く資格がない!」
みたいな、そんな説教じみた話や辛辣な声なども聞こえてきそうなところ。
しかしま~、今やもうすぐ2020年って時代です。
無根拠な精神論、それを過剰に美化した主張とか、さすがに古いんじゃないかと。
確かに、音楽の勉強や楽器の習得に大変な積み重ねが必要になることに間違いはありません。
どんなに良い楽器を弾いたところで、本人にまったくやる気がないのでは成長は難しい。
でもだからこそ、もっと効率的だったり、楽しく取り組むべきではないかと自分は考えます。
・努力の結果が出てこない
・成果が全然見えてこない
・分かりやすい変化も起きない
こんなもので必死に頑張ろうとするのは辛い。
先日ベースを教えた友人も、「自分の部屋の環境じゃこんな音は出ないし差も出ない」と言っていたように、環境による上達速度の差というのは物凄く大きな問題です。
うちにギターアンプを持ちこんで弾くこともありますが、そこで限界を感じて新たに別のものを買ったり、知っている人間はさすがに行動が早い。
その方が絶対楽しい、絶対上手くなれることが分かっているんですね。
初心者の内に、
「弘法筆を選ばず!」
こんな思考停止するのは危険です。
それは試行錯誤しないという意味のものではないでしょう。
自分を高めたいのであればこそ、良い環境づくりを軽視すべきではありません。
「安物でいいや」
なんて投げやりになったり、それに乗じて店側が変なものを売りつけるのも反対。
良い楽器で上手くなった結果、後の良いお客さんになってくれる可能性もあるわけですし、そこを短期的な利益だけ見て潰すのはどうなのかと。
手頃で良い物は確実にある
「安物を買うのはやめなさい」
と言いたくなるところ一方、楽器を始めたりその入門に大金が必要になるというのも酷な話だとは思います。
無責任におすすめするとなると、
「ジラウドはいいぞ!
「バグエンド最高!」
「PAアンプ買え!」
とか言っちゃいそうですが、トータルでとても10万円程度では収まるはずもない金額になるのが現実。
いきなりこれから入れってのも無茶があるというもの。
ただ、それでもまぁ、アンプに関してはPA用のパワーアンプもスピーカーも安く買えるのが今の時代なんですよね。
音量を出せる環境を持ってる人であれば、かなりおすすめな選択肢。
サウンドハウスあたりにいくらでも選択肢があるでしょう。
そんな大金をかけずともかなり強力なシステムを構築できます。
田舎住まいでガンガン音を出せるのであれば尚更ですね。
遠慮なく揃えちゃった方が良い。
ベース選びは難しいけど今は良い時代
手頃に良いアンプを手に入れることができても、ベース本体についてはなかなかそうはいきません。
「手頃かつ良いものを!」
と求めるのは厳しい面も多い。
・ネックがフニャフニャ
・フレットがおかしい
・ペグが酷い
こういうのに当たると問答無用に辛い。
状態も安定せずピッチもいい加減なんてことじゃ色々厳しい。
やはり、ある程度の投資はした方が演奏は楽しくなりますね。
特にベースは張力の強力な楽器です。
ネックが弱いと色々な意味で悲惨。
しっかりしたものを選ぶほど、それだけ上達も早くなるでしょう。
幸い、今の時代は自分が楽器を始めた頃なんかとは比較にならない良いものがあるんじゃないかと思います。
個人的な好みで言えば、
・パッシブのジャズベ
・軽めのアッシュボディ
・かっちり塗装してあるメイプル指板
こんな感じのスペックがおすすめ。
変にネックジョイントを削ったりしていないものが良いですね。
過剰に薄いネックなどを売りにしているものがあったら、それも避けた方が無難でしょう。
表面的な弾きやすさばかりを意識して音を犠牲にするのは、長い目で見たら遠回りだったり、結局は損をすることになるように感じます。
ジャズベのネックならそもそもナット幅は狭いのがスタンダード。
そんなにネックが太いわけではありません。
無理に余計なことをする必要もないし、それを求める意味も大してないかなと。
高級なベースを買って失敗した話
自分の体験談から言えば、アンチフェンダー体質で本当に苦労しました。
17~18歳の頃から定価が20~30万のものや多弦を所有して弾いていた身ですが、アンサンブルでは存在感がなかったり、扱いにくいものばかり買ってたと感じるところ。
そうやって悩んでいた中、兄が持っていた埃をかぶった古いフェンダージャパンのジャズベースを借りてみたらま~、超が付くぐらいにショックを受けました。
自分が欲しいと思っていたベースサウンドがそのまま出てきて心底がっかり。
こだわって楽器を選んでいたつもりが、10万円以下の楽器にいとも簡単に敗北したわけですね。
その後、工房系の40万円ぐらいするアクティブの5弦ジャズベなども手に入れたのですが、当時やってたバンドの中では上記のフェンダーの方が評判が良くて悲しくなりました。
変なアクティブサーキットや小細工など音の劣化にしかならなかった事実。
意固地に無根拠に定番を否定するのも幼稚な話なのかもしれないと反省した次第。
過剰に高級な物への憧れなど必要ない
ベースアンプに対しても、今は憧れなどほとんどなくなってしまった自分。
その値段に見合うものがどれだけだけあるのか本当に疑問になります。
ベーアンよりはるかにレンジが広いPAスピーカーや数百Wのパワーアンプ。
今はそれが5万円にも満たない条件でも手に入ってしまう時代です。
余程に良いものか便利なものでもない限り、ベースアンプには興味が湧きませんね。
ハイファイだのオーディオ的だの言っても、CDを鳴らしたら音はボロボロもいいところだったり、雑誌のレビューや宣伝文句などもあてにしない方がよい。
エフェクターやプリアンプなどにハマったり凝るのもいいけど、その出費で欲しかったベースが買えるような金額になってはつまらないですね。
なんの世界でも良いものを求めればキリなく金額が上がっていくのは確かですが、それが果たして実用性や汎用性に繋がるのかどうかと言うと、意外とまた話が違うものです。
「これが最高!」とピカソみたいな世界を押しつけられても困るし、逆に子供だましなものに妥協するのもどうかと思うところ。
初心者ならばこそ、行き当たりばったりではなく、先に繋がる可能性と柔軟性のあるものを選んだ方が良いでしょう。
それが具体的にどの会社のどのモデルなどとは言えませんが、賢く楽しく選ぶ方法は絶対にあります。
安く済ましたいのであればこそ、初期投資とその選択が大事なんじゃないかと。
とりあえず、先日のようないい加減なものは本当に勘弁ですね。
あれが原因で楽器やめちゃってもおかしくありません。
オリジナルマガジン
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