ポングとベース

ベース楽しむ人生を

縦振動のタッチとグルーブ

「グルーブなんて感じるもんだ!理屈じゃないんだよ!」

 

なんて言われ困惑したり、答えもなくずっと悩み続けることも、決して珍しくないんじゃないかと思います。

実際、そうとしか言えないものなのかもしれないし、いくら考えようと理想的な答えなんて出ないのも確かな気はします。

 

ただ勿論、「本当にそうなんだろうか?」と疑問を持つところはあるし、「根性だ!気合だ!」みたく、無闇やたらに努力を強制するようなのもどうなのかと。

すべて感性だの感覚だの言ったり、しまいには「才能の問題!」と片付けてしまうのも、ただの思考停止に感じます。

 

少なくとも、「音が全く聴こえてこない」とか「抜けてこない」とか、そういった悩みを努力の問題だけで解決することは、難しいんじゃないかと。

 

以前の話ではありませんが、ナチュラルに遅延があるようなシステムは困りますし、それで不要に苦労したり悩んだりすることが良いとはとても思えません。

 

すごく真面目で練習熱心だとしても、もしかしたら、それが裏目に出ることなんかも考えられるかもしれません。

出音がイメージしてるポイントとずれたままなのに、それを正確にキープとか守り続けるとか、ちょっと笑えない話。

そして、「これは高級で良い楽器なんだ!悪いのは自分なんだ!」と自虐的になったり責め続けたり、そうなるとほんと、一つの悲劇なんじゃないかとすら思えてきます。

 

「そんなもの関係なく無意識にグルーブしてこそ!」ってのもそりゃ確かですが、明らかなレベルで楽器の選択や練習の方向性が誤っていたり、そういった可能性もあるとするならば、これはやはり、なんでも感覚の話で済ませてしまうというのは、ちょっと乱暴なノリのような気がするところ。

「1%にも満たない選ばれた人間や超絶に鍛え上げた人間しかグルーブ出来ない!」とか、そんな事はあってはならない気がしますし、そりゃ、楽器としてそもそもの欠陥があるんじゃないかと。

 

「何をするにもスピードが大事!」みたいなことをずっと話してきたかもしれませんが、感覚と動作と出音など、そこにタイムラグが無いようにするために重要なんじゃないかと思います。

 

特に複雑に考えることもなく自分が出したいタイミングで自然に音が出せる、音が埋もれてしまうこともなく無理に音量を上げずとも存在感をアピールできる、そうなった方が絶対に演奏は楽になるし、単純に楽しくもなるんじゃないかと。

縦振動で弾ければ、低音も遅れることなく立ち上がってくるようになるし、楽器もそれに答えてくれるなら、それだけでかなり条件は良くなるはず。

勿論、とにかく高速にバンバン音が抜けてくることが絶対とは言いませんし、レスポンスの良さだけで考えるのが正しいとは思いません。

 

しかし、良いタッチが身につき、立ち上がりのコントロールも出来るようになった時、問答無用で反応が悪い物としっかり答えてくれる物とでどちらが扱いやすいか、これはもう考えるまでもないですし、悩む必要もないんじゃないかと。

エフェクターにハマったり、それで音づくりを追及するのも良いですが、その結果、音が引っこんで抜けなくなったり、遅延が酷いなんて事態になる可能性も残念ながら存在します。

それでずっと悩んだり、あれこれと考えながら弾くのは辛い。

 

ちょっとタッチを良くするだけでも、驚くほどに演奏もサウンドもグルーブも変わるかもしれないし、それでレスポンスの良い楽器とシステムにすれば、さらに良い方向に変化することも考えられます。

逆に、機材面から揃えてしまうのも有りなんじゃないかと思いますし、非効率にいつまでも悩むのが正しく格好いいなんて事はない気がします。

「機材から考えるなんて邪道で音楽的ではない!」と反感を持たれそうなところですが、そもそものレスポンスや音抜けなど、こういった要素ってもっとちゃんと議論された方がよい印象。

 

その意味では、音色的な面からアクティブやパッシブを語るのはどうでもいいし、アンプにどんなキャラを持たせるか、どんな機能を持たせるのかって話も疑問になります。

基本特性がめちゃくちゃだったり音が引っこんでるところからスタートとか、その時点で無理があるような?

 

縦振動を身につけようとすることで気付けるものは、本当に沢山あると思います。

今まで憧れていたものに疑問を持ったり、まったく価値を感じなくなったり、自分みたく、環境が一変してしまう可能性だってあるかもしれません。

物凄く遠回りしていたことにも気づきましたし、無駄な投資も多かったと反省しますほんと。

「ベースの魅力も面白さもぜんぜん分かってなかった・・・」と落ち込むものまであったり。

 

「人生が変わった!」なんて言うと、ものすごく胡散くさかったり、宗教くさくもなる気がしますが、タッチやシステムが良くなってベースを弾くのが楽しくなったことに、なんの間違いもありません。

 

2年と同じベースを弾き続けたことがない人間でしたが、今のメインベースになってからはもう7~8年は経っており、今でもそれをずっと弾き続けています。

弾いててこれほど楽しい楽器はなかったし、結果が出てくれる物もありませんでした。

 

縦振動のタッチを習得してもグルーブするとは限らないし、完璧なシステムを用意してもそれで全て解決するなんてこともないと思います。

そもそも、ベース視点からだけで考える話でもなく、追及していけばどこまでも深い領域なのは確実。

 

だからこそ、あまりに理にかなってない道具や、奏法で頑張ってるのを見たりすると、正直言って「凄くもったいない」と感じる事がよくあります。

そしてそれを、「理屈じゃない!とか「気合も努力も足らん!」で済まそうとするのはやっぱり、そりゃどうかなのかとなります。

 

タッチを良くするとか、システムを見直すとか、具体的にできる事が必ずあるはず。

その上でさらに練習を積んで演奏した方が、絶対に良い結果になると思います。

 

リズムが悪い、グルーブしない、このフレーズが弾けない、

どうにもならない酷いタッチと楽器でやってたら、そりゃ苦戦して当然って話ですよね。

ひどい場合、軽自動車でF1マシンに挑むようなものではないかと。

 

例えばの話、「スラップでどうも良い音が出せない」とか「アタック感が弱い」とか、そんな悩みがあるなら、先日の話に出てきたフルチューンの楽器を弾いてみると良いと思います。

それもベースアンプで試すのではなく、ちゃんとしたシステムで鳴らすべき。

 

それでも駄目なら、それではっきりした原因を見つける事ができると思うし、今度はその問題点に向き合って練習すれば、どんどん上手くなっていくはず。

やはり問題なのは、大した変化も起きないとか、どうにも鈍重で抜けてこないとか、そういう物を使ってしまっている事なんじゃないかと。

 

「スラップってこんなに気持ちいいんかい!」なんて感覚を知るだけでも変わるはず。

 

そして、タッチもそうやって鍛えていけば、ベースは本当に面白くなってくる。

それこそ、理屈抜きにグルーブすることも可能になるかもしれません。

良い音・聴こえてくる音って、それだけで十分な武器になりますし、結局、それが基本であり大切であり、音楽的なものにもなるんじゃないかと感じます。

 

グルーブに悩むのって、演奏があまりに苦行になりすぎているからなんじゃないかと想像する次第。