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ポングとベース

ベース楽しむ人生を

縦振動のタッチとフルチューン

縦振動の練習をするにはとりあえずOPBを弾くのが一番良いかと思うが、

ある意味ではそれ以上に難しいのがジラウドのフルチューンかもしれない。

電気的に高速な特性を求めるのであればこれ以上の仕様はないんじゃないかと。

また、ジラウドは電気的な要素に注目が集まりがちだが、

実は楽器本体の生音とその反応の良さにこそ強く拘っていると感じる。

木工的にも電気的にも高速でとにかくタッチレスポンスに優れてる印象。

フルチューンにした際は本当に尋常でない反応の良さを手に入れる事が出来る。

 

しかしそれだけに上手く使いこなすのは難しい。

ちょっとしたバズやタッチノイズも忠実に再生してしまう為、

弾き方が悪いと聴くに耐えない音を出す事になってしまう可能性もある。

実際、自分もフルチューンの楽器を長年恐れていた。

まだジラウドに通い始めの頃にかなり痛い目にあった記憶も残ってる。

「これちょっとバズが気になりますね~。」なんて試奏で言ったところ、

「バズが出る様に弾いてるんだから当然だよ。」とバッサリ切られてしまった。

そしてどう弾くか実践してもらうとバズなど無縁な超太く濃密な音に圧倒された。

以前にも話したが縦振動が身に付いてくれば不要なバズは無くなってくる。

握力に頼ったフィンガリングや左手の押弦の甘さも指摘されたり、

楽器が悪いのではなく自分がただ下手なだけだったと思い知らされた。

 

今でこそフルチューンをメインの楽器として弾いているが、

当時はそれこそ本当にトラウマになるぐらいの体験だったかもしれない。

ただ、それだけに真剣に練習に取り組む様になったし基礎を見直した。

縦振動のタッチから生まれるサウンドにも凄く憧れたし、

上手くなってると調子に乗ってた自分を戒める良い経験でもあった。

あれを最初からまともに弾けて良い音を出せる人は相当タッチが良いと思う。

そんな自分試しや道場破り感覚で弾いてみるのも面白い気がする。

 

ジラウドでも特にフルチューンの楽器は本当に評価がバラバラになると言うか、

人によって全く違う印象を持たれてそうなのが実に興味深い。

これほど気持ち良く凄い音が出るベースはないと評価する人もいれば、

高域が出すぎて使い難いとかバズも酷いし作りが悪いと評する人もいる。

信者が過大評価してるだけの宗教臭い楽器と切る人もいるかもしれない。

生音が重要と考えればエージングが進んでからが本番だと思うし、

長い付き合いがあってこそ良い音が得られるんじゃないかとも感じる。

だから途中で諦めたり新品同様の中古品が出回るのも分かる話の様な気がする。

扱い方が分からないと本当にどうしていいか困る可能性は十分にある。

 

しかしそれも結局は自分のタッチがそのまま出てるだけの事なんだと思う。

先日の話ではないがタッチほど不確定で曖昧な要素もない。

それをなるべく排除しとにかく安定した音が出る様に作る物もありそうだが、

はっきり言ってフルチューンはそれらとは対極な存在の様に感じる。

その超ワイドレンジで高速なサウンドが味方になってくれるとは限らないし、

音作りをEQとそのブーストオンリーで考える人にも厳しい。

出すぎてると感じるポイントを把握しカットする事を覚える必要もあると思う。

当然ながら臨機応変な対応は可能であり難しいと脅かす為に存在する訳はない。

ちゃんと音作りすればよく抜けてくるパッシブベースぐらいの音にも出来る。

タッチを鍛えれば本当にこんな心強く楽しいベースもないと納得出来るはず。

 

そういう意味ではアクティブは嘘臭いとか本来の音じゃないとか、

そんな意見や先入観が何の役にも立たなくなる仕様なんじゃないかと思う。

むしろこれほど正直に原音を再生するナチュラルな物もないかもしれない。

それだけに真剣に向き合い練習すれば上達の速度は格段に上がるはず。

練習の結果も分かりやすく出てくれるし実戦においても絶対に役立ってくれる。

バズが出るならまず自分のタッチと押弦を疑ってみれば良いし、

それでもおかしいと感じるなら楽器のメンテナンスを考えてみれば良い。

また、他社の物をフルチューンにしてみて全然良い結果を得られなかった場合、

それはそのベースの生鳴りやタッチレスポンスに疑問を持つべきかもしれない。

生音が遅ければそれがそのまま再生されるという事なんじゃないかと。

PUの特性が壊滅的だったりそもそものレンジが狭い事もよく分かると思う。

 

OPBとフルチューンベース、この二本に普段から触れていればこれはまぁ本当、

縦振動に限ってだけでなくタッチそのものが凄く鍛えられてく事になると思う。

OPBだけで練習してるとつい力任せにもなったり左手の意識も甘くなるのだが、

フルチューンだとそれは許してくれないので全く油断が出来なくなる。

右手だけでなく左手も自然と鍛えられる事になる為やはり上達は速くなるはず。

是非ともしっかりしたシステムでフルチューンを体験してみて欲しい次第。

アクティブ派とかパッシブ派とかそんな領域を超えた世界が見えると思う。

ベースってこんな凄い音がするのかと感動出来るかもしれない。

フレットノイズやバズも無く弾ければ縦振動が身に付いている証明にもなるかと。