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ポングとベース

ベース楽しむ人生を

W-Bassの肝

ジラウド

ジラウドにおける大きな拘りの一つは生鳴りだと思う。

電気的な部分にだけ注目が集まりがちな印象もあるが、

楽器本体の鳴りにこそ音の肝があるんじゃないかと感じる。

その中でもW-Bassの鳴り方は特別なものがあるかもしれない。

もう20年近くが経過しているという事もありそうだが、

この音の深さと複雑な鳴りを持っている物にはちょっと出会えない気がする。

生音からして一般的なエレクトリックベースとは一味も二味も違う。

 

ただ、このベースを扱うにおいて注意すべき事もある。

弦を安易に交換すると意外なぐらい苦労するハメになってしまうかもしれない。

フラットワウンドと言えど新品時は結構硬質で明るい音になるものだが、

W-Bassは何故だかその影響が恐ろしい程に出てしまう印象。

ウッドベースの様な音を出そうにも全く雰囲気が違う感じだったり、 

望んだそれっぽい音にならなくなるので本当に注意が必要だ。

半年ぐらい弾いても落ち着く気配が無いフラット弦に当たった時は絶望した。

結局、張り替え以前の様な音にはならなかったので泣く泣く他の弦に交換した。

とは言えその弦に納得するまでこれまた時間がかかったりするから困る。

最低でも三か月は弾かないとイメージ通りの音にはならない気がした。

 

しかし弦が馴染み音に統一感が生まれるともう最高である。

一音弾くだけで満足出来るそんな素晴らしいベースになる。

生音を否定していたらこの音には出会えないと思うし、

それと同様に電気的な部分を疎かにしても駄目だと感じる。

全ての要素が絶妙に絡み合うからこそこういう楽器が生まれるはず。

そしてそこに素晴らしい魅力があるんじゃないかと。

 

だからまぁ音を作る要素を安易に否定してしまうのは勿体ない気がする。

感覚的な部分と具体的な部分と絶妙に噛み合う楽器は面白いし実用的でもある。

結局はフェンダーが良いみたいな話もその辺の問題だと思うし、

ジラウドの魅力もそんなところにある様に感じる。

たまに国産ハイエンドブランドの様に扱われている事もあったりするが、

正直、徹底的に生真面目に無駄を排除とかそんな印象とは違うかもしれない。

合理的な様で曖昧なところも感じたり弾くのが楽しい楽器だと思う。

プレイヤーとそのタッチによって全くの別物になったりもするから面白い。

エレクトリック楽器の生音は無視すべきなのか?

ベース話

ソリッドボディとマグネットPUの楽器をアンプで鳴らす。

そこにおいて生鳴りは関係無いと言う見方や意見もあるが、

個人的にはとてもそうは思えない事が沢山ある様に感じる。

最近のジラウドの中で言えばPJ仕様のベースがまさにそんな印象。

PBボディかJBボディかの選択で不思議な程に出音の雰囲気が違ったりする。

PUやプリを同じ仕様にしているにも関わらず何故かそんな事が起こる。

イメージそのままと言うかPBはPBの音がするしJBはJBの音がする。

そしてそれは生音だけの話ではなくアンプを通してもそうなのだから興味深い。

と言うよりむしろアンプに通した方がそれがより際立つと思う。

 

同じ様な話を他の工房で聞いた事があるのも面白い。

その店主がスペクターベースのファンであり、

自社のJBをカスタムしPUとその位置を同仕様で作ってみたところ、

出音のニュアンスや印象は不思議な程にいつものJBのそれであったらしい。

電気的な要素だけでは説明出来ない領域があるという事か、

ソリッドの楽器と言えどやはり生鳴りの影響は絶対に存在するのだと思う。

エレクトリック楽器を生音だけで判断すべきではないのは確かだが、

しかし全くの無視を決め込む事が正しいとも思えない。

ネックやボディの振動と弦振動に何の関連性も無いのであれば、

何故にデッドポイントが発生するのかサスティーンが変化するのか?

同じモデルでも個体差が生まれてしまう事に対する説明も付かない様に感じる。

 

マグネットPUが弦振動にしか反応しないと言うのは個人的には共感出来ない。

だがそういった考え方をするのも分かる話ではあるかもしれない。

しかしそう考えるのであればこそ弦振動にもっと注目した方が良い気がする。

ボディとネックが弦振動にどんな変化をもたらすのか、

それによって音はどう変化するのかPUはそれをどう拾うのか、

やはり無視を決め込むのはちょっと無理がある様に思える。

「不確定要素を排除する為にボディもネックも極力振動しない様にする。」

なんてコンセプトで楽器を作るのであればそれは分かる話だが、

しかしエレキに生音は関係無いと言う理屈とは似た様で異なる考えの気がする。

そもそもボディが鳴る事でマグネットPU自体が振動していたらどうなるのか?

その影響は明確に完璧に否定出来るものなのかまぁ自分には分からない。

 

エレクトリックと言いつつ恐ろしい程にアナログなこの世界。

その曖昧さに付け込み物を売りつけるやり方などには確かに嫌悪を感じるが、

あまり意地になってお堅く否定してしまうのも面白くない気がする。

お堅くなるならそれを確実に証明する理屈が欲しいところだし、

結局は感情先行で否定しているのであれば納得は出来ない。

個人的には得体の知れない奇妙で摩訶不思議な領域ってのがあるべきだと思う。

そしてそれを何だかよく分からず長く長く楽しんでいきたい次第。

その意味ではボディがよく鳴ってる楽器が好きだし弾いてて楽しく感じる。