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ポングとベース

ベース楽しむ人生を

縦振動のタッチとスピード

良い音を出すにはタッチスピードが重要と先日話したが、

これは速いフレーズを弾けなければいけないという類の意味ではない。

どんなに速く弾けてもタッチスピードは大した事ないと見る事も出来ると思う。

速弾きの話と絡めた為に少々ややこしくなってしまったが、

指先のヘッドスピードとでも言った方が良いのか、

弦から指が離れるまでの速度と言えば良いのか表現が難しいところである。

完全に自分のイメージが勝手に作った言葉の様な気もする。

 

とりあえずまずは何故そのスピードが必要なのかという話になりそうだが、

弓矢をイメージすると何となく分かりやすい気がするかもしれない。

矢を真っ直ぐ飛ばしたいのに変な方向に引っ張る人はいないはず。

一見は綺麗な様でも放つ瞬間に妙な癖があってブレたりするのも良くないはず。

力を入れる・抜くタイミングがおかしいのは致命的だと思うし、

やはり矢を放つその瞬間が大事なのではないかと想像する。

勿論、そこに到るまでの過程も大切でそれが結果を生むのだろうが、

最後の最後でヘナヘナになってしまってはそれこそ台無しなんじゃないかと。

 

弦振動は言ってしまえば人の手によって弦が現在地から強制的にずらされ、

そこから元の位置に戻ろうとする運動なのではないかと思う。

当然の事ながらそのまま放っておいて弦が激しく振動する事は無いし、

勝手に自動に永遠に振動し続けるなんて事も有り得ないはず。

その元の位置に戻ろうとする弦の初動と軌道が大事と言うか、

そこで良い結果を生む為にタッチスピードが必要になるんじゃないかと感じる。

矢を射るのに指の動きがもたついてたり引っかかっていては論外だし、

肝心の放つ瞬間の動きがぬる~っとゆっくりしてるなんてことも無い様な。

どこぞの野球監督ではないが「グ~ッと来てパッ!」なイメージかなと。

 

縦振動においては弦を綺麗に垂直に押し込む事がまずは第一になるし、

そこから如何にそのまま何の癖もなく戻ってくる様にするかが最重要な印象。

どんなに綺麗に押し込めたとしてもその先に勝負が待っている。

指の抜き方が悪かったり指が残ったりもたついて弦から離れなかったり、

それでは余計な軌道を描く結果になってしまうし弦が不要に暴れてしまう。

弦が不自然にたわんでしまうほどに力を入れても良い結果にはならないし、

フレットが障害物の様にぶつかりブレーキになってもいけない。

独特の音色とか個性とか言う前に振動に露骨な影響が出るのは確実だと思う。

弦の初動の水平運動を如何に綺麗にするか瞬発力を持たせるか、

それが鍵になるんじゃないかと自分は感じている。

 

具体的の様な感覚的の様な難しいタッチスピードの話、

しかしこれを高めない限りは縦振動を実現・実感する事も出来ないと思う。

縦振動に限らずとも力強く瞬発力のある音を得る事は難しいかもしれない。

指弾きで物凄く立ち上がりも歯切れも良く弾くのはやはり相当に困難な印象。

しかもそれを太く重い音で実現するとなると余計に道は遠くなる様に感じる。

一音だけ集中して出すのであれば弓矢の様にじっくり構える事も出来そうだが、

実際の演奏ではそれが許されない場面の方が圧倒的に多いと言うかほとんど。

一音一音をいちいち溜めて集中して弾いている暇なんか無いはず。

本当に瞬間的に合理的に指を動かさねばならない。 

押し込むと同時にもう指を抜く準備が出来てなければいけないのが現実かなと。

 

しかしその両立が本当に難しいと言うか恐ろしい程に困難だと思い知らされる。

勘違いしたパターンではただ弦をこする様に弾いてたなんて人もいたらしい。

当然ながらそれでは弦は振動してくれないし振動方向以前の問題だと思う。

タッチスピードを得る為に不自然に窮屈なフォームにする事なんかもある。

これは完全に自分の失敗談だが未だにその癖が残ってしまっている気がする。

スピードを出す為にやたらと力んだり手首をガチガチに固定したり、

それでも一応は限定的に良い音を出せる様にもなるかもしれないが、

まぁ長時間演奏したり疲労も怪我も無く弾き続ける事は無理だと思う。

脱力して自然に弾ける事が望ましいしその方が応用力も表現力も豊かになる。

 

究極はピアニッシモでも充実した良い音を出せる様になる事かもしれない。

自分もまだとても辿り着けない領域であり本当に先は長いなと感じる。

大きな音で迫力を演出したり低音を強調して主張する事はある意味簡単だが、

小さな状態で重心が低く濃密なサウンドを実現する事は困難極まりない。

どうすればそのスピードとタイミングを掴む事が出来るのか、

まだまだ今後もずっと研究を続けていきたい次第。

縦振動のタッチと速弾き

「縦振動のタッチ」と一言にまとめてしまうと、

限定的だったりまたは特殊な奏法の様に認識されがちな気もする。

実際、それならではのサウンドがあるのは確かだと思うし、

完璧な縦振動による凄まじく濃密な低音には憧れを感じる。

しかしそこだけを目指すのは個人的には少し違うかなと考えるところでもある。

0か100かの話で区切ってしまうのは勿体ないんじゃないかと。

そういった極端な切り替えが面白くもあるかもしれないが、

タッチを研究する事によりそのコントロールが身に着いてくると本当に楽しい。

曲中における微妙なニュアンス付けなど多彩に表現出来る様になると思う。

 

また、ずっと縦振動の練習に取り組んできて分かったのは、

速弾きに対しても大きな効果を望める事ではないかと感じる。

10年以上前の自分を思い返してみると今と全く違う事に笑ってしまう。

弦高は紙一枚入るかどうかで恐らく1mm以下、

ライトゲージの弦を好みタッチも軽くほんの触れる程度、

バズも俺の個性・アグレッシブなアタックだと悦に入る、

プリアンプでローをフルブーストが常、

フィンガーランプを取り付け指が深く入らない様にする、

テクニカル系気取りで隙あらば速く弾こうとする、

冗談や大袈裟ではなくこんな感じだった気がする。

 

そんな中で縦振動の音に出会った事と色々な体験を経てからというもの、

技巧派を目指すのなんてもういいかな無理かなとなった訳なのだが、

何故だか不思議なもので今の方が当時よりも速く弾ける様になっている。

肝心の音に関しても比べ様もないぐらいに太くなっていると思う。

楽器のサイズは大きくなってるし弦高もはるかに上がっているし、

表面的に見るとどう考えても速くなる訳がない様な気がするのだが、

まぁ本当にタッチの練習に取り組んできた事で成長したのを実感する次第。

もっと言えば怪我に悩んでいたのもかなり解消された様に思う。

低い弦高で楽しようとしてた頃の方が腱鞘炎などに苦しんでいたのだから皮肉。

 

そんな実体験から話すが縦振動習得への取り組みは本当に大きな効果がある。

弦を無理に引っ張ったり力任せにして辿り着けるものではない為、

縦振動を意識するほど非常に効率的に確実に音を出す事が可能になる。

とにかく弦を押し込んで限定的に太い音を出す事だけを目指すのではなく、

根本と基礎として弦振動とその方向を意識するだけでも変わってくると思う。

腱鞘炎や怪我に悩む人にも非常に大きな意味を望めるかもしれないし、

楽器を鳴らすのに必要な力や運動はどんなものかと考えるだけでも違うはず。

 

で、実際問題、どんな事を意識すべきか何を変えるべきなのかと言うと、

縦振動に限らず良い音の為には如何に弦から指が素早く離れるかが大事な印象。

どんなに強く押し込んだところで指がいつまでも弦に触れている様では不味い。

素早く指が抜けなければ結局は弦が元の位置に戻ろうとしてしまう為、

それだけ振幅は小さくなるし指が抜ける方向が悪ければ弦も暴れてしまう。

タイミングが悪ければただ力んで無駄に疲れるだけで効果も出てこない。

タッチスピードを得る為には脱力も大事だしもちろん指の使い方も重要。

縦振動の習得は言ってしまえば基礎の深い見直しになるとも思うので、

速弾きに対し効果があるのも当然と言えば当然の気がする。

 

無闇にただ速く動かすのではなくどうやったらもっと良い音を出せるのか、

具体的にどうしたら太い音になるのか指が速く動く様になるのか、

そういった問題と真剣に向き合う事になる訳だからやはり変わると思う。

誰かが「こうした方が良い!」とアドバイスしたところで、

人によって手の大きさも指の長さも関節の柔らかさなども違う訳である。

傾向としてこの方が理に適っているというものもあるとは思うが、

最終的には自分なりにベストな方法を探っていくしかない気がする。

縦振動への取り組みは練習内容をより充実させてくれるし、

音が太くなるという具体的な効果が出てくれば本当に楽しくなる。

そしてそれだけでなく様々な恩恵がある事に気付くと更に面白くなっていく。

 

そんな訳で今回の動画は速弾きを意識して弾いてみた。

軽く触れるぐらいのタッチと縦振動で弾く事を考えたものとで音が違うと思う。

まぁ本当に脱力出来ているかはかなり微妙なところではあるが、

とりあえず速く弾くにもタッチによる変化が起こせる事は伝わるかなと。

特に今回の様にシングルコイルでリアPUオンリーなんてセッティングの場合、

弦を押し込む事を知っているか知らないかでかなり違いが出てくるはず。

フレットレス愛好家なんかには凄く大事な要素にもなるかもしれない。

 

※ヘッドホンなど推奨。

www.youtube.com